コロナ禍 初の「WEB総文」…2020こうち31日開幕
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郷土芸能 千年のリズムと誇り
高知県立
同神楽は、1000年以上の歴史があり、町内で開かれる秋祭りでは、住民らが半日にわたって舞い続ける。同高では、1974年から部活動の一環で取り組んでおり、卒業後には保存会に加わり活躍するOBも多いという。
総文で生徒らが演じるのは、神がなくした宝剣を探し求める「山探し」。本来は1時間にわたる演目を、十数分にまとめた。例年なら4月から保存会のメンバーに指導を受けるが、今年は6月中旬から5回しか練習できなかった。
それでも、主役の神を演じた大野尚洋さん(2年)は「神楽には子どもの頃から親しんでおり、リズムが体に染みついている」と、自信たっぷり。父親も同じ部で活躍したという部長の
10年近く指導し、ウェブで公開する動画収録にも立ち会った保存会の西村

吹奏楽 生徒の手で本格的なパフォーマンス

東京都立杉並高吹奏楽部は、東京都吹奏楽コンクール金賞を10回以上受賞するなど、都内屈指の吹奏楽強豪校だ。
同校が総文で披露するのは「NEW SUGINAMI WORLD」。演出担当の3年生松川瑠奈さんと
部活再開後の練習期間は2週間ほどで、完璧な仕上がりとは言えない。それでも、何度も演奏した思い出深いホールで動画収録を終え、3年生部長の加地
「私たちは練習ができて、総文という本番があるだけよかった。演奏を見た人が、『楽しそうだな、また吹奏楽をやりたいな』と思ってくれたら」(加地さん)。
演劇 「小学26年生」通し「大人」考える

「このメンバーでは最後となる公演を楽しみにしていたので、仕方ないとは思うけれど高知に行けないのは悔しかった」。星陵高(静岡県)演劇部部長の小川香さん(3年)は話す。
今年1月に総文出場を決め、練習に励んできた。演目「日本の大人」は、30歳過ぎの大人なのに小学生という「小学26年生」の男と、学級代表を務め、妹の面倒も見るしっかり者の小学6年生の少年を中心に、「大人になるとはどういうことか」を考えさせる物語だ。
コロナの影響で一時練習ができなくなったが、6月に再開。大人と子どもの間で葛藤する少年役の佐々木琉聖さん(3年)は、「一人で口上を述べるシーンで試行錯誤した。その時々で、自分の感情をのせて演じてみた」と振り返る。2年生ながら30歳代を演じる四條憲治さんは、「坊主頭にしたり、ひげを伸ばしてみたりして、外見から大人になってみた」と苦労したことを打ち明ける。
中学生も含めた部員38人が、小道具や衣装を手作りして臨む予定だったこうち総文。「ウェブ開催になっても、やることに変わりはないとがんばってきた」と小川さんは言う。ウェブ上で、自分たちの演技を多くの人に見てもらえるのを楽しみにしている。
まんが甲子園中止 ネットで「増刊号」

高知県で毎年開催されている「全国高等学校漫画選手権大会」(まんが甲子園)。今年は、「こうち総文」が開催されることから、総文のまんが部門として実施される予定だった。
しかし、新型コロナ感染拡大で、まんが甲子園の中止が決定。代替企画の一つとして、8月2日午前10時からインターネット上で「まんが甲子園 増刊号」が生配信され、高校生などから寄せられた作品や、プロの漫画家のメッセージなどが紹介される。「WEB SOUBUN」のサイトでは、歴代作品の画像などが公開されるという。
同部門の生徒代表委員で、高知県立
総合開会式 8月6日にライブ中継

大会はウェブ上での開催となったが、総合開会式は8月6日に高知市文化プラザで行い、その模様をライブ中継する。
開会式は、式典と次の開催地である和歌山県との交流、オリジナルミュージカルの3部構成。開催県が担当するミュージカルのタイトルは、「生きとし生けるものの歌を……
生徒たちは、今年2月に練習を休止し、6月に再開。休止中も、毎週ウェブ会議システムを使って脚本の読み合わせを行ってきたという。主役を演じる野川愛梨さん(土佐女子高1年)は、「全力で演じるので、たくさんの人に見てもらいたい」と話している。
写真
写真部門には、47都道府県から計309点の応募があった。受賞作30点のうち、上位5点を紹介する。





10月31日まで「わくわくドキドキできる大会に」

高知県内の高校生で作る生徒実行委員会は、「WEB SOUBUN」に向け、「おもてなし」など六つの業務別委員会に分かれて準備を進めてきた。
国際交流委員会では、来日できなくなったオーストラリア、シンガポール、韓国の高校からメッセージを寄せてもらったほか、高知城で動画を撮影し、ウェブページの英語や韓国語への翻訳に挑戦。パレード委員会は、パレードコースとなる予定だった地元商店街などで動画を撮影し、ウェブ上で紹介する。
総合開会式冒頭の構成劇では、実行委員5人が、生徒の思いを伝える。副委員長の植田ちひろさん(土佐女子高3年)と西川朋華さん(春野高3年)は、「こういう時期だからこそ、『わくわくドキドキできる大会』にしたい」と力強く話した。
主催=文化庁、公益社団法人全国高等学校文化連盟、高知県など
特別後援=読売新聞社など


未来へつながると確信 大会会長・五日市健

第44回全国高等学校総合文化祭「2020こうち総文」が開催されます。ご尽力いただきました高知県実行委員会、生徒実行委員会、そして高知県高文連をはじめ関係各位に心から感謝申し上げます。
こうち総文は、19の規定部門及び4つの協賛部門の計23部門で、芸術・文化活動の成果を、ウェブ上で発表する形で開催されます。
通常開催ができず残念ですが、困難に負けず、新しい時代を切り開こうとする高校生の皆さんの力強いエネルギーは、今回もしっかり花開き、未来に受け継がれていくものと強く確信しています。
皆さんのご活躍と大会の成功を祈念いたします。