[最前線]「ゆる部活」楽しく運動…ヨガやボルダリング 体力向上へ

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 中学・高校で、生徒が楽しく体を動かすことを重視する「ゆる部活」が広がってきた。勝利を目指し、日々練習に打ち込む運動部とは異なり、運動不足の解消や体力向上を目標に掲げる。生徒が良好な人間関係を築くうえでも効果的だとして、スポーツ庁も導入を呼びかけている。(石橋武治)

 

■学年超えて仲良く
 1月下旬、神奈川県立厚木北高校の放課後の教室で、ヨガ同好会の女子生徒4人が背筋を伸ばしたり片方の足で立ったり、ポーズをとっていた。

 「息をゆっくり吐いて、背中の筋肉が伸びるのを感じて」。指導にあたるのは、県内でヨガ教室を開いている外部講師だ。

 ヨガ同好会は2015年、同高が生徒の運動不足解消を目的に作った。現在は1~3年の女子生徒8人が所属する。活動は月1回1時間。参加は自由で強制されない。

 メンバーの一人(17)(2年)は他の部活には参加しておらず、「家でもヨガをしている。運動の習慣がつき、体調もいい」と話す。中学時代はソフトテニス部に入っていた生徒(16)(1年)は「先輩後輩の関係が厳しくなく、学年を超えて仲良くなれるのが魅力」と語った。

 同高にはスポーツ科学コースがあり、運動部の活動が盛んだが、生徒の中には「もう少し気楽に運動したい」というニーズがあったという。

 ゆる部活は通常の運動部とは違い、活動は週1回~月1回程度。勝利を目指さなくてよく、一つの競技にもこだわらない。

 神奈川県教委によると、県立高では厚木北高を含め少なくとも4校で導入。縄跳びとダンスパフォーマンスを同時にする「ダブルダッチ」という活動を週1回程度、取り入れている例もみられる。

■スポーツ庁呼びかけ
 スポーツ庁が昨年3月に公表した運動部活動に関する指針では、中学・高校に対し、「週2日以上の休養日の設定」など活動時間の制限を打ち出す一方で、運動不足の生徒らも楽しく体を動かせる「ゆる部活」などを設けるよう呼びかけた。

 同庁が18年度、小学5年生と中学2年生を対象に実施した全国体力テストでは、中学女子で1週間の平均運動時間が「1時間未満」の割合は約2割に上った。

 こうした状況もあって、「ゆる部活」は中学校でも増えている。

 東京都世田谷区では、区立中29校のうち、10校で実施している。その一つの三宿中では、昨年春から放課後に週1回1時間、スポーツクライミングの一種「ボルダリング」などの教室を開いている。廊下の壁の一部に計100個のホールド(突起)が取り付けられており、生徒はそれをつかみながら横方向に移動することで、腕力やバランス感覚を身につける。バレーボールなどの球技を行うこともある。吹奏楽部に所属する山下祐輝さん(14)(2年)は「体がなまった感じがなくなり、気分転換になる」と言う。

■地域の協力
 ただ、「ゆる部活」を始めるには、顧問の教員や活動場所の確保が必要になる。

 学校の現場には「教員の負担が増し、働き方改革に逆行しかねない」(都内の公立中校長)といった声もあり、外部から講師を招く場合は費用もかかる。

 部活動に詳しい早稲田大の中澤篤史准教授は、「もともと部活動は自主的なもので、運動したいという生徒の気持ちに応える『ゆる部活』は一つの理想型と言える」と指摘。「学校は地域の人材を活用するなど、無理なく多様なニーズに応えられるように工夫してほしい」と話す。

434948 1 教育 2019/02/08 05:00:00 2019/02/07 22:43:20 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190207-OYT8I50054-T.jpg?type=thumbnail

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