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    スクールデイズ

    月謝の封筒ずしり 合格誓う…小林さやかさん

    聞き手・岡本裕輔

    「ビリギャル」のモデル

    • 小林さやかさん(安斎晃撮影)
      小林さやかさん(安斎晃撮影)

     小学校では友達とうまく付き合えず、自分が嫌いでひねくれていました。環境を変えたいと、大学まで一貫の私立中学を受験し合格。友達も多くでき、制服のスカートを短く、髪の毛を明るくして学校生活を楽しみ、校則違反を繰り返していました。

     中学3年生の時、母が学校に呼ばれたのですが、母は先生に「娘は友達思いの優しい子です」と言い、私を守ってくれたのです。母のような大人になりたい、母を泣かせたくないと強く思いました。

     塾に通い始めたのは、高校2年の夏。入塾面談に行けなくなった弟の代わりに行き、そこで塾の坪田信貴先生に「君みたいな子が慶応大に受かったら面白いよ」と受験を勧められたのです。

     高校では、学年ビリから10番以内をウロウロする状態でした。「聖徳太子」を「せいとくたこ」と読み、「strong(強い)」の意味も分からない。でも、坪田先生は「今までどうやって生きてきたの」「天才だね」と面白がり、褒めてくれました。将来の目標はなかったのですが、「私ならできるかも」と本気で目指すようになりました。小学4年生のドリルからやり直し、1日15時間は勉強をしました。

     成績が上がらずスランプに陥り、「もうやめたい」と思ったこともありました。ある時、母に頼まれて数か月分の月謝が入った分厚い封筒を坪田先生に渡すと「この封筒の重みを絶対に忘れるな」と言われました。後から知ったのですが、母は保険を解約し、親戚に頭を下げ、お金を集めてくれていたのです。ずしりとした重みを感じ、「絶対に合格する」と誓いました。

     慶大総合政策学部に一般入試で現役合格でき、大学時代は居酒屋のアルバイトでサービス業の面白さを知りました。今はウェディングプランナーの傍ら、学校や企業での講演会などを開いています。

     大切なのは偏差値を上げることではなく、本気で挑戦できる何かを見つけること。夢を持つ大切さを伝えることが「ビリギャル」としての使命だと感じています。

    プロフィル
    こばやし・さやか
     1988年、名古屋市生まれ。受験体験は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著)や映画「ビリギャル」で紹介された。10月28日午後3時から、小林さんが司会を務め、中学生以上の学生を対象に社会人との交流イベント(要参加費)を東京都内で開催する。

    (2018年10月11日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年10月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun