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    「イギリスの庭」から世界に羽ばたく人材教育…立教英国学院

     立教英国学院は1972年にイギリスで創立され、欧州初の全寮制在外教育施設として、主に海外赴任家庭の子供を受け入れてきた。生徒たちは田園地帯の美しい風景の中で学び、アットホームな雰囲気の現地の人々と交流しながら、キリスト教に基づく全人教育を受ける。日本からの受験組も増えており、ますます注目を集める同校の教育について佐藤忠博校長に聞いた。

    卒業時に日本の大学受験資格が得られる

    • 「勉強面も生活面もより進化して変えていきます」と話す佐藤忠博校長
      「勉強面も生活面もより進化して変えていきます」と話す佐藤忠博校長

     立教英国学院があるのは、イギリス南部に位置するウェスト・サセックス州のホーシャムという町で、ロンドンからは車で約1時間20分だ。「『イギリスの庭』と呼ばれ、リタイヤしたら住みたいと人気の地域です。非常にイギリスらしい、寛容で温かい場所です。私たちは英国国教会にルーツを持つキリスト教の学校として、地域の方々に受け入れられています」と、佐藤校長が話す。

     学校の敷地は、100年以上前にこの一帯を所有していた大地主の土地で、その領主の屋敷を中心に、歴史ある建物を教育施設として現在も大切に使用している。その一方、理科実験棟などガラス張りデザインの近代的設備も整っており、全天候型陸上競技場などスポーツ施設も充実している。

     イギリスでは日本の小学5年にあたる年齢から中等教育が始まるので、同校もそれに合わせ、小学5年から高校3年までの男女の生徒が学んでいる。海外の学校を卒業した場合、高等学校卒業程度認定試験(旧・大検)に合格しないと日本の大学受験資格を得られないが、同校は日本の文部科学省認定の在外教育施設なので、卒業時に資格が得られるのがメリットだ。4月入学3月卒業で、日本からの転入もスムーズに行える。

     以前は海外赴任の家庭の子供たちが中心だったが、2011年度からは日本在住の入学者も受け入れていて、今では70%が日本からの入学者となっている。

    日英カリキュラムで飛躍的に英語が上達

    • 映画のような光景が広がる美しい校舎
      映画のような光景が広がる美しい校舎

     同校の最大の特徴は、英語を使う授業と日本語を使う授業を統合した日英カリキュラムだ。生徒数も1クラス約20人と少人数なので、じっくり学ぶのに適している。

     「基本の学習言語は日本語で、入学時に英語があまりできなくても心配ありません。英語で授業をしているのは、理科の一部、音楽、美術です。理科は英語で学ぶのが最適で、イギリスの高校生と同じIGCSE(国際中等教育修了一般資格)のカリキュラムを全員が学習します」

     理科の授業は、実験への参加を通して生徒の理科離れを防ぐ一方、英文での記述を重視していて、英語力の強化にもなっている。その成果は、夏にケンブリッジ大学で行われる高校生のための「日英ヤング・サイエンティスト・ワークショップ」でも発揮され、最新研究を大学の実験室で、英語で学ぶという。

     言うまでもなく、英語教育そのものにも力を入れている。「日本人教師の授業と、イギリス人教師によるEnglish Communication(EC)の授業があります。ECは週に4時間あります。また、日本人教師の授業では、週1時間、街頭へインタビューに出かけます。教室で習ったことを実際に使ってみるのです。これができるのはイギリスという立地ならではです」

    • 夏の日英ヤング・サイエンティスト・ワークショップ
      夏の日英ヤング・サイエンティスト・ワークショップ

     社会科でも英語力が日々生かされている。現地の工場や農場を訪ねるフィールドワークがある。また、オックスフォード大やケンブリッジ大などを訪ねる校外学習、ウィンブルドンテニス大会の観戦、村の教会の日曜礼拝への参加、ケアホームでのチャリティー活動など、日常的に現地の人々と交流する場があり、英語力を磨くのに大いに役立っている。

     「最も交流が深まるのは、イギリス家庭でのホームステイと短期交換留学です。ホームステイは年に3回まで可能です。短期交換留学では1週間現地校に通い、同世代の子と一日中一緒に授業を受けます。仲良くなると、今度はその子が本校に来て授業を受けることもあり、交流が続いていきます」

     身近な交流の場を通じて、生徒たちは飛躍的に英語力を伸ばしていく。「小学生まで日本で育ち、英語をほとんど勉強してこなかった生徒でも、努力次第で卒業時にはケンブリッジ英検First(英検準1級に相当)のレベルまで届きます」

    寮生活で家族以上に深いつながりも

    • 全校生徒が乗馬やゴルフなど、さまざまなスポーツを楽しむ
      全校生徒が乗馬やゴルフなど、さまざまなスポーツを楽しむ

     同校の教育のもう一つの大きな特徴は全寮制であること。「朝7時の起床から体操、礼拝、3度の食事、放課後のクラブ活動や夜の自習まで一緒です。通学している場合は学校での顔と、家での顔があるかもしれませんが、ここではそれがありません。すべての生徒が互いを知り、家族以上につながりが深いのです」

     異なる年齢の生徒たちが一緒に生活していることも大きな特徴だ。「年下の子は年上の子の背中を見て育ちますし、年上の子は年下の子へ気配りができるようになります。生徒全員が2~6人の相部屋になっているのもこだわりです。他者と共存することで、他者を思いやる人に育つのです」

     午後6時の夕食の後にホームルームがある。就寝は小学生が9時30分、中2までが10時、高2までは11時、高3は12時。それまでは自習の時間になっている。

     「担当科目の先生がいればいつでも質問できるようになっています。受験対策も細かく対応します。国公立から私立、AO・推薦入試、イギリスの大学への進学も、生徒の希望に合わせて指導していきます」。このほか、日本の予備校と提携した模擬試験も受けられるようにしており、進学対策は万全を期している。

     日本では中高生が家でスマホを手放さないことが多く、親にとって頭痛の種になっているが、同校は寮でも校内でもスマホは禁止だ。「Wi―Fi環境もありません。調べものや家族とのメールは、教員室に設置してあるパソコンで行います。今後はIT環境の整備も進めていきますが、あえて静かな環境に子供を置くことに賛同する保護者も多いのです」

    日英の有名大への推薦以外に一般受験者も

    • 地元の人たちに、折り紙など日本の文化を紹介することも
      地元の人たちに、折り紙など日本の文化を紹介することも

     雑多な情報に迷わされることなく、規則正しい生活を送り、勉強しているからだろうか。進学実績も上々だ。

     「高等部は1学年約40人在籍していますが、立教大学へは20人の推薦枠があるほか、他の私立大学の指定校推薦も25枠以上あります。またイギリスのUCLロンドン大学、サリー大学にも推薦制度があります。一般受験する生徒もおり、2018年度入試では東京大学など国公立大学に3人が合格しています」

     卒業生らは日本で就職しても、海外赴任や、世界を飛び回る仕事をする人が多いという。 「やはり、海外生活に慣れていますから、ハードルが下がるのでしょう。はじめから海外に活躍の場を求める卒業生も多いですね。それでも、時々訪ねてくる卒業生が、『ここに帰るとホッとする』と言ってくれます」

     先生の顔や学校周辺ののどかな風景を見ると、家族のもとに帰ってきたような温かい気持ちになるのだろう。卒業生が自分の子供を入学させるケースも多いという。

     「今年は45周年を迎えました。キリスト教の全人教育を大事にしながら、世界から世界へ羽ばたける人材の教育を、より進化させていきます」

     (文と写真:小山美香、一部写真:立教英国学院提供)

    2018年05月08日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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