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    スクールデイズ

    バレエレッスン 四苦八苦…龍真咲さん

    聞き手・朝来野祥子

    元宝塚歌劇団月組 男役トップスター

    • 龍真咲さん(岩佐譲撮影)
      龍真咲さん(岩佐譲撮影)

     小学生の頃、母と妹と初めて宝塚の舞台を見ました。月組の「風と共に去りぬ」で、男役に心を奪われました。「本当に女性だけでやっているのかな」と疑問に思い、興味がわきました。

     次第に、自分も入りたいと思うようになり、中学3年から宝塚音楽学校の受験に向けたレッスンを本格的に始めました。ほかの受験生より、遅いスタートだったと思います。高校在学中に受験した時は、周りがみんな「タカラジェンヌ」に見えました。受験生用の待機室でも身の置き所がなく、グランドピアノの下でしゃがんでいたところ、「一人?」と話しかけてくれた子がいました。その子とは別の道を歩んでいますが、今も仲良くしています。

     入学後は、歌や芝居、踊りなどを2年間みっちり学びましたが、苦手なレッスンも多かったです。歌や芝居は得意でしたが、バレエやピアノは下のレベルでした。バレエの基礎を身に付けていなかったため、最初はつま先で立つのがやっと。少しでも立ちやすくするため、せめて自分の足にぴったり合ったトウシューズを探そうと、バレエ用品の店を何軒も回りました。結局、一番合ったのは初心者用のシューズでした。

     楽器は琴、三味線、ピアノから一つを割り振られることになっていましたが、最も苦手なピアノが当たってしまいました。最後の試験で「ビリじゃない」と喜んでいたら、最下位に3人並んでいた、ということもありました。

     音楽学校卒業後、2001年に宝塚歌劇団に入団しましたが、男役の勉強はそこからが本番でした。新人時代はトップスターの先輩たちをまねしようとしましたが、通用しないことに気がつきました。個性や魅力を磨いて演出家の世界観を表現することに努め、16年の卒業公演で織田信長を演じた際は、稽古の合間に兵庫や岐阜など信長公の足跡をたどりました。

     宝塚を退団した後は女性の役を中心とした活動を行ってきましたが、今後は性別にとらわれず、幅広い役柄を演じていきたいと思っています。

    プロフィル
    りゅう・まさき
      大阪府出身。1999年、宝塚音楽学校に入学。卒業後、宝塚歌劇団に入団し2012年、月組の男役トップスターに就任。16年に退団。9月に東京、大阪、名古屋でライブツアー。来年1月には幕末劇「SHIRANAMI」に、赤星十三郎・小夜役の男女二役で出演する。

     (2018年8月30日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年09月03日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun