医療現場 性別への配慮…香山リカ

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 医大での女子受験生の差別が大きな社会問題になり、私も女性医師として残念に思っている。どの医師も医療の現場では自分の性別など忘れ、患者のために全力で取り組んでいる。

 しかし、プロとして仕事に熱中するあまり、つい細やかな配慮を忘れてしまうこともないとは言えない。

 入院中の入浴で男性看護師に介助され、抵抗感があった、という50代女性のトピがあった。興味深かったのは、患者の立場からは「相手はプロ」「男性への偏見では」など我慢すべきだとするレスが目立ったのに対し、看護師からは「自分は入浴介助の前には確認を取る」「女性看護師に替わってほしいと言ってよい」と、トピ主に理解を示す意見があったことだ。

 これは重要なポイントだと思う。医療従事者は基本的に「患者の尊厳を大切にしたい」と思っている。ただ、治療やケアに集中するほど、細やかな配慮は忘れてしまいがちになるという矛盾があるのだ。だから、患者の側から「こうしてほしい」と言ってもらえるのは、実はとてもありがたい。

 ただ一部には、患者が希望を伝えても、嫌な顔をしたり無視したりする医療従事者もいると聞く。これは私の個人的な意見だが、いくら名医という評判でも避けたほうがいいのではないかと思う。

 今は多くの病院で、男性医師が女性患者のからだを診察するときは、女性スタッフが立ち会うようになっている。入浴、着替えなどからだに触れるケアでは、さらに気になる人もいるのは当然だ。患者側は「担当を女性にして」と伝えてもいい。医療従事者側も「ごめんなさい、今は僕しかいなくて」と答えるなど、コミュニケーションを取る必要がある。もう、遠慮しながら医療を受けるという時代ではありません。

香山リカ(かやま・りか)
 精神科医、立教大教授。1960年、北海道生まれ。豊富な臨床経験を生かし、新聞やラジオ、テレビなど様々なメディアで、現代人の心の問題について発言している。
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1075936 0 ピックアップ 2020/03/02 05:20:00 2020/03/02 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200227-OYT8I50052-T.jpg?type=thumbnail

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