羨むことはあるけれど…犬山紙子

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 誰かを羨ましいと言うと「人と自分を比べても意味がない」とバッサリ斬られがちな世の中で「ママ友の家に呼んでもらったら、広くてきれいで(へこ)みました」と、素直に気持ちを打ち明けたトピがありました。

 トピ主さんは幼稚園で知り合ったとても感じの良いママ友Aさんを自宅に招いたそうです。今度はAさん宅に遊びに。すると「すごく広々きれいで、生活感がないわけじゃないのにセンス良く片付いてて、この暑いのに庭の植物も生き生き花を咲かせていて……娘も『すごい! きれい! まだ部屋がある!』を連発」とのこと。「とにかく、生活のレベル差にショックを受けてしまって、ここ数日胸が痛いです……」で文章は終わっています。

 人間ですもの、そう思っちゃいますよ。凹んじゃう気持ち自体は否定するものじゃないと思うんです。私たちはどれだけ気をつけていたって何かを比較してしまいます。凹むか凹まないかじゃなくて、思いっきり凹んだ後にどうするかに人の器が出るんですよね。

 きっとAさんが憎いんじゃない。自分が大切に作り上げてきた空間が惨めなもののように感じてしまい、胸が苦しくなっちゃっている。でも、これまで紡いできた家の中の思い出を思い返してほしいのです。

 2人の娘さんを妊娠出産して夜中も必死に子育てをされて、娘さんの笑顔やトピ主さんの笑顔もたくさん生まれた空間なんですよね。その価値は「センスの良さ」や「部屋の数」では絶対に覆らないはず。

 Aさんだって、誰かを見て羨んで凹んじゃうこともあるだろうし、育児と仕事の中で「やってられるか!」みたいな気持ちになることだってあるだろうし。そんな気持ちを共有して行くうちに、本当に仲良くなれるのかなと思うのです。

犬山紙子(いぬやま・かみこ)
 エッセイスト、タレント。1981年、大阪府生まれ。2011年、ブログをまとめた著書「負け美女」でデビュー。雑誌やテレビなどで活躍中。17年1月に長女を出産した。
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1514903 0 ピックアップ 2020/10/05 05:20:00 2020/10/05 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201001-OYT8I50078-T.jpg?type=thumbnail

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