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    英語とフランス語の二つの目で世界を見つめる…白百合学園

     白百合学園中学高等学校(東京都千代田区)は、中学の正規の授業でフランス語を教える都内でも数少ない学校だ。英語と並行して学ぶことにより、学習に相乗効果が得られるだけでなく、世界の多様性を理解する視野が広がる。楽しみながら、確実に実力を付けていく同校の語学教育を紹介する。

    フランス語は中学の3年間必修

     「Je suis mannequin et ~(私はモデルです、そして~)」。軽やかなフランス語が廊下まで漏れてくる。教室に入るとネイティブの教師が、さまざまな絵が描かれた大きなカードを見せながら、中学1年生に会話の発音を教えていた。

    • 楽しいオーラル学習で、基礎を徹底的に身に付ける
      楽しいオーラル学習で、基礎を徹底的に身に付ける

     この日の授業はロールプレイング形式の会話練習だ。生徒たちは全員、パーティー会場に集った有名人という設定で、互いに自己紹介しながら制限時間内になるべく多くの人からサインをもらう。生徒たちは、笑い声とともに時間いっぱいスピーディーに課題をこなしていた。

     中学校の3年間、同校の生徒たちは毎週1時間フランス語を必修科目として学ぶ。授業は、1クラスを三つに分け、十数人の小さなグループで丁寧に進める。教材は、ネイティブでない学習者向けに作られたフランス語のテキストをベースとし、さらに学習がしやすいよう、教師たちが手を加えたものだ。授業内容はオーラルが中心で、まず聴いて、発音する。その後簡単な文例を使って会話の練習をする。この1年間の授業によって、中学で初めてフランス語を学ぶ生徒も急速に力を付け、併設の小学校ですでに6年間フランス語を学んでいる生徒と全くといっていいほど差がなくなるという。

    • 教師たちが録音したオリジナルのCDは、自宅学習にも役立っている
      教師たちが録音したオリジナルのCDは、自宅学習にも役立っている

     中学1年生の学習で、楽しみながら会話の基礎を学んだ生徒たちは、2年生になると自然と書くことにも興味を示すようになる。そして学年が進むとともに、身の回りのことを表現するために、より多くの言葉や表現方法を身に付けていく。


    • ゲーム感覚で楽しく課題に取り組む
      ゲーム感覚で楽しく課題に取り組む

     フランス語学科の小林眞理教諭は、「中学3年間の必修が終わったときのアンケートで、『白百合で2か国語を学べてよかった』とフランス語を学ぶことに前向きなコメントをしてくれる生徒が多いので本当に(うれ)しいです」と話す。フランス語が学べるので同校を受験したという生徒も多いそうだ。


    英語との相乗効果で学習効果が上がる

     一方、英語の授業では、聞く・読む・話す・書く、の4技能をバランスよく伸ばす授業を行っている。特に、早い時期からまとまった文章を書くことに力を入れており、学年が上がるにつれて、段落の構成を考えて書く「パラグラフ・ライティング」にも取り組み、論理的な思考力を伸ばすことができるようサポートしている。

     また、中学3年間で1万語の学習を目標として、授業の始まりの10分間に自分で選んだ英語の本を読む「多読活動」という時間を設けている。生徒たちはファイルを作り、読んだ本のタイトルやお気に入りの表現、語数などを書き留めておく。このファイルに、自己紹介文やブックリポート、発表した課題などをまとめて「ポートフォリオ」とし、中学3年間の学習の成長過程を振り返ることができるようにしている。

     学年の締め(くく)りの時期に行われる「外国語発表会」では、司会者は国際会議のように英語とフランス語で進行を行う。発表の際には、英語の物語の朗読やさまざまなテーマのプレゼンテーション、フランス語での寸劇などの取り組みがなされている。英語科の山本智恵子教諭は、「外国語イコール英語というわけではない、複数の外国語を勉強することは楽しいという感覚を生徒たちは早くから体感的に身に付けています」と話す。

     生徒たちの感想を聞くと、「英語と似ているところと違うところに気付いたときが楽しい」「つづりがほとんど同じなのに発音が全然違うのは興味深い」「毎月配られるフランスの行事が載ったプリントが楽しみ」「街でフランス語の看板を見つけたり、フランス語を耳にして、少し意味が分かったりするのが嬉しい」など、生き生きと外国語を楽しんでいる様子がうかがえた。

    外国語に親しむさまざまな機会

     授業以外でも外国語に親しむ機会は多い。英語、フランス語のネイティブの教師は学年の副担任となって、日々の掃除や学校行事に参加している。クラブ活動の顧問も務めており、生徒とともに多くの時間を過ごす。また、放送での朝礼も1週間のうち2日間は外国語で行われている。

    • 「今後はもっと気軽に利用できる国際教育プログラムを充実させていきたい」と語る田畑文明教諭
      「今後はもっと気軽に利用できる国際教育プログラムを充実させていきたい」と語る田畑文明教諭

     学んだ英語やフランス語を試す機会も豊富に用意されている。毎年春休みには、外部のネイティブの講師による「チャレンジ・イングリッシュ」というプログラムが設けられ、生徒たちはスピーチや学校紹介のプレゼンテーションなどの課題に取り組む。中学3年では、世界の多様性を肌で感じられるように、日本の大学に通う約30か国の留学生を学校に招いて交流する「グローバルヴィレッジ」が開かれる。ヨーロッパ、アジア、アフリカなど、それぞれの出身国についての話を聞き、その内容をまとめて発表する。生徒たちは、「前回はうまく通じなかったところを、今度はきちんと伝えられるようにしたい」と、より意欲的に学習に取り組むことになるという。これらの学習成果だけでなく、個人の留学体験なども、報告会などで発表してもらい、生徒同士の学び合いにつなげている。

     また、これらの体験談は「国際教育通信」というニュースレターにも掲載している。折に触れて自分の体験を振り返ることで、改めて自分の目標や自分らしさを見つめ直すことになり、さらなる成長につなげていくことができる。また、先輩や友人の体験に触れることで大きな刺激を受けることができるという。

     外国語を深く学ぶには、その言葉の背景にある歴史や文化への理解が必要だ。建学当初から受け継がれてきた英語、フランス語の2か国語教育は、生徒たちが世界の多様性に目を開き、将来、国際社会で活躍するために重要な第一歩となっている。

     (文:山本華子 写真:中学受験サポート)

     白百合学園中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年07月25日 13時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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