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    主体的な学びの環境 オープンキャンパスで体感…山脇学園

     山脇学園中学校・高等学校(東京都港区)で8月25日、オープンキャンパスが開催され、約1000人の小学生と保護者が体験授業などを楽しんだ。今年は、新しい英語教育や理系教育に力を入れた学校改革が始動して10年目を迎える。オープンキャンパスのイベントから見えてくる同校の新しい姿をリポートする。

    イングリッシュアイランドで英語教育に大きな期待

    • 学校説明会では、講堂の900席が満席に
      学校説明会では、講堂の900席が満席に

     今年2回目となる同校のオープンキャンパスは8月25日に開催され、約1000人の小学生と保護者で(にぎ)わった。この日のプログラムは校内自由見学やクラブ見学・体験などを楽しみながら生徒たちの素顔に触れられる予約不要のプログラムと、学校説明会と帰国生対象説明会などの要予約のプログラムが用意された。

     900人収容の講堂「YAMAWAKIホール」では、保護者たちが山崎元男校長らが語る同校の教育方針や、2019年度入試から新設する「国語・算数1科午後入試」の説明に耳を傾けた。他方、多くの親子連れが同校のさまざまな施設や、広々したキャンパスを見てまわり、多くのプログラムを体験した。

     同校は東京都港区赤坂という都心にありながら、グラウンドや、田畑まで含む広大な敷地を構えているというメリットを持つが、とりわけ三つの専門的な教育施設群を備えていることは特筆に値する点だ。

    • イギリスの街並みを再現したEIでは、海外を身近に感じられる
      イギリスの街並みを再現したEIでは、海外を身近に感じられる

     英語だけで学習を行う「イングリッシュアイランド(EI)」、高度な実験設備を備えた「サイエンスアイランド(SI)」、主体的な教養を育む「リベラルアーツアイランド(LI)」。オープンキャンパスでも、この三つの教育施設群の魅力は、子供たちを強くとらえた。

     小学生たちに特に人気だったのは、「EI」のイベントだ。ここはネイティブの教師が常駐しており、英会話やシアターでの映画観賞、クリスマスやハロウィーンの季節イベントなど、全ての活動が英語で行われているのが特長だ。

     この日はEIを案内する「ツアー」が行われ、参加した子供たちは、ゲートの先に広がるイギリス風の美しい街並みや、学校、レストラン、カフェ、シアターなどが立ち並ぶ様子に目を見張っていた。

     また、授業体験もあり、ネイティブの教師が英語でイソップ寓話(ぐうわ)の「町のネズミと田舎のネズミ」を読み進めながらクイズをするなど、さまざまなアクティビティーが行われた。

     授業体験に参加している小5の我が子を見守っていた両親は、「ハイレベルな英語教育を受けられそうです。期待しています」と話した。また、小5と小2の母親は「英語入試を検討しています。前回の説明会で、カリキュラムも学校の雰囲気も気に入ったので、今日は娘に体験させようと参加しました」と話し、入学に積極的な姿勢を見せていた。

     体験授業の手伝いをしていた生徒は、「EIクラブに所属していて、ネイティブの先生とゲームをするなど楽しく英語を学んでいます。今は英語でのプレゼンテーションを練習しています。ほかにも、昨年は科学研究チャレンジプログラムで、プラナリアの研究やパソコンでの動画作製をしました。山脇では科学と英語の両方の力を伸ばすことができます」と話していた。

    サイエンスアイランドでは体験や展示に興味津々

     「SI」は本格的な設備の(そろ)った「生命科学系継続研究室」「科学技術系継続研究室」など9部屋で構成されている。ここでの体験授業も、子供たちの人気を集めていた。

     SIでの見学・体験の主役は「SIクラブ」の生徒たちだ。同校には、一般の部活・同好会のほかに、EI、SI、LIの教育施設群ごとに、施設をフル活用して研究、活動に打ち込める「特任部」がある。このうち「SIクラブ」には、約100人が所属し、生物班、天文班、数学班、物理班、化学班に分かれて活動している。

