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    全員を豪州研修、グローバルリーダー養成へ…城西大城西

     今年、創立100周年を迎えた城西大学附属城西中学・高等学校(東京都豊島区)は、今の中1生から全員を対象に、中3でのオーストラリア海外研修を実施することを決めた。この海外研修は、より大きな教育プログラム「Future Global Leader Program(FGLP)」の核となる取り組みだという。FGLPをはじめとする同校の国際教育について斉藤栄校長と坂本純一入試企画部長に聞いた。

    FGLPの核となる中3での全員海外研修

    • 100周年の目標を語る斉藤栄校長
      100周年の目標を語る斉藤栄校長

     城西大城西は、国際教育を大きな特色とする中高一貫校で、1982年から海外姉妹校への留学生の送り出しと受け入れを行ってきた。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、台湾の7か国・地域に計16の姉妹校があり、高校はどのクラスにも、海外から受け入れている留学生の姿が見られる。

     今年、校長に就任した斉藤栄氏は、「真面目で、自分から積極的に動くことができる生徒が多い学校です。留学生のサポートも、自分たちで進んで行っています」と話す。国際交流の芽は既に校内にあるといえるが、創立100周年の節目にあたる今年、「本物に触れる、体験型の学習」「感謝の心を忘れない教育」などの、創立以来の教育理念をさらに深めるために新たなカリキュラムを創設。今春、中学に入学した約70人の生徒たち全員を対象として、3年次の3学期にオーストラリアで2週間の海外研修を行うこととなった。

     「このオーストラリア海外研修は、中高6年間全体のプログラムである『FGLP』の核となるものです」と、入試企画部長の坂本純一教諭は話す。「FGLP」は、英語力だけでなく、グローバル社会で求められる国際感覚を磨くためのプログラムだ。

     「オーストラリアでの経験を基に、高1で自分の進路についての目標を設定し、高2で文系・理系の選択または海外留学など、専門や方向性をはっきりとさせます。高3のクラスは成績ではなく、『医療系』『社会科学系』など目指す分野によって分かれ、共通の目標を持って受験に取り組めるようにします」

     FGLP導入の経緯について坂本教諭は、「以前、英語や国際交流に関心のある生徒を1クラスに集め、6週間、ニュージーランドに留学するという制度がありました。留学を終えた生徒たちは、自分のやりがいを見つけ、将来の目標を考えるという姿勢を、しっかりと身に付けるようになりました。これは全生徒に対して実施する価値があると考え、100周年を機に、FGLPを始めることにしたのです」と話す。

    • 国内で実施したイングリッシュキャンプ
      国内で実施したイングリッシュキャンプ

     研修先は南オーストラリア州の州都アデレード。市内には複数の提携校がある。前半の1週間は、語学研修センターで英語の授業についていけるだけの語学力を習得する。後半の1週間は、分散して七つの姉妹校のクラスに入り、地元の中学生たちと同じ授業に参加する。「英語力の向上だけでなく、自分と異なる環境の中で生きている同年代の子供たちと出会い、刺激を受け、自分の生き方について考えるといった、大きな体験となることを目指しています」と坂本教諭は話す。

     滞在中は一般家庭にホームステイする。ここでも家族の一員として、英語を使って積極的にコミュニケーションを取ることが求められる。希望者は最大4週間まで滞在を延期でき、合計6週間の研修とすることが可能だ。同校は中3の2学期までに卒業に必要な課程を終えるため、3学期は安心して海外研修に取り組むことができるという。

    中1から始まる国際コミュニケーション教育

    • 田植えや収穫をする稲作体験
      田植えや収穫をする稲作体験

     中3の海外研修に向けての準備は入学直後から始まっている。ネイティブスピーカーの教師によるオールイングリッシュの授業が週3回行われ、英語でコミュニケーションを取る力を磨く。また、1人1台用意されたタブレットPCを使い、アプリで発音のチェックなどを行う。一定以上の英語力がある生徒には、放課後や休み期間中に「Josai Academic English」というプログラムも用意されている。中高生混合で、海外の大学で学ぶための英語力を養うという。

     親元を離れた海外研修でしっかりと生活できるよう、自立のためのプログラムも用意されている。中1では、自然に触れ合うサマースクールや、稲作体験を実施する。昨年行った稲作体験では、田んぼに稲を植え、収穫し、取れた米は文化祭で販売した。中2では、海外の大学生と過ごすイングリッシュキャンプを国内で実施し、2泊3日の英語漬けの生活を送る予定だ。

    多様な社会に適応できる力を育てる

    • 生徒1人に1台のタブレットPCを用意している
      生徒1人に1台のタブレットPCを用意している

     新たに始まったFGLPプログラムのほかにも、同校は、生徒が英語に触れ、国際コミュニケーション能力を鍛えるための機会を、豊富に用意している。都内の体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」での模擬留学や、約2週間の短期留学、約10か月の長期留学などがあり、任意で参加することができる。

     2020年度の大学入試改革に向けて対策を急いでいる学校も多いが、同校は、従来実施してきたことが、そのまま新入試対策となるとみている。「英語では既に、読む・聞く・書く・話すという4技能を使った授業が取り入れられています。稲作体験、イングリッシュキャンプ、そしてオーストラリア海外研修などは、課外活動の記録を残す『eポートフォリオ』に大いに活用できるでしょう」と坂本教諭は自信を見せた。

     斉藤校長は、目標についてこう語った。

     「進学の面では薬学、看護学、その他医療系の学部を目指す生徒が多く、これまでに一定以上の成果を上げています。しかし、本校では、『必ずこの大学に行かなければならない』というような教育は行っていません。どんな環境にあっても、自分がなすべきことを見つけ、多様な社会に適応して生きていけるようになってほしい。その準備を、中高の6年間で行うのです。10年後、20年後、社会に出て活躍するようになったときに、自分の中学生、高校生時代を、誇りを持って振り返ることができるようになってほしいと思います」

     (文・写真:足立恵子 一部写真提供:城西大学附属城西中学・高等学校)

     城西大学附属城西中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年12月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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