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    旅人は外国人ばかり~ニッポンの若者はどこに(上)

    旅行作家 荒木左地男

    生き残る個性派ユース

    • 宇多野ユースホステルのラウンジ(日本ユースホステル協会提供)
      宇多野ユースホステルのラウンジ(日本ユースホステル協会提供)

     しかし、ユースホステルらしさを活かした存続の努力をしているユースもある。北海道礼文島の桃岩荘ユースホステルでは、昔ながらの歌と踊りのミーティングが行われ、翌朝にはラジオ体操と宿泊者全員での掃除大会、そして船での到着、出発時には港で旗を振り回しての盛大な歓送迎が行われるという、熱いホステルとしてテレビなどでも紹介され有名になっている。かつてのユースを知るシニアに大人気だが、ここが気に入ってヘルパーとして居着く若い旅行者も多いと聞く。

    • 立科白樺高原ユースホステルで行われている「馬と自然の学校」(日本ユースホステル協会提供)
      立科白樺高原ユースホステルで行われている「馬と自然の学校」(日本ユースホステル協会提供)
    • 立科白樺高原ユースホステルで開かれている「すくすくスキースクール」の様子(日本ユースホステル協会提供)
      立科白樺高原ユースホステルで開かれている「すくすくスキースクール」の様子(日本ユースホステル協会提供)

     京都市郊外の宇多野ユースホステルは、ここ数年連続して「最も居心地のいいユースホステル」世界ランキングでトップクラスにランクされている、人気ユースホステルだ。施設は京都市の所有で、リゾートホテルと見まごうほどの環境や設備を誇っている。ここでも宿泊者の大半は外国人で、家族連れの日本人やシニアの利用も多い。

     昨年末に宿泊したが、20代の若者は見かけなかった。毎晩開催される日本文化紹介や外国人ボランティアによるイベントは宿泊客に好評のようなのに、日本人の若者が少ないのはなんとも残念だった。

     長野県の立科白樺高原ユースホステルは、障害をもった子供のための馬の学校やスキー教室などを積極的に行うユニークなユースホステルだ。マネージャーの寺島真さんは「旅は誰でも楽しめるユニバーサルなものでなければなりません。私たちのユースホステルは、障害者の方にも旅や野外でのスポーツを楽しんでもらいたいと、乗馬レッスンやスキー体験などを行っています。他の宿では難しい、ユースホステルだからできることをしていきたいと思っています」と語る。

     ※「なぜ旅人は外国人ばかり~ニッポンの若者はどこに(下)」は2月9日に掲載します。

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    プロフィル

    荒木左地男 (あらき・さちお)
    旅行作家。島根県生まれ、東京教育大学(現筑波大学)文学部卒業。学生時代からラジオ海外情報番組の構成作家を始め、テレビ・ラジオの放送作家、広告コピーライター、プランナーを経て、旅行作家に。海外70か国を取材。著書は『人生を変える「大人」のアジアひとり旅』(双葉社)、『おじさんだって、アジアに行きたい』(文香社)など。現在、代官山蔦屋書店旅行コンシェルジュ、(財)日本ユースホステル協会理事も務める。

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    2016年02月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun