第43回全国高等学校総合文化祭 2019さが総文 27日から8月1日まで

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 「第43回全国高等学校総合文化祭 2019さが総文」が27日、佐賀県で開幕する。「文化部のインターハイ」とも呼ばれる、国内最大規模の高校生による文化の祭典で、今年は23部門に高校生約2万人が参加する。8月1日まで、演劇、日本音楽、郷土芸能、自然科学などの19の規定部門のほか、茶道、郷土研究など、開催県が独自に設定した協賛部門で、努力の成果を披露する。

 

夢追う気持ち 大切に…宝塚歌劇団宙組前トップスター 朝夏まなとさん

「小学校はブラスバンド部でトランペット、中学校は吹奏楽部でフルートを担当していました」=奥西義和撮影
「小学校はブラスバンド部でトランペット、中学校は吹奏楽部でフルートを担当していました」=奥西義和撮影

 「勉学以外で好きなことに打ち込めるって、すごく幸せなこと」

 女優で宝塚歌劇団宙組の前トップスター、朝夏あさかまなとさん(34)は、大きな瞳を輝かせた。

 佐賀市出身。幼い頃は、外で元気に遊び、真っ黒に日焼けした子供だった。3歳からバレエを習っていたが、背が高かったこともあり、将来の夢は、モデルやアナウンサーなどの「表現するお仕事」。中学生のとき、宝塚の全国ツアーを地元で見て衝撃を受け、「この舞台に立ちたい」と夢見るようになった。

 母親から宝塚音楽学校を受験する条件として出されたのは、地元の進学校に合格すること。必死で勉強して条件を満たしたうえで、中学3年の終わりに宝塚音楽学校を受験。難関試験を見事突破し、夢への切符を手に入れた。

 高校時代にあたる音楽学校時代は、「バレエしかやったことがなかったので、できないことを、必死でクリアしていくみたいな感じでした」と振り返る。2002年、宝塚歌劇団に入団。15年に宙組トップスターとなり、「王家にささぐ歌」「エリザベート」「王妃の館」などの作品で主演した。

 表現力豊かなダンスや包み込むような笑顔で、ファンを魅了してきた。17年の退団後も、「マイ・フェア・レディ」「オン・ユア・フィート!」「笑う男」などの話題作に出演し、女優としてのキャリアを重ねている。

 つらいことや壁にぶつかっても続けて来られたのは、「好きだから」と話す。「表現しているときは、違う世界に行ける。舞台では集中していて、邪念がなくて、『生きている』という感じがするんです」。そして、「自分が大事にしている表現というものを好きになってくれて、見たいと思ってくれる人に、小さくてもいい影響を与えたり、つらいことを乗り越える力を届けたりできたらいいなと思う」。まっすぐな目で話す。

 今年、佐賀市をPRする市のプロモーション大使に就任した。佐賀は「のんびりしていて窮屈な感じがしないのがいい。最近は若い人が戻ってきてカフェをやったりしていて、すてきだなあと思う」。ふるさとを語る口調は柔らかい。

 9月には、「若草物語」として知られるオルコット原作のミュージカル「リトル・ウィメン」に、4姉妹の次女で作家を目指すジョー役で出演する。活発で責任感が強く、夢を追いかけているジョーには、「共感するところが多い」と笑う。「誰しもが何かにあこがれる。すぐに結果が出なくても、きっと誰かが見てくれている。やりたくてやっている気持ちを、ずっと大切にしてほしい」。実感を込めて、今、何かに打ち込んでいるすべての高校生へエールを送る。(文化部 金巻有美)

 

文化創り 未来へ引き継ぐ…総合開会式の構成劇「蒼天の翼」

 総合開会式は、式典と、次の開催地・高知県との交流、国際交流ステージ、構成劇の3部構成で行われる。

 開催地である佐賀県が担当する構成劇のタイトルは「蒼天そうてんの翼」。ある高校の“落ちこぼれクラス”3年2組。担任の女性教師は、文化祭をきっかけにクラスを盛り上げようと考える。脚本担当になった女子生徒と協力し、やる気のない生徒に役を割り当てるが……。

 大会テーマ「創造の羽を広げ、蒼天へ舞え バルーンのごとく」をもとにしたオリジナル脚本で、夢や希望と、現実とのはざまで葛藤しつつ、未来へ向かう高校生たちの姿を描く。

 歌とダンスが随所に盛り込まれた劇を、高校生キャスト15人が高い熱量で演じ、鳥栖とす商業高校ダンス部や佐賀北高校吹奏楽部、有田工業高校放送部員らが、ダンスや音楽、映像などで盛り上げる。

 キャストたちは昨年10月のプレ大会でもこの劇を演じたが、今年3月に新しい脚本で練習を再開。週末に県内各地から佐賀市に集まり、練習を重ねてきた。

 主人公の一人で、脚本担当の女子生徒役の平川カノンさん(早稲田佐賀高校2年)は、「とても難しい劇だが、キャストたちはお互いに刺激しあって成長してきた。様々な障害や苦労があっても、『文化』を創り続けることをあきらめず、未来へ引き継ごう、というメッセージが伝わればうれしい」と話している。

 

明治時代の有田焼再現…郷土研究部門で発表

 佐賀県が全国に誇る「有田焼」は、400年以上前の江戸時代から生産が続く伝統工芸品だが、製法は長い歴史の中で少しずつ変化してきた。地元の有田工業高校セラミック科で学ぶ生徒で作るチームが、明治時代の有田焼の再現に挑戦し、その様子を郷土研究部門で発表する。

 日本製品が世界で注目を集めた明治時代、有田焼も各国の博覧会などで好評を博し、世界的に需要が高まった。緻密ちみつな絵柄や金箔きんぱくなど豪華な装飾を施した製品も生まれたことから、明治は有田焼の円熟期とされる。

 チームは、明治時代に使われていた、素朴な色合いが魅力ながらややもろい「泉山陶石」を原料にした粘土での焼成に苦心。何度も割れてしまうなどの失敗を重ねながら、地元の職人に生地作りのコツを教わり、直径46センチの大皿を完成させた。有田焼の制作工程を描いた絵柄も生徒らによるものだ。

 セラミック科は、ろくろ回しや焼成方法など、焼き物作りの技術習得を目指す生徒が集まる。発表者の森内あゆみさん(3年)、木須愛佳さん(同)、井手彩華さん(同)も、ものづくりに関心を持って同科で学ぶ。

 会場では実物の大皿も展示する予定。3人は「職人数の減少など、有田焼を巡る環境の厳しさを実感することもあるが、有田に息づく『ものづくり』への情熱を、全国の人に紹介したい」と意気込む。

 

仲間との交流の場

 全国高等学校総合文化祭の第1回大会は、1977年、千葉県で開催。高校生の芸術文化活動を、広く一般に発表する場であると同時に、同じ活動に取り組む全国の仲間との交流の場ともなっている。大会は毎夏、各都道府県が持ち回りで開催し、運営には開催地の高校生が深く関わる。

 毎年実施される19の「規定部門」のうち、演劇、日本音楽、郷土芸能の3部門については、審査の上、上位4校が、東京・国立劇場で行われる東京公演に参加できる。

 展示・発表の多くは一般に公開され、入場は無料(一部は申込制)。

 

 主催=文化庁、公益社団法人全国高等学校文化連盟、佐賀県など

 特別後援=読売新聞社など

無断転載禁止
700356 0 教育 2019/07/21 05:00:00 2019/07/26 14:00:36 高校時代の思い出を語る佐賀県出身の朝夏まなとさん(26日、千代田区の東宝日比谷ビルで)=奥西義和撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190720-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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