強いた我慢 人を怒らせる…柴門ふみ

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 38歳の娘に絶縁されたという70歳の母親のトピを見つけました。

 高校卒業後、家を出てからほとんど戻ることがなかった娘が、1年前に初めて孫を連れて帰省。だんらんを楽しんだのもつかの間、やがて娘は突っかかるようになり、突然激怒して予定を3日早めて帰宅してしまった。LINEもブロックされて連絡不能になり、送った荷物も受け取り拒否で戻ってきたというのです。

 「優等生の親ではなかったかもしれないけれど、私たちは慈しんで育てたつもりでした」と母親は嘆いています。

 ところで、私は、「なぜか、私の周囲には突然怒り出す人が多いのよ」という相談をたまに受けます。

 違うのです。あなたが周囲の人を怒らせていて、その原因にあなたが気づいていないだけなのです。そのように単刀直入に答えたいのですが、そう言ったところで逆ギレされるだけなので、「その人は突然怒ったのではなく、きっと何かをずっと我慢していたのよ。それをよく考えてみて」とだけアドバイスしています。

 本音でズバズバ話す人は、本心を隠して表面的な会話をする人よりおもしろいため、案外コミュニティーの人気者だったりします。また、本人も「思ったことをそのまま口にしているだけで悪気はないの」と自信たっぷりで、直す気など全くない。けれど、争うことが嫌いで繊細な人は、ズバズバ言われて傷ついても、ただ我慢しているだけなのです。

 繊細な人はズバズバ人間から逃げ出します。けれどそれが親だった場合、繊細な子は成長して家を出るまで我慢を強いられます。今回のトピのケースも、娘さんが親に優しくしようと思ったけれどやっぱり無理だった、ということではないでしょうか。 

柴門ふみ(さいもん・ふみ)
 漫画家、エッセイスト。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大在学中から漫画を執筆し、代表作に「東京ラブストーリー」など。働く女性や恋愛をテーマにエッセーも手がけている。
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1201298 0 ピックアップ 2020/05/04 05:20:00 2020/05/04 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200503-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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