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    スクールデイズ

    転校で気候の違いに興味…斉田季実治さん

    聞き手・金来ひろみ

    気象予報士

    • 斉田季実治さん(田中成浩撮影)
      斉田季実治さん(田中成浩撮影)

     小学生の頃から理科が好きで、科学雑誌の「ニュートン」を読んだり、家族でテレビの科学番組をよく見たりしていました。父は林野庁に勤めており、転勤が多く東京や秋田、大阪、熊本と引っ越しを重ねました。通った小学校は4校になります。地域によって雨の降り方が違うことなどを、興味深く思っていました。

     転校が多くてもスポーツが得意だったので、どこでも早く溶け込むことができました。熊本県立済々黌せいせいこう高校に入学してからは、皆が未経験者で同じスタートラインに立てる、との理由でラグビー部に入部し、全国大会を目指して練習に励みました。花園をかけた県予選で惜敗した直後、両足がつって病院に担ぎ込まれたことが忘れられません。

     全国を転々としましたが、一番長く住んだのは熊本です。大学は「住んだことのない土地に行きたい」と思い、北海道大水産学部に進みました。

     2年の時、練習船に2週間乗船する航海実習があったのですが、この経験が気象予報士を目指すきっかけになりました。実習では海水を調査したり、漁をしたりしましたが、航海するには天気を知ることがとても重要になります。実習の後、天気を予想できたら面白そうだと思い、気象予報士試験の受験を決めました。

     初めての試験で大学の勉強に重なる部分が多いことが分かると、図書館にこもって本格的に勉強し、3年生の冬に受けた2回目の試験で合格しました。合格すると、私の影響を受けたのか、受験を考える友人が増えましたね。

     卒業後は資格を生かせればと思い、北海道文化放送に入社。報道記者として度々、災害現場にヘリコプターで急行し、中継しました。しかし、災害の被害を伝えるだけではなく、被害を防ぎたいとの思いが強くなり、29歳で民間の気象会社に転職しました。

     気象情報を正確に伝え、聞いた人には避難など実際の行動に移してもらいたい。そのためにどう伝えればいいのか、日々苦心しています。天気だけでなく、防災全体を語れる人材が必要で、自分がそうなりたいと思っています。

    プロフィル
    さいた・きみはる
     1975年生まれ。気象や防災などを扱う「ヒンメル・コンサルティング」代表。北海道大卒。北海道文化放送の記者を経て、気象会社に転職。2006年からNHKの気象キャスターを務め現在、NHK総合「ニュースウオッチ9」に出演中。著書に「いのちを守る気象情報」など。

     (2018年7月26日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年07月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun