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    難関突破のコツを卒業生が語る「先輩に学ぶ勉強法」…豊島岡

     難関大学の合格者を多数出している豊島岡女子学園中学校・高等学校(東京都豊島区)では、志望大学への合格を果たしたばかりの卒業生が、勉強法の工夫や在学時の経験を高1の後輩に伝える交流会を、10年来続けている。今年は4月16日に行われた交流会の模様を取材した。

    卒業生たちの熱意で実現

     「先輩に学ぶ勉強法」と銘打った交流会は、2009年に始まった。進路指導主任補佐の栗本剛史教諭は「本校は高校の授業のレベルが高く、『勉強の仕方が分からない』という高1生の声は以前から多かったんです。特に高入生に多く、対策の必要は感じていました」と、交流会がスタートした背景を語ってくれた。卒業生たちの熱意も、その実現を後押ししたという。

    • 講堂に集合した高1生全員と高2、3生の希望者
      講堂に集合した高1生全員と高2、3生の希望者

     「本校にはたくさんの卒業生が遊びに来ます。彼女らと話すと、自分の経験を後輩に伝えたいという希望が度々聞かれるので、『では直接教えてもらう機会を』ということになりました」

     高校進学を機として生徒の学習意欲を高めるため、開催時期は入学式後のなるべく早い時期に設定。招く卒業生は文・理や中入・高入の配分を考慮して選定し、できる限り多くの生徒の参考になるよう配慮する。今回は東京大学、東京工業大学、東京外国語大学、東京医科歯科大学、京都大学、千葉大学から8人の卒業生が来校した。

    厳しい受験を乗り切った生の声

     午後1時半、360人の高1生全員と高2、3生の希望者が講堂に集合した。紹介された8人の卒業生は、6、7分にまとめたスライドショーを使いながら高校在学時の経験を披露した。勉強への取り組み方は個々それぞれだ。

     東京大学文科3類に合格した北このみさんは、1年ごとにテーマを決めて学校生活を送った経験を語った。1年では多くの学校行事の企画に参加して先生や先輩に人脈を広げ、受験情報やアドバイスが得やすい環境を作った。2年では生徒会活動と部活に力を入れた。忙しい分、効率的に勉強する感覚を身に付けた。そして、3年では「楽しく受験」をテーマにした。「夏の講習時、決めた時間に学校に行けたらスタンプ一つ」「仲のいい先生と、交換日記するように勉強の添削をしてもらう」など、自分なりに工夫して勉強を楽しんだという。

     「苦手な数学にずっと向き合えなかった」と語ったのは、東京医科歯科大学医学部の井垣花咲里さん。高2春の模試が校内で200番台という結果になり、「大泣きした」ことが転機になった。学校の問題集にがむしゃらに取り組む中で、「できないのではなく、基本を押さえていないだけ」「自分は数学のセンスがないのではなく、やり方を知らないだけ」と自己分析。基本問題に繰り返し取り組み、様々な解法を学ぶことで、1年後には数学を得意科目に変えたという。

     「最初、自分は落ちこぼれだと諦めていた」と話し始めた持田侑季さんは、東京工業大学第6類に合格した。「(漢字や英単語などを月1度のペースで確認する)『朝テスト』を身近な目標にしてモチベーションを保とう」と語り、センター試験の結果を重視する東工大のAO入試については、「入試にはいろんな形があるので情報収集が大切」とアドバイスした。

     その他、英語学習に役立つアプリや動画を紹介したり、「長文英語の要約力をつけるために、国語の現代文を200字程度に要約する」「入試問題を解くだけではなく、解法の原理や英単語の語源を調べて研究する」など、独自に編み出した勉強法を披露したりする卒業生も。多くの生徒がメモを取りながら、先輩の話に聞き入った。

    直接の対話や受験勉強のノートの閲覧も

     8人の発表後は質疑応答の時間となった。

     まず出たのは「塾にはどのくらい行きましたか」という質問。出席者の中で塾に通っていたのは半数の4人で、週に1、2コマと回答した。中には「受験情報と自習室を利用するために塾に入った」という卒業生も。異口同音に語ったのは、「学校の授業内容をちゃんと身に付ければ、難関校入試にも通用する」ということだ。

     「毎日の勉強時間は?」という質問には、それぞれが、高校3年間の平日と休日の具体的な時間を挙げた。高1の4、5時間から始まり受験が近づくにつれて増えていったケースや、逆に3年では疲れて時間を抑え気味にしたというケースなど様々。「3年の時は休日に10~12時間」という答えに驚きの声が上がる一コマもあった。

     質疑応答が終わると、希望者は卒業生と直接、話ができる。半数以上の高1生が残り、卒業生の前に長蛇の列を作った。

     千葉大学の医学部に進学した高入生の高橋陽香さんの前には、多くの高入生が集まった。「自分も不安やプレッシャーが大きかったので、後輩を励まそうと参加しました。具体的な勉強の仕方の質問が多く、目標にしてくれていると感じました」

    • 高入生で国立大医学部に現役合格した高橋陽香さん
      高入生で国立大医学部に現役合格した高橋陽香さん

     バスケットボール部と勉強を両立しながら東京大学合格を果たした太田真帆さんには、運動部所属の生徒が多く質問に来た。「時間の使い方やモチベーションの保ち方などの質問が多かった。私もこの会で先輩の話を聞いて自分なりの勉強法を考えたので、後輩にもそうしてほしいと参加しました」

     卒業生の脇には、彼女たちが持ち寄った受験勉強のノートが置かれ、これを見ようと行列ができた。きれいに整理して書き込まれたノートに感心しながら見入る生徒も多かった。

     先輩の数学のノートを見た大日方いぶきさんは、「解法を書いてある横に、色ペンで『歯が立たない!』などその時の感情をメモしてあって励みになりました」と、親近感を抱いた様子。一方、吉幸祐紀さんは「右側に欄を作って、自分とは別の解法をメモしてあるのが『なるほど』と思いました。そうやって理解を広げるんですね」と、ヒントを見いだした様子だった。

    受け継がれる誇りと母校愛

    • 豊島岡では先輩から後輩へ高い志の絆がリレーされる
      豊島岡では先輩から後輩へ高い志の絆がリレーされる

     交流会は午後4時過ぎまで続いた。卒業生と生徒が退場した講堂で、栗本教諭は「今回は気持ちの上でエンジン始動といった感じです。具体的な情報提供の面では、8人対360人ではやはり厳しい部分があります」と語る。

     そうした面をフォローするため、6月に行うのが「進学懇談会」だ。より多くの進学先や学部・学科から30~40人の卒業生を招き、1人の卒業生に対し、生徒6、7人という割合で懇談を行う。今回よりも時間を取った交流になり、生徒一人一人に合った受験情報や勉強のアドバイスを提供するのが狙いだ。

    • 後輩の質問に答えつつも勇気づけることを忘れない良き先輩たち
      後輩の質問に答えつつも勇気づけることを忘れない良き先輩たち

     「レギュラーの行事はこのくらいですが、さらに社会で実績を挙げている卒業生を招くなど、企画を増やしていきたい。積極的に参加してくれる卒業生が多いのがありがたいです」と栗本教諭。

     学校は生徒の高い志を支え、生徒は母校に対する感謝と誇りを胸に卒業し、次に難関に挑む後輩を支援することで学校に報いる。豊島岡ならではの、絆のリレーが続いていく。

    (文:上田大朗、写真:中学受験サポート)

     豊島岡女子学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年07月23日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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