結婚 普通に? ステキに?…香山リカ

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 災害があると誰もが心細くなる。一人暮らしの女性が診察室で「結婚してない私は避難所に行ってもひとりなの?」と泣いたことがあった。病気になったり大きな事故のニュースを見たりすると、同じ気持ちになるシングルは多いだろう。

 トピにも「普通に結婚したいだけなのに」というのがあった。家事も一通りできる、高望みもしていない、それなのに交際相手ともいっこうに結婚に発展しないというトピ主さんは「心が折れそう」とかなり切羽詰まっていた。

 本気で「普通に結婚」したいだけなら、自治体主催の婚活パーティーなど機会はいろいろあると思う。でもトピ主さんの心のどこかには、ロマンチックな空想がまだ残っているのだろう。「恋愛のクライマックスでのプロポーズ、夢見心地の結婚式」といった空想だ。トピ主さんが考えているのは「普通に結婚」ではなくて、やはり「ステキに結婚」なのだろう。

 もちろんそれも悪くないのだけれど、だとしたら「ひとりでもいい」という選択肢も準備しておくべきだ。今の時代、「愛」と「結婚」はやや離れつつあり、「とにかく結婚を」と思うなら、仕事探しでもするかのように条件や時期をきちんと決めて、ネットなども駆使してサクサクと進めていくしかないからだ。

 「ステキに結婚」を求めていれば、それはなかなか手に入らず、避難所にひとりで逃げてそっと涙を流すこともあるかもしれない。でも、私はそういう人の繊細な感受性がとても好きだ。詩や小説は、そういう感性からしか生まれないと思う。「普通」より「ステキ」を選んで、と助言したいところだが、それはあまりに無責任。「さて私はどっち派かな」と自分にじっくり問いかけてみてほしい。

香山リカ(かやま・りか)
 精神科医、立教大教授。1960年、北海道生まれ。豊富な臨床経験を生かし、新聞やラジオ、テレビなど様々なメディアで、現代人の心の問題について発言している。
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876761 0 ピックアップ 2019/11/04 05:20:00 2019/11/04 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191101-OYT8I50051-T.jpg?type=thumbnail

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