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    米一流大学の学生招き討議、地球規模テーマで…浅野

     浅野中学・高等学校(横浜市)は独自のグローバル教育プログラムを展開している。その一環として、夏休み中、米国トップレベルの大学のネイティブの学生らを教室に招き、地球規模の課題をテーマに英語でディスカッションなどする「エンパワーメント・プログラム」が行われている。英語に浸る密度の濃い5日間を体験し、生徒たちは将来の夢にもつなげていく。

    対話スキルや積極性学び、グローバル社会に貢献

     「Hello everyone! My name is…」。英語で元気よくスピーチをする生徒たちの声が教室に響く。取材に訪れた日は「エンパワーメント・プログラム」の最終日で、5日間の講座の集大成として、生徒一人一人によるプレゼンテーションが行われていた。自分の将来の夢などを、みんなの前に立って英語で発表する生徒たちは、どこか誇らしげに見えた。

     このプログラムは、グローバル社会に求められる対話のスキルや自ら積極的に意見を述べるマインドを身に付けようと、2015年から毎年、夏休みに行われており、今年で4回目。サポート役として、米国の有名大学に通うネイティブの学生・大学院生らが加わる。生徒たちは5日間、ひたすら英語で話し、考え、そして米国の学生らを交えて議論して、発表するトレーニングを積む。

    • 「エンパワーメント・プログラム」担当の煙山教諭
      「エンパワーメント・プログラム」担当の煙山教諭

     小グループに分かれたディスカッションのテーマは、国際情勢や環境・エネルギーなどグローバルな問題が中心だ。自らの考えをスピーチする課題も盛り込まれ、生徒たちは地球全体の問題にまで視野を広げ、考えを深めることで、自分の将来の目標を明確にする機会にもしているという。

     担当の煙山哲史教諭は「グローバル社会で活躍する人材に求められるのは、英語力だけではありません。自分の興味ある分野を見つけ、それに一生懸命取り組める生徒を育て、社会に貢献できる人物として世の中に送り出したい。このプログラムは、そういう強い思いから生まれたものです」と話す。


    「新しい技術を開発したい」将来の夢につながる

     今年は中学3年の86人と高校1年の24人の計110人が参加し、一般の「スタンダードコース」3クラス、理科系のテーマに特化した「サイエンスコース」1クラスに分かれて行われた。米国の学生らは助言役として、生徒4、5人の小グループに1人ずつ付いて指導。生徒たちは、自分の考えを伝える際に注意すべきことなど、普段の授業では気付きにくいコミュニケーション上の生きたアドバイスも受けた。

     サイエンスコースに参加した高校1年の小島侑大君は「通常の授業でもスピーキングの機会は多いのですが、ネイティブの大学生の英語のスピードに合わせるのは良いトレーニングになりました」と満足そう。そして、「テクノロジーを使って社会の課題を解決するというテーマに触れ、将来は人を助けることができる新しい技術を開発したいと思うようになりました」と夢を語った。

    • 中2春休みの集中学習「ベーシック・コミュニケーション・プログラム」
      中2春休みの集中学習「ベーシック・コミュニケーション・プログラム」

     同校のグローバル教育のカリキュラムは、全員で学習する共通の授業や関連行事からスタート。積極的に参加する生徒を対象とした特別プログラムへとステップアップしていける仕組みだ。

     その柱の一つである英語教育については、中学2年の春休みに、ネイティブ講師の指導でコミュニケーション力を高める3日間の集中学習「ベーシック・コミュニケーション・プログラム」を用意。また、授業では個別に取り組みにくい音読トレーニングを自宅のパソコンで自主的に行うことができるシステム「RepeaTalk(リピートーク)」を中学1~3年に取り入れ、英語4技能(読む・書く・聴く・話す)のバランスよい向上を図っている。

    名門大への海外研修、英語力アップの起爆剤に

     今回取材した「エンパワーメント・プログラム」はさらにレベルアップを目指すもので、中学2年~高校1年の希望者が対象。そこで学習意欲をさらに高め、次のステップとして、英オックスフォード大学や米スタンフォード大学で行われる同校独自の海外研修プログラムに挑む生徒も少なくない。

     この海外研修では、世界を代表する伝統ある名門大学で授業を受け、アカデミックな語学力を鍛えるという貴重な体験を積むことができる。ただ、それに参加するためには、より高度な英語力が必要だということを、「エンパワーメント・プログラム」の受講を通して気付く生徒も多く、同プログラムはその後の学習にも良い影響を及ぼしているという。

     今回、同プログラムに参加した中学3年の菅健吾君は「スピーキングやリスニングの力が足りないことを実感しました。CD教材などを積極的に活用し、聴くことや話すことに取り組みたい」と学習意欲を高めていた。

    • 英オックスフォード大学での海外研修プログラム
      英オックスフォード大学での海外研修プログラム

     エンパワーメント・プログラムが行われた教室では、最後に米国学生のメンターたちから、受講した生徒一人一人に賞状が贈られた。米国の学生らは「初日と5日目の最終日を比べると、見違えるほど英語が上達した」「みなさんの成長のスピードに驚いている」と感想を口々に語り、「大きな夢に感心した。ベストを尽くしてください」などと生徒たちを励ましていた。

     煙山教諭は「このプログラムでは、いつも顔を合わせている教師や生徒同士ではなく、初めて会うアメリカの学生らの前で自分の考えを話します。そこには独特の難しさがある」という。しかし、「そうしたハードルを乗り越えることで、生徒たちが自信を付け、最終的にオックスフォード大などでの海外研修に挑戦してほしい」と期待を込める。

    「九転十起」失敗恐れぬチャレンジ精神を

     2020年に創立100周年を迎える浅野中学・高等学校。そのグローバル教育は、伝統ある建学の精神の土台の上に立っている。校歌2番の歌詞にある「九転十起」だ。その校訓のもと、「失敗を恐れないチャレンジ精神を育む。そのうえで、グローバル社会で活躍できる人材を育てるのです」。煙山教諭はそう強調した。

     世界には貧困や紛争、環境破壊など多くの課題が立ちはだかっている。それらに対して創意工夫を重ね、立ち向かっていく人、失敗を恐れず、前に進み続ける人――。同校が進めるグローバル教育プログラムの中で鍛えられ、何度でも挑戦する気概を身に付けた生徒たちの、将来の活躍に期待したい。

     (文・写真:山口俊成 一部写真提供:浅野中学・高等学校)

     浅野中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年09月27日 10時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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