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    小中高一貫で学び合う教育…浦和ルーテル

     浦和ルーテル学院中・高等学校(さいたま市緑区)の特徴は、少人数教育、英語教育、キリスト教教育、小中高一貫教育の4本柱だ。2015年に新築した校舎では12学年全体が家族のような距離感で学び合っている。同校の伝統と新時代への対応などを福島宏政校長に聞いた。

    2年連続で東大合格

    • 小中高の校長を務める福島宏政先生(校舎内のチャペルで)
      小中高の校長を務める福島宏政先生(校舎内のチャペルで)

    ――2年連続で東大合格者を出し、進学実績にも注目が集まっているようですね。

     学力面においても、しっかりと応援できる学校です。医学部に進学する生徒もいますし、難関大学に合格できる学力を備えていても音大や美大に進学する生徒もいます。動物が好きだからと動物看護の分野に進学した生徒もいます。

     私たちが「ギフト教育」と呼ぶ教育は、子どもたち一人一人が神様から与えられている才能(ギフト)や個性を見つけ出し、伸ばし、世界に貢献する人間を育てることです。

     医者であっても芸術家であっても、才能を思う存分発揮できている時は幸せですし、その才能で人から必要とされ、感謝される存在になれたらもっと幸せでしょう。学力面だけではない人間教育は、本校が最も大切にするところです。

    ――どのような指導で学力を伸ばし、幅広い進路選択を可能にするのですか。

     少人数教育を生かし、生徒一人一人の個性と才能を見極め、生徒に適した「個別指導」を行っています。

     1クラス20~25人、学年でも50~60人の規模です。担任を中心に教科や部活動の教師たちが各生徒についてきめ細かく観察し、志望を聞き取り、情報を共有します。多角的な視点があるので最適の進路指導が可能になります。

     いったん進路が決まれば徹底した個別指導が行われます。例えば入試で「地学」を選択する生徒が一人でもいれば、専任の教師が受験講座を開講し、文字通りマンツーマンで指導します。芸術系でも医学部でも担当の教師がつきっきりで指導を行い、志望を実現するために教師の知識と指導力のすべてを注ぎ込むのです。

    思春期を伸びやかに過ごす少人数教育

    • 小・中・高12学年が学ぶ校舎
      小・中・高12学年が学ぶ校舎

    ――1970年の高等学校設立以来、12年間一貫教育が伝統と聞きます。そのメリットはどこにありますか。

     二つポイントがあります。まず、心の壁のない人間関係です。

     小学生低学年のうちは、誰もが心に垣根を作ることのない無邪気さを持っています。そんな関係性を、中学で新しい生徒を迎えても保っているのです。

     高校生の教室でも、模試の結果を見せ合い、「すごいね」と褒め合い、教え合う光景が見られます。勉強のことも生活のことも、ごく自然に腹を割って話しています。虚勢を張らずに自分の志望進路に向けて安心して取り組んでいます。中学や高校から入学した生徒もその雰囲気にすぐになじみます。これは、小中高一貫教育のたまものの一つです。

     次に、縦のつながりの強さです。

     学校生活のさまざまなシーンで、先輩は年下の生徒や児童をいたわり、後輩は、先輩の姿に将来の自分を重ねるなど、異なる学年との交流が学校生活の日常にあります。学習や進路の相談も自然に交わされています。

     現在の校舎は2015年1月に浦和区駒場から移転、新築したものです。小中高の在校生全員でも600人強と少規模の学校ですから、生徒同士、生徒と先生の距離が近く、家族のような関係です。

    時代が求める学力にもしっかり対応

    • 駅改札のようなデザインを施した英語教室の入り口
      駅改札のようなデザインを施した英語教室の入り口

    ――英語教育に強い学校と聞きます。

     1953年に創立され、初代の校長先生はアメリカ人です。創立当時から独自のカリキュラムで、ネイティブの教師による英語授業を小学1年から行ってきました。スピーチコンテストは小・中・高それぞれで開催しています。中学3年からは4週間の米国研修を行っています。国際的な場で活躍できる人間の育成は創立時から変わることのない教育方針です。

     2020年の大学入試改革に向けて、話す、聞く、書く、読むの4技能をバランス良く伸ばす英語教育をはじめ、グローバル教育が話題ですが、本校が長く行ってきた英語教育や国際交流そのものです。私たちの教育こそ時代の要請にふさわしいものと確信しています。

    ――中学から入学しても、英語の授業についていけるでしょうか。

     入学前の春休みに英語の講習を行い、入学後は放課後補習、定期試験前後の補習、さらに夏期講習と何段階ものフォローをしています。中には追い越す生徒もいます。英語だけでなく、学力に自信がない、もっと勉強したいという生徒のための夏期講習や英検対策講座なども開催しています。

     教師の専任率が高いので、授業だけを担う非常勤の講師と異なり、学習面だけでなく生活面も含めて子どもと丁寧に関わります。多くの方から「家族的な学校」と言っていただけるのは、この専任率の高さも理由になっているでしょう。

    ――伝統ある教育の強みをうかがいましたが、さらに新しい取り組みは?

     2017年春から中学で「フィールドプログラム」がスタートしました。グループによる調べ学習などアクティブラーニングを実施し、日本の生徒に不足しているといわれているプレゼンテーションも存分に行います。

     具体的には、「アーツ」「イングリッシュ」「サイエンス」の三つのフィールドから希望のプログラムを選択します。「アーツ」はリベラルアーツを意味し、文芸や歴史的なものがテーマで、美術館や博物館、世界遺産などを訪問します。「イングリッシュ」は外国大使館などを訪問し、国際的に活躍できる素養を身につけます。「サイエンス」は理科実験やプログラミングのほか、ビオトープなど生物系分野も網羅します。どのプログラムも歴史検定や世界遺産検定、英語検定やGTEC(ジーテック)、数学検定などに挑戦することもします。

    ミッション系ならではの安心感

    ――最後にミッション系の学校で学ぶことの意義はどこにあるのでしょうか。

     毎日、礼拝し、聖書を学びます。子どもの成長の過程、特に思春期には、誰でも思い悩む時期があります。その時に、神様が自分を支えてくださる、見守ってくださるという感謝は、生徒たちの大きな安心感と勇気になっています。

    (文と写真:水崎真智子 写真提供:浦和ルーテル学院)

    2017年06月01日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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