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    スクールデイズ

    美術史学ぶために国語力…和田彩花さん

    聞き手・石橋武治

    アイドルグループリーダー

    • 和田彩花さん(米田育広撮影)
      和田彩花さん(米田育広撮影)

     アイドルとして活動する傍ら、美術史、特に19世紀フランスの画家マネを研究するため、昨年大学院に進学しました。

     美術に心引かれたのは、高校生になったばかりの時にマネの「死せる闘牛士」と出会ったことがきっかけです。仕事の待ち合わせ時間を間違えて時間が余り、以前から気になっていた展覧会に行ったのですが、その絵は黒や暗い色調で亡くなった闘牛士が描かれていて、私が持っていた「絵画といえば華やか」というイメージと正反対。「こんな絵があるんだ!?」と、当時はびっくりしました。それまで美術にさほど興味はなかったのですが、高校1年生のうちに大学で美術史を学ぶことを決めました。

     画家の生涯や絵画史の流れを理解するにはたくさんの論文を読む必要があります。そのため、高校では国語力を伸ばすべきだと、ベテランの国語の先生からみっちり指導を受けました。先生は美術にも精通していたので、美術関連の論文を読んで要旨をまとめ、自分の感想を2000字で書く宿題もありました。多い時は週5本くらい論文を読むことも。すでにアイドルの仕事をしていたので、仕事場に向かう車の中や短い休憩時間などに論文を読んでいました。

     大学の先生からは「言葉を大切にしなさい」と何度も言われました。何げなく「これ」と言うと、すかさず「『これ』とは何?」と指摘が入るんです。美術を評論する時、ちょっとした言葉のニュアンスの違いで自分の考えとは異なる意味に捉えられてしまいます。伝えることの難しさを教えてもらいました。

     学生時代の経験があったからこそ、美術関係やアイドルの仕事で表現するための力や語彙ごい力が身に付いてきたのかなと感じています。コンサートなどで発言する際にも「誰かを傷つけるような言い方をしていないか」と、言葉遣いを考えるようにもしています。春にはグループを卒業するのですが、美術を自分の言葉で発信できるようになりたいと思っています。

    プロフィル
    わだ・あやか
     1994年、群馬県生まれ。アイドルグループ「アンジュルム」と、複数のアイドルグループが所属する「ハロー!プロジェクト」のリーダーを務めており、1月から全国ツアーに出演する。来春からソロ活動を予定。「乙女の絵画案内」(PHP新書)などの著書もある。

     (2018年12月20日付読売新聞朝刊掲載)

    2018年12月24日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun