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    発言小町で話題になっている事柄を、専門家らの意見も交えながら掘り下げます。
    小町拝見

    痴漢に対する考えのズレ…柴門ふみ

     彼女から「性格がズレている」と言われたけれど、自分にはどこがズレているかわからない、という男性からの悩み相談トピがありました。


     2人でテレビを見ていて痴漢の話題が出てきた際、彼女が「あたしも襲われたらどうしよう」と言ったので「普通に襲われないから大丈夫!」とトピ主さんが答えた。すると、言い方が悪いと彼女が怒りだしたというのです。

     トピ主さんとしては彼女を安心させるために、「痴漢に襲われるのは運の悪い場合だから、確率的には恐らく大丈夫だよ」という意味合いで言ったのかもしれません。

     しかし、彼女にしてみれば「痴漢も襲う気にならないぐらい魅力のない女」と言われたような気持ちになったのでしょう。

     トピ主さんの使った「普通に」というフレーズは、若者の間では深い意味はなく、話の合間に挟む「合いの手」として使用されることが多いようです。言葉遣いに自信がないなら、性的な発言や相手の職業、容姿、年齢等に関する話題を避けることです。そして、きちんとした言葉遣いで書かれた文章をたくさん読むことでしょう。

     けれど、もし本気で痴漢が魅力を振りまく女性しか襲わないと思っているのなら、その考えは明らかにズレています。

     なぜそのような誤った考えに至ったのか。誰かの影響なのか、マスメディアの情報によるものなのか、トピ主さんにはじっくり考えてほしいです。親から言われた価値観が染みついているのかもしれません。

     実は、昨今のセクハラ、パワハラの根源はそこにあると私は考えています。親の世代は「だってそれが当たり前」だったからと子供に伝える。文化が入れ替わるのには、やはり30年はかかるのでしょう。

    柴門ふみ(さいもん・ふみ)
     漫画家、エッセイスト。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大在学中から漫画を執筆し、代表作に「東京ラブストーリー」など。働く女性や恋愛をテーマにエッセーも手がけている。
    2018年08月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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