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    華やかさに仏教校の奥ゆかしさ添えた学院祭…国府台女子

     国府台女子学院中学部・高等部(千葉県市川市)で9月22、23日の両日、学院祭「菊菱祭」が開催された。クラブや有志が多く参加する文化祭だけに、参加する生徒たちはやる気満々だ。書道パフォーマンスや競技かるたの試合を始め、美術・デザインコースの作品など、時間をかけて準備したさまざまな演出が来場者をうならせた。

    キャンパスツアーで多くの生徒がガイド務める

     国府台女子学院中学部・高等部の学院祭「菊菱祭」の今年のテーマは「柳緑花紅~花がつむぐ物語~」だ。「柳緑花紅」の言葉には「自然のままで手を加えない、悟りを開いた状態」という意味があるという。生徒会にあたる高等部白菊会の会長(高2)は「女子校の華やかさと仏教校らしい奥ゆかしさを表現できるのではないかと思い、この言葉を選びました」と話す。会長は学院の小学部の頃から生徒会の運営に関わってきたそうだ。

    • 校舎に入ると、キャンパスツアーの生徒たちが出迎えてくれる
      校舎に入ると、キャンパスツアーの生徒たちが出迎えてくれる

     取材に訪れた9月22日、キャンパスは活気がみなぎっていた。まずは午前中のキャンパスツアーに同行することにした。校舎正面のピロティ―を抜けるとすぐに、明るいガラス張りデザインの図書館があり、その前がツアーの発着点になっていた。受け付け台周りにはガイド役を申し出た有志の生徒が大勢控え、学校見学に訪れた親子連れを個別に次々案内していく。学校としては「気軽に利用してほしい」という考えで、ガイド役の人数には余裕を持たせたというが、それでも足りなくなるほどの来校者数だった。

     ガイド役の生徒たちは、当日は大食堂になっていた体育館や中学部・高等部の教室、美術・デザイン系大学への進学に対応する「美術・デザインコース」のアトリエなど、校舎内を1階から4階まで丁寧に説明しながら案内してくれた。私たちをガイドしてくれたタッチラグビー部の生徒(高1)は、「楽しく学院祭の手伝いができそうだったので、ガイドのボランティアに応募しました」という。普段の学校生活について聞いてみると、「温厚な人が多く、明るい雰囲気です。ゆったりしていて、いごこちがとてもよい学校です」と楽しそうに答えた。

     ツアーの後、中学部・高等部校舎の1階に併設されている講堂「寿光殿」に行ってみると、英語のスピーチコンテストが行われていた。登壇した生徒らは緊張の面持ちながらも、聞き取りやすい発音を心がけ、ジェスチャーを交えて日頃の英語学習の成果を披露していた。会場はときおり紙をめくる音しか聞こえないくらいの静寂に包まれ、審査役のネイティブの教員が真剣に採点を行っていた。英語スピーチコンテストが終了した後は、筝曲の演奏や合唱部、マンドリン部、オーケストラ部の演奏、ダンス部の発表が次々行われ、館内は一転、にぎやかになった。

    書道パフォーマンスや競技かるたに息をのむ

    • 書道部が中庭の特設ステージで行ったダイナミックなパフォーマンス
      書道部が中庭の特設ステージで行ったダイナミックなパフォーマンス

     中学部・高等部校舎の2階には各クラブの展示が並んでいた。書道部の展示室には、さまざまな書体で「あとひとつ」「何度でも この両手を あの空へ」など力強くメッセージが書かれた力作が展示されていた。翌23日には中庭に黒く巨大な紙を広げ、桃色で「玲瓏(れいろう)」の2文字や金子みすゞの詩の一部などを書き上げた。この書道パフォーマンスは毎年恒例となっていて人気を呼んでいるという。

    • 緊張感の漂う百人一首競技かるた部の模擬試合
      緊張感の漂う百人一首競技かるた部の模擬試合

     同じフロアでは百人一首競技かるた部の模擬試合も行われ、多数の見学者が集まっていた。華やかなかるた着に(はかま)姿の部員たちは、ゆったりとした仕草でにこやかに会場の準備にあたっていたが、試合が始まると会場の空気は一変。読み札が読み上げられるたび、部員たちは目にも留まらない速さで札に手を伸ばす。ときには札が遠くまで勢いよく飛ぶこともあり、見学者は緊迫した試合風景に見入っていた。

    • スチームパンクの世界を表現した美術・デザインコースの生徒のブース
      スチームパンクの世界を表現した美術・デザインコースの生徒のブース

     4階の美術・デザインコースの作品を展示した教室では、巨大な首長竜のオブジェが教室の外まで顔を出して来場者を出迎えていた。個展方式となっていて各生徒の個人ブースは、ペットボトルアート、油絵、水引きアート、アニメーション動画などさまざまな表現技法を使った作品が所狭しと並んでいた。中にはスチームパンクをモチーフに19世紀のイギリスの部屋をイメージした空間や、昭和の香りが漂うラーメン店をモチーフとした空間の表現もあり、趣向をこらして作り上げたユニークな小宇宙が広がっていた。

     このほかにも、クラス単位で有志が運営するおばけ屋敷や迷路などのアトラクション、大手広告代理店の協力で行っているキャリア教育プログラム「Ad School」で制作した商業施設のCM動画の放映など、見所満載だった。

    大いに盛り上がる生徒だけの「中夜祭」

     初日の夕方には一般公開しない、生徒たちだけの学内イベント「中夜祭」があった。人気グループの歌を歌ったり、ダンスのパフォーマンスをしたり、教員が参加するクイズなどの企画もあって生徒がたくさん集まり、今年も大いに盛り上がったそうだ。

     この「中夜祭」の運営や中庭に設置された屋外ステージの管理は生徒会にあたる高等部白菊会が取り持つ。同会の会長(高2)は「夏休みから準備を始め、本当にうまく開催できるか不安に感じることもありましたが、一度しかない高校生活なので楽しもうという気持ちで今日を迎えられました」と話す。そのうえで「このようなイベントのときには、多くの生徒が、何か手伝えることはないかと声をかけてくれたり、ボランティアを積極的に引き受けてくれたりします。優しい子が多い学校だと思います」と付け加えた。

     仏教校である同校は、「敬虔(けいけん)・勤労・高雅」の目標を実現するために、「知恵」と「慈悲」の二つの心を大切にしているという。学院祭でも、勉強という言葉では語りきれない生徒たちのさまざまな「知恵」と、互いを思いやる「慈悲」の心が発揮されたようだ。仏教の精神を呼吸しながら、伸び伸びと学校生活を送る生徒たちの姿に、同校ならではの教育の特質を見た。

    (文・写真:山本華子 一部写真:国府台女子学院中学部・高等部)

     国府台女子学院中学部・高等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年12月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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