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    教室に多言語飛び交うシンガポール短期留学…山手学院

     山手学院中学校・高等学校(横浜市)は、世界に通用するグローバルな人材の育成に力を入れている。半世紀以上の歴史を持つ北米研修プログラムをはじめ、多くの海外研修プログラムがある中で、今年4回目となる「シンガポール・イマージョンプログラム」は、発展目覚ましいアジアで、ネイティブでない英語話者と交流し、多様な文化に接するユニークなプログラムだ。プログラムの内容と参加した中学3年生たちの声を紹介する。

    同年代のアジアの勢いと英語力を肌で感じて

    • 国際交流部部長の永野浩樹教諭
      国際交流部部長の永野浩樹教諭

     同校は1966年の創立当時から国際交流に力を入れており、中学3年生の11月に実施するオーストラリア・ホームステイ、高校2年の4月中旬に行う北米研修プログラムの二つは全員参加となっている。中でも北米研修プログラムは、創立の翌年に始まって51年の歴史を持つ。

     「この歴史の中で本校の国際交流についての(うわさ)が広がり、世界中の学校から問い合わせをいただきます。『シンガポール・イマージョンプログラム』も、最初は、受け入れ先となったACSインターナショナルスクールから、本校を見学したいという連絡があって交流が始まり、2015年からスタートしました」と、国際交流部の部長である永野浩樹教諭は交流が始まった経緯を説明する。

     「シンガポール・イマージョンプログラム」は中学3年生と高校1年生の希望者を対象とし、7月末から2週間、シンガポールの名門私立学校ACSインターナショナルスクールの授業に参加する。「イマージョン(浸すこと)」という言葉が示す通り、授業に参加するだけではなく、ディスカッションやプレゼンテーション、大学生との課題解決型アクティビティー、バディーとの寮生活など24時間英語に漬かれるプログラムとなっている。

    • 「シンガポール・イマージョンプログラム」に参加した生徒たち
      「シンガポール・イマージョンプログラム」に参加した生徒たち

     18年のプログラムには、校内の選抜を突破した高校1年生19人、中学3年生6人が参加した。永野教諭は「生徒たちにはアジアの持つ勢いと、ネイティブスピーカーでなくても同年代で英語を話せる人がたくさんいることを肌で感じてもらいたいです」と語る。

    さまざまな言語が飛び交う学校生活

     今年のプログラムに参加した梅宮優和さん(中3)は、両親が留学経験者で「小さい頃から留学に興味がありました。これまで養ってきた英語力を外国で試してみたい」という思いで参加を決意した。プログラムが始まった当初は、英語で話すこと自体に少し抵抗があったというが、自分の考えを相手に伝えないと生活ができない環境だったため、自ずと英語力だけでなくコミュニケーション能力も身に付いたと実感しているそうだ。

    • 「オーストラリア・ホームステイ」には中学3年生が全員参加する
      「オーストラリア・ホームステイ」には中学3年生が全員参加する

     「シンガポールは多民族・多国籍国家で、私が一緒に暮らしたバディーは中国人と韓国人でした。どちらも母国語に加えて英語を日常的に話していて、日本とは全然違うと思いました。学校では、中国語で質問されて、英語で答える。挨拶(あいさつ)はスペイン語といったように、常にいろいろな言語が飛び交っていてとても刺激的でした。また、多民族が暮らしている国なので、宗教に関する食文化の違いも目の当たりにしました。単なる好き嫌いではなく、宗教的な理由でベジタリアンだったり、豚肉を食べられなかったり。私も初日にバディーから『食べられないものはありますか』と聞かれました。宗教に関する配慮は、日本ではあまり感じられない体験で勉強になりました」

     今回のプログラムで梅宮さんは、留学がより身近に感じられるようになったという。「高校、大学に進学したら、もっと長期留学を経験し、多文化に触れられる仕事に就きたい」と夢を膨らませている。

    今の自分に足りないものを知った

     本多航己君(中3)は、「国際交流プログラムが充実していたから」という理由で山手学院に入学した。「今回の短期留学では、英語をよく話せたという以前に、バディーや先生が話している内容を聞き取ることが大変でした」と話す。「現地に着いた当初は英語を話すことが嫌になりそうなくらい、自分の語学力のなさを痛感しました。でも日を追うごとに『諦めてたまるか』という気持ちが湧いてきて、授業の内容を理解しようと必死に聞き取りました。ですから逆に、帰国して日本人の先生が日本語で話す授業の分かりやすさに気付かされました。ACSインターナショナルスクールでは、ほとんどの人が母国語ではない英語を使って、授業を受けたり、友達と笑い合ったりしている。そんな様子を見ながら、コミュニケーションの大切さを学びました」

     本多君は「今の自分に足りないものを学び、さらに高い次元で英語を学びたい」という意欲が湧いたという。現在の目標は19年の1月から始まる「ニュージーランド中期留学」で、今回の経験を生かすこと。「ヒアリング能力を養い、積極的にコミュニケーションを取りたい」とやる気を見せた。

    2週間が半年に思えるほど濃密な時間

     吉田佳峰さん(中3)の母親も留学経験者だ。英語を使いこなし、困っている外国人を助ける母を見ながら、純粋に「かっこいい」と感じていたという。「シンガポール・イマージョンプログラム」に参加してまず学んだことは、中学3年までに学ぶ英文法では、全く通用しないという現実だった。それでもなんとか思いを伝えなければならないと頑張る中で、「度胸が付いた」と話す。一緒に生活をしたバディーが2か国語を操り、ネイティブスピーカーかと思うほど流暢(りゅうちょう)に話す姿を普段日本語しか使わない自分と比較し、新鮮な感じを覚えたそうだ。

     「ピアスや髪の色などファッションも自由に楽しんでいるACSインターナショナルスクールの生徒を見て、最初は『この子たち勉強大丈夫なのかな』と思っていたのですが、授業が始まるとみんな真剣そのもの。遊びと勉強のメリハリが付いている子が多くて、自分の勉強法にも参考になりました。2週間という短い間でしたが、半年くらいいたのではないかと錯覚するほど濃密な時間を過ごせました」。また、吉田さんはさまざまな文化や考え方に触れ、「自分の考えていることが常識なのではない」ということも強く感じたという。

    • 引率を担当した国際交流部のクオン・セファン教諭
      引率を担当した国際交流部のクオン・セファン教諭

     国際交流部で18年のプログラムでは引率も担当した、英語科のクオン・セファン教諭は留学に参加した生徒は皆、大きく変化、成長しているという。

     「留学を経験した生徒は自分の言いたいことを伝えようとする自己発信力が違います。授業後の質問量や、授業に向かう姿勢も変化します。正直、シンガポールでは自分の英語力のなさにショックを受けて帰ってくる生徒もいますが、『もっと話したかった』という気持ちが英語を学ぶことに対して前向きに働くようです」

     取材した3人の生徒たちは皆、「留学は大変だったが、将来へのステップアップになった」と口をそろえる。この経験を糧に、将来は世界の舞台で活躍できるようになってほしい。

    (文・写真:安達悠 一部写真提供:山手学院中学校・高等学校)

     山手学院中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年11月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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