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    中学受験のプロ講師たち「マナビレンジャー」がアドバイスするコーナーです。

    首都圏私立中学の4割以上が「新型入試」を実施している…おおたとしまさ<9>

     中学受験に「必勝法」はないが「必笑法」ならある。結果を勝ち負けと捉えるのではなく、自分たちが「やって良かった」と思える中学受験にすることが大事。人と比べない中学受験、頑張りすぎない中学受験、子供を潰さない中学受験のすすめ。

    「正解」がない問いを出す中学入試の新スタイル

    • 聖学院で実施された「難関思考力入試」
      聖学院で実施された「難関思考力入試」

     いま中学入試に大きな変化が起きている。一言でいえば入試の多様化である。従来の4教科型・2教科型の入試とは異なる形式で実施される入試の増加。より具体的に言えば、「思考力型入試」「英語入試」「得意科目選択型入試」の拡大だ。ペーパーテストの枠組みさえ超えた「アクティブ・ラーニング型入試」すら登場している。

     「思考力型入試」とは、国語・算数・理科・社会の枠組みを超え、知識量や計算力ではなく、思考力や表現力そのものを試すもの。一例を見てみよう。

     試験用紙をめくると「発見体験その1」の見出しとともに、8枚のカラー写真が掲載されている。ある国の民族の様子を写した写真とのこと。まずはこれらの写真を見て、気付いたことをなるべくたくさん書き出す。さらにその気付いたことをもとにして、彼らがどのような人々で、どのような生活をしているのかを、想像で書いてみるという課題が与えられる。当然正解などない。

     次のステップでは、「発見体験その2」の見出しとともに、先ほどの写真について、資料が与えられる。その民族がどこの国のどの辺りに住んでいるのか、その地域の年間気温と降水量などが分かる。その資料から気付いたことや考えられることを書く。

     三つめのステップは「新たな問いの探究」。実際に写真の民族のところに行き、インタビューして、彼らについての発表を行うとしたら、自分だったら、どんな質問をして、どんなテーマで発表するかを記述させる。これももちろん正解がない。

     最後のステップは「200字要約」。クラスで発表するとしたら、どのようなことを、何に気を付けながら発表したいと思うか、200字程度でまとめる。

     以上を50分間の試験時間で「解く」。聖学院の「思考力テスト」、2017年の実際の入試問題である。

     ほかにもたとえば、かえつ有明では「決める」という概念を中心として、さまざまな状況を想定して、多角的に問う45分間の入試が実施された。最終的には「平等」や「公平」の概念にまで発展する。東洋大学京北中学校では、「哲学的思考力」と題して、「こころ」という一言から、自分で問いを設定し、その問いに対する答えを400字程度で記述するだけの50分間の入試が実施された。

     2018年の中学入試では、首都圏に約300あるといわれている私立中学校のうち4割以上にあたる136校が思考力型入試を実施した。すべての生徒を思考力型入試で入学させるのではなく、募集定員の一部を、そのような入試にあてているケースが多い。

    2018年05月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
     
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