    • 展示したロボットについて生徒たちが小学生に説明していた
      展示したロボットについて生徒たちが小学生に説明していた

     物理班はロボットを展示し、実際に動かしながら訪れた小学生に説明をしていた。このロボットは、「World Robot Olympiad」という国際的な自律型ロボット大会に出品した作品だ。大会のテーマは「サスティナビリティー(持続可能性)のためのロボットを作製せよ」というもので、物理班は自動種まきロボットというアイデアを考え出して製作し、国内の決勝大会にも進出した。

     製作した高2の吉野志穂さん、栗田智衣さん、中沢智萌さんは、「開発に半年かかりました。プロペラを回して空気を吸い上げ、種を飛ばします。また、種がそのままでは発芽しにくいので、吸水性ポリマーでコーティングして発芽しやすいようにしました」と開発の苦心を話した。

     指導した顧問の熊木さやか教諭は「このアイデアには正直驚きました。大人にはできない発想だと思います。故障することも多々あり、何度もチャレンジしてきました。ひたむきに努力する姿勢が身に付いて大きく成長しました」と目を細めていた。

     SIクラブ部長の若生宮世さん(高2)は、数学班に所属して数学のパズルや数学オリンピックの問題を解いたりしているうち、ますます数学が好きになったという。「東京理科大学の秋山仁教授の研究室を訪れるなどして、視野を広げています。部員それぞれが自分の興味に応じて楽しく研究しています」と話していた。

     顕微鏡室でミジンコの観察を体験していた小学生の保護者は「今日は初めてミジンコを観察しました。新しい学びがたくさんあり、さまざまな興味を引き出してくれることが魅力です」と話した。

    リベラルアーツアイランドで課題発見力、論理的思考力を育成

     プロジェクト型学習の拠点となる「LI」は、国語科や社会科、総合学習や部活動で、グループディスカッションやプレゼンテーションに活用している施設だ。課題発見力、情報収集力、論理的思考力、意思の言語化といったこれからの社会で必要とされる力の養成に役立てている。

     この日は、「LIクラブ」が昨年参加した全国高校教育模擬国連大会のポスター発表を行っていた。昨年のテーマは核軍縮で、同校のチームはエジプト大使の役割で参加したという。今年、同大会に参加した高1生は、「ペルー大使として参加しました。国際安全保障におけるサイバーセキュリティーが議題で、自国と他国の利益のバランスを考えて、どの国も納得できる報告書を作ります。自分の意見を明確に示す力や協調性を高められました」と話した。

     このほか、東日本大震災の被災地・宮城県石巻市での活動のポスター発表などもあり、生徒たちが社会問題を深く受け止め、自分たちなりに考えを深めている様子がうかがえた。

     このほかにも、美術部の記念しおり作りや、茶道部のお茶会体験、フォークダンス部のダンス体験、合唱発表、テニス・バレーボール・バスケットボールなど運動部の公開練習などがあり、小学生たちはお姉さんたちと一緒にさまざまなプログラムを楽しんだ。

     部活動を見学して回っていた小5の親子は、「都心にあるにもかかわらず、敷地が広く設備も充実しています。三つのアイランドも体験して、ますます魅力を感じました」と話していた。

     入試広報部長の西川史子教諭は、「いろいろな生徒が、いろいろな場所で輝いているのをご覧いただけたと思います。山脇が目指す主体的な学びの形が多くの方に伝わってきていると、手ごたえを感じています。6年間で興味関心を持てるものを見つける、学びの種をまくのが大事だと思っています」と話す。

     同校の新しい教育は力強く芽を吹き始めている。社会のニーズをつかみ、新しい人材の育成のために同校が進めている学力改革の今後に期待したい。

    (文・写真:小山美香)

     山脇学園中学校・高等学校について さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年11月26日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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