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    偏差値が低くても逆転合格する子の作戦…後藤卓也

    【作戦3】偏差値が乱高下する子

    • (画像はイメージ)
      (画像はイメージ)

     難しいのは成績の「乱高下」が目立つ子です。こういう子は「気分屋」か、試験会場の雰囲気にのまれやすい神経質な子です。

     合格に偏差値55は必要とされる進学校のF中学を第1志望にしていたG君。秋から年末にかけての4回の模試の偏差値は「50・45・53・43」でした。

     両親は11月の「53」の可能性を信じるべきなのか、12月の「43」が実力なのか、悩んでいました。

     苦手教科の国語は安定して40台前半ですが、ほかの3教科は45だったり58だったり、偏差値に“乱高下”が見られます。

     試験問題が難しいF中学の合格最低点は低めになる傾向にあります。

     中学受験は複数回受けられる学校もあります。そこで、2月に始まった入試の初日から、G君には3回続けてF中に挑戦させる作戦を立てました。初日の午後と途中にすべり止めの中学校も受験。F中学の結果は3回とも不合格となりましたが、倍率の高い最終日の3次試験で補欠で繰り上げ合格することができました。

     学校発表のデータをみると、3次試験の国語の問題が難しすぎて、受験生の差がつかなかったことが幸いしました。複数回受験する受験生を「熱望組」として優先的に繰り上げ合格とする学校が多いこともあります。

     模試ごとに偏差値が乱高下するG君は、会場の「雰囲気にのまれやすい」気質だったのかもしれません。毎日違う学校を受験するよりも、同じ学校を何回も受験したほうが力を発揮しやすかったのでしょう。 

     ただ、2回続けて不合格だった学校にまたチャレンジしに行くわけですから、塾と家庭が協力して、その子の心理的なケアをする必要があります。F中の3次試験の日、G君の一番慕っていた塾の教師が「早朝激励」に行ったことも、「ミラクル」の要因だったかもしれません。

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    2016年11月18日 11時04分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
    プロフィル
    後藤卓也  (ごとう・たくや
    啓明舎塾長。1959年愛知県生まれ。東京大学教育学部博士課程修了。84年の啓明舎設立当初から時間講師として勤務。2年間の西ベルリン(当時)留学経験の後、再び啓明舎へ。94年から塾長。主な著書に『大人のための「超」計算トレーニング』『大人のための「超」計算 正しく速くカッコよく解く!』 (すばる舎)、『小学生が解けて大人が解けない算数』 (dZero社)、『大人もハマる算数 』(すばる舎)、『秘伝の算数』(全3冊、東京出版)、『新しい教養のための理科』(全4冊、誠文堂新光社)など。
     
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