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[恩師のコトバ]芝居だけど芝居するな…極限状態を乗り越えられた

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瀬戸康史さん 33 俳優

 初めて白井さんと仕事をしたのは、2015年の舞台「マーキュリー・ファー」です。暴力と略奪がはびこる 混沌こんとん とした町で生きる兄弟の話で、過激な作品。白井さんが演出を手がけ、兄役は高橋一生さん、僕は弟役でした。

「白井さんは体育教師のよう。怖かった」と振り返る瀬戸さん(西孝高撮影)
「白井さんは体育教師のよう。怖かった」と振り返る瀬戸さん(西孝高撮影)

 それまで白井さんには「スーツを着こなすスマートで優しそうな方」という印象を持っていました。が、いざ稽古が始まってみると、僕が一歩踏み出しただけで、「だめ」と一喝。半袖シャツとジャージー姿で全身真っ黒の白井さんは、体育教師のようで、竹刀を持っているかのように錯覚するほど怖かったです。

 「やめるか?」「もう帰れ!」――。怒られっぱなしでしたが、今でも頭の中に残っている言葉が「芝居だけど芝居するな」です。

だめ出しの嵐…痩せていった

 当時の僕はデビューしてからちょうど10年目を迎えた頃。セリフをきちんと覚えてその通り言うとか、一生懸命役を演じるとか、段取りにとらわれていた気がします。作品の特殊でカオス(混沌)な世界観や、兄弟の置かれた極限の状態が理解できていませんでした。

「人生において、白井さんほど怒ってくれた人はいません」
「人生において、白井さんほど怒ってくれた人はいません」

 だめ出しの嵐で、どうしたらいいのかわからないけど「やらせてください」とお願いして、なんとか食らいつく日々。振り返ると、作品の極限の状態と似ていたと思います。役を私生活まで引きずるタイプではなかったのですが、この作品の時だけは、自然と痩せていきました。

 徐々に怒られることは減っていった気はしますが、自分の手応えはあまりなくて。とにかく舞台に立つという一心で、公演をやり抜きました。

妥協せず、愛を持って向き合ってくれた

 周りからは「『マーキュリー・ファー』で変わったよね」と言われることが多いのですが、白井さんのお陰です。それ以降、白井さんとは一緒に仕事をしていないのですが、何度か舞台を見に来てくれて。「大きくなったね」と言ってもらえて、学校の先生に褒められた時のような感じでした。

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使い方
2386562 0 教育 2021/09/22 12:13:00 2021/09/22 20:56:54 俳優の瀬戸康史さん。東京都渋谷区で。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210922-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

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