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    スクールデイズ

    日米 教育の違いに困惑…モーリー・ロバートソンさん

    聞き手・佐藤寛之

    国際ジャーナリスト

    • モーリー・ロバートソンさん(園田寛志郎撮影)
      モーリー・ロバートソンさん(園田寛志郎撮影)

     父は米国人で医師、母は日本人で結婚するまでは新聞記者をしていました。ニューヨークで生まれ、サンフランシスコで育ちましたが、5歳の時、父の仕事の関係で広島に移り住みました。

     小学校は主にインターナショナルスクールに通いました。勉強は百科事典くらいある分厚い教科書を自分のペースで進め、競争もないゆったりとした雰囲気でした。「日本語や漢字を使えるようになりたい」と思い、5年生で公立の小学校に入りました。「起立、気をつけ、礼」など、日本の規律正しい学校生活に慣れるのが大変でした。

     中高は日米を行き来したので、教育システムの違いにさらに困惑しました。特に数学は、米国ではプロセスを大切にしていましたが、日本では受験を前提に公式を覚えることが多かったです。英語が話せるのに、前置詞や冠詞などを覚えて英語を学ぶのももどかしかったです。

     広島にいた高校2年生の時、当時はやっていたディスコに行くなどして「不良」の烙印らくいんを押されて自主退学しました。その後、母の実家がある富山県高岡市の高校に移りましたが、支えになったのが音楽でした。近くの工業高校生とパンクバンドを組み、市外でライブ活動もしました。「東京大に入ったらバンドの宣伝になる」と思い、入試直前の3か月はバンド活動を休んで猛勉強。東大と父が勧めるハーバード大に合格しました。

     ただ、メディアから「天才」ともてはやされ、復帰を待ってくれていたメンバーからは「お前の脇役になってしまう」と言われ、除名されてしまいました。話題性だけで東大在学中にプロデビューも果たしましたが、パンクをやりたいのに、メジャーな音楽が求められることに違和感を覚えました。入学から半年後には休学し、後に辞め、ハーバード大で学びました。

     DJやラジオパーソナリティーなどもしてきましたが、学生時代と変わらず、やりたいことをやる中で、様々な道が切り開けたと思っています。

    プロフィル
     1963年生まれ。DJ、ラジオパーソナリティー、ミュージシャン、ジャーナリストとして幅広く活動している。日本テレビ系「スッキリ」に木曜レギュラーとして出演するなど、多くの番組にも出演している。近著に「『悪くあれ!』窒息ニッポン、自由に生きる思考法」(スモール出版)。

     (2018年12月6日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年12月10日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun