文字サイズ
    中学受験サポートに協賛する会員校の特色や、会員校からのお知らせなどを掲載しています。

    グローバル教育の最先端へ…指定校の決意

    • 教頭の江川昭夫先生
      教頭の江川昭夫先生

     佼成学園女子中学高等学校(東京都世田谷区)は、文部科学省が2014年度から実施するSGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定校となった。SGHとは? どのような教育が行われるのか? 江川昭夫教頭に聞いた。

    「英語の佼成」から「グローバルの佼成」へ…SGH

     ――SGHとは?

     SGHの目的は、社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力や問題解決力などを身に付け、国際的に活躍できるグローバルリーダーを育成することです。指定校は学校ごとに研究課題を決め、国際化を進める国内の大学、企業や国際機関等と連携を図りながら、質の高いカリキュラムを開発・実践していきます。その成果は、今後の日本のグローバル教育に役立てられます。

     ――指定校に選ばれた理由は何だと思いますか?

     本校は「国際社会の平和に貢献できる人材の育成」という建学の精神のもと、特に英語教育に力を注いできました。語学の習得とコミュニケーション能力の向上、二つのバランスを重視したカリキュラムを組んでいます。「英語の佼成」として、「イマージョン教育」「英検まつり」「ニュージーランド留学」などを通して英検1級合格者や難関大学合格者を多数輩出し、海外大学進学者も送り出してきました。そんな取り組みが評価されたのではないでしょうか。

    海外大学目指す「グローバルクラス」を新設

    • 約1年間のニュージーランド長期留学
      約1年間のニュージーランド長期留学
    • イギリスのロンドン、コッツウォルズ地方に修学旅行
      イギリスのロンドン、コッツウォルズ地方に修学旅行

     ――具体的に何が変わるのでしょう?

     SGHは学校ごとに決めた研究課題に沿ってカリキュラムを構成します。本校のテーマは「フィールドワークを通じた多民族社会における平和的発展の研究」です。

     高校には現在、特進留学コース、特進文理コース(文理クラス・メディカルクラス)、進学コースがあり、特進文理コース内に「グローバルクラス」を新設します(2015年度)。さらに「国際理解科」という教科を設定し、「異文化理解」「国際文化」を科目としました。こうすることで、スポット的ではなく年間を通して学べ、国際理解を土台にグローバル人材を育成する体制を整えたのです。

     ――「特進留学コース」「グローバルクラス」の特徴は?

     「特進留学コース」は高校入学後9か月学んだら、1年間ニュージーランドへ留学します。「グローバルクラス」は高校3年間を準備期間ととらえ、異文化理解を中心にみっちり学びます。短期留学(海外研修)もします。2年生の秋にタイ、3年生の春にイギリスと、“異なる文化圏”で1か月ずつ過ごすのがポイントです。

     進路においても違いは明確です。「特進留学コース」は国際化に重点を置く国内大学がメイン。「グローバルクラス」は日本の大学を経由せずに、海外大学を目指すことをメインにします。

    語学だけでは不十分…理想は「調整型リーダー」

    • 国際理解を土台にグローバル人材を育成
      国際理解を土台にグローバル人材を育成

     ――求める生徒像も違いますか?

     「特進留学コース」は、とにかく英語が好きで早く海外へ留学したい人向き。「グローバルクラス」は少し違う。いくら語学が堪能でも、それだけではグローバルリーダーにはなれません。リーダーシップをとるには総合力が物を言い、国語力や論理的に人を説得する力が必要なのです。

     たとえば面接の時に英語で質問されて、うまく答えられないからと黙ってしまうのではなく「日本語で答えてもいいですか!」と言えるような人。入学の時点で英語がそれほど得意でなくても、本校のカリキュラムで英語力は身に付くはずです。

     ――佼成が考えるグローバルリーダーとは?

     グローバルというと英語や海外、といったイメージがあるかもしれない。しかし、本当の意味でのグローバルは“多言語多民族”でしょう。多言語が飛び交う多民族社会で活躍できる“調整型リーダー”が理想ですね。

    3学期はまるごと留学…中学校で「中期留学プログラム」

     ――中学校への普及はどう考えていますか?

     本校は中高一貫校ですから、SGHの成果を全校的に広めることが目標でもあります。中学校も将来的には、SGJ(スーパーグローバルジュニアハイスクール)を目指します。グローバル感覚を養うには少しでも早い方が効果的。そのためにも、英語を使う授業数は公立中学校の約2.5倍とっています。また2014年度から、中学3年生の3学期をまるごと留学にあてる「中期留学プログラム」を導入しました。中高一貫校の中だるみ期と言われるこの時期をも有効に使います。

     ――SGHの目指すところは?

     国際バカロレア(国際教育プログラム)の発想に近づくことではないでしょうか。そのためにも、イマージョン率(ネイティブによる授業)を上げていきたい。本校ではまだ音楽と美術だけ。もっと増やしていきたいですね。

     SGHの指定を通してのメリットについて江川教頭は「学校として何を目指すか、生徒に何を学んでほしいか。今まで以上に深く考えるチャンスになりました。組織としての結束力も高まりました」と語る。先生の熱意が、生徒の未来を明るく照らす。「英語の佼成」から「グローバルの佼成」へ――今後の展開に注目したい。

     (文・写真:藤井恵菜、一部写真:佼成学園女子中学高等学校提供)

     佼成学園女子中学高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

    2014年07月30日 13時12分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP