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    本当に豊かに生きるためにビジョン実現へ…翔凜

     「英語の翔凛」と呼ばれ、英語教育に定評のある翔凜中学校・高等学校(千葉県君津市)は、もう一つの特色を持っている。同校はそれを「ビジョナリースクール」と呼んでいる。生徒の夢や目標を形にするための教育だ。翔凜学園常務理事の大谷晋示氏に、その狙いや実際の指導方法を聞いた。

    英語を学ぶのは本当に豊かな人生を生きるため

     翔凜中学校・高等学校は、英語教育に力を入れていることで知られ、「英語の翔凜」と呼ばれている。2016年、高校英語部は全国英語ディベート大会で優勝。千葉県英語スピーチコンテストでは高校生が2013年から4連覇している。また、中学生でも2017年の高円宮杯全日本中学校英語弁論大会で決勝大会に進出する活躍を見せた。

    • 君津市街を一望できる校舎
      君津市街を一望できる校舎

     同校が熱心に英語教育に取り組んでいる理由について、大谷常務理事は「世界のさまざまな人々との交流が進む21世紀のグローバル社会を、豊かに生きることのできる若者を育てたい。そのためには、総合的な英語力を身に付けておくのが必須条件だからです」と説明する。「しかし、英語力を身に付けるのは、グローバル社会を豊かに生きていくための一つの道具であって、最終的な目的ではありません」

     「一度きりの人生を有意義に、本当に豊かに生きていくために、どのような人物になって世界に貢献したいのか。中学・高校時代から人生の目標を定め、夢を実現するためには、いつまでに何をマスターしていくか。計画を立てて自分を磨いていくことが大事です」

    • 教育方針について熱く語る大谷常務理事
      教育方針について熱く語る大谷常務理事

     生徒の成長への願いを込めて同校は、校名に「ビジョナリースクール」という言葉を冠している。「当学園で学ぶ生徒には全員、自分が立てた目標や自分の夢、いわゆるビジョンを実現してもらいたいということです。生徒たちをビジョンの実現に導いていくのが、教育に携わるわれわれの仕事です」と大谷常務理事は話した。

    挨拶 ( あいさつ ) の励行」が学校生活を明るくする

     「ビジョナリースクール」として生徒たちの目標や夢を実現するために、同校はどのような指導をしているのか。

     大谷常務理事によると、まずは精神面の指導だという。「意外に思うかもしれませんが、生徒たちには『礼の精神』をわきまえるように指導しています。いくら自分なりの目標を立て、夢を描き、その実現に懸命になったとしても、善悪の判断がつかず、陰で人をおとしめるような人間を、到底、社会は受け入れません。その意味で、まず人に対する礼、社会に対する礼を身に付けるように生徒たちを指導しています」

     具体的な取り組みとして行っているのが、「挨拶(あいさつ)の励行」だ。登校時には、生徒同士、教職員はもちろん、地域の住民にも「おはようございます」と声をかける。授業開始時には「よろしくお願いします」、終了時には「ありがとうございます」。学園への来客には「こんにちは」と大きな声で、相手の目を見て、自分から挨拶をする。これらを徹底しているという。

     「本来なら下級生から上級生に挨拶するのが礼儀でしょうが、上級生には学年に関係なく、進んで挨拶をするように指導しています。この『挨拶の励行』は礼の精神を身に付ける基本ととらえていますが、クラスメートだけではなく、先輩、後輩、教職員の間の風通しが良くなり、校内が明るくなるという効果もあります。挨拶によって良好な人間関係が出来上がっているので、幸いにして生徒間の陰湿ないじめは当学園にはありません」

     生徒の服装、頭髪も、周囲に不快な思いを抱かせないように、清潔を心がけることを指導している。これも相手を(おもんぱか)る礼節教育の一環だ。

    夢と目標の達成感で人間的成長を促す

    • 生徒たちは、この「一世紀成功手帳」に「心構え・信念」「夢」「目標」「計画」などを記入する
      生徒たちは、この「一世紀成功手帳」に「心構え・信念」「夢」「目標」「計画」などを記入する

     「礼の精神」を基礎としたうえで、さらに必要なのは夢を実現させるための具体的な目標設定や行動計画だ。同校は、「一世紀成功手帳」というツールを使ってこの指導に取り組んでいる。

     新入生以外の在校生一人一人に、毎年12月、この手帳を渡している。手帳には、「心構え・信念」「夢」「目標」「計画」などを記入する欄があり、なぜその夢を描くことにしたのか(心構え・信念)、その夢を実現するには何をしなければならないのか(目標)、それはいつまでにしなければならないのか(計画)などを記し、どこまで進捗(しんちょく)したかをチェックできるようになっている。

     「生徒が描く夢そのものを教員が指導することはありません。医学部に進学したい、英語検定2級を取得したい、100mを12秒台で走りたい、交流戦でライバル校に勝ちたい……。夢は何でもよいのです。ただ、できるだけ数多くの夢を描くように指導しています」

     生徒たちは、冬休み中に来年の目標と目標達成の計画を立てる。また、それだけでなく、過去に実現した夢や達成した目標も記入することになっている。

     「夢を描いて目標を達成していくのはなかなか難しいことで、どうしてもつまずいたり、諦めてしまいがちです。生徒たちの心が折れそうになったとき、この過去の成功体験が自己肯定感となり、心の支えになるのです。また、一つの夢に挫折しても、次の夢があればすぐに再チャレンジできます。『できるだけ数多くの夢を書きなさい』と指導しているのはそのためです」

     今年、アメリカのプロ野球メジャーリーグでデビューした、エンゼルスの大谷翔平選手が、花巻東高校在学中に9マスの曼荼羅(まんだら)の形をした「目標達成シート」を活用していたことが話題になったが、「一世紀成功手帳」はその翔凜学園版といえる。

     「毎年、新しい手帳をもらう頃には、10も20も夢を実現した生徒が出てきます。この達成感は、生徒の人間的成長を促すことは言うまでもありません。また、翔凜での学園生活を通して、自分の将来像、職業観、実社会で果たすべき役割といったものが、生徒の中に形作られていきます」

     「学校は教科の勉強だけをするところではありません。むしろ、社会に役立つ人間としての土台を作るところだと考えます。礼節をわきまえ、人間関係を良好に保てる人間なら、社会はその人物を喜んで受け入れてくれるはずです」

     「英語の翔凜」の呼び名は、熱心な教育指導の中でおのずと生まれてきたもののようだが、その指導の真の狙いは生徒の夢や目的を実現させることにある。「ビジョナリースクール」こそ、同校にふさわしい名前と思える。

    (文:山田雅庸 一部写真提供:翔凜中学校・高等学校)

     翔凛中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年09月21日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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