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    スクールデイズ

    カフカの邦訳本 読み比べ…三浦奈保子さん

    聞き手・上田詔子

    タレント

    • 三浦奈保子さん(吉川綾美撮影)
      三浦奈保子さん(吉川綾美撮影)

     一人っ子で、小さい頃から外で遊ぶより童話や伝記などの本を読むことが好きでした。本を読めば外国にも想像の世界にも行くことができる。好奇心が強いけど、人とコミュニケーションをとるのが得意でなく、積極的に外に出るタイプではなかったので、本がすべて教えてくれました。

     小学5年生からは中学受験を目指して塾に通い始めました。母から「30分だけ勉強しなさい。あとは自由に使いなさい」と言われて、効率を重視し、少ない努力で最大の結果を生み出せるように頑張ったのを覚えています。合格した私立桜蔭中学・高校(東京)でも、千葉の自宅と学校を往復する2時間の電車の中で宿題を終わらせ、授業中は各科目、1冊の参考書かノートに授業で習ったことを全て書き込むなど、効率的に勉強ができたと思っています。

     高校生の頃は試験前以外はいつも本を読んでいて、作家や翻訳家にあこがれていました。ドイツ語で「変身」「審判」などの名作を書いたカフカが好きで、複数の邦訳本を学校の図書館で読み比べました。翻訳家によって解釈や作品の雰囲気が違うところに面白さを感じました。

     大学受験では東京大学は不合格で、早稲田大学法学部に進学しましたが、どこか上の空で、あきらめきれませんでした。当時好きだった人が浪人して東大を目指したことにも背中を押され、仮面浪人して東大に再挑戦。翌年合格すると、カフカの原作の世界観により肉薄しようと、ドイツ文学を専攻しました。

     大学2年生の頃からクイズ番組に出演するようになりました。今では3歳の娘と1歳の息子がいます。出産や育児で仕事をセーブせざるを得ない状況になり、もっと社会の役に立ちたい、形あるものを残したいという思いが強くなり、小説を書き始めました。

     これまでは芸能界で刺激を受けたり、知識を吸収したりするだけで幸せだったのですが、今は自分の手で作品を生み出そうと模索しています。作家にあこがれていた学生時代の気持ちに戻ってきたような気がします。

    プロフィル
    みうら・なおこ
     1987年生まれ。東京大学1年生で準ミス東大に選ばれ、芸能界デビュー。テレビ朝日系の「Qさま!!」などクイズ番組で活躍しており、気象予報士やファイナンシャルプランナー2級の資格も持つ。

    (2018年11月15日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年11月19日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun