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端末操作に夢中「やめられない」、子供の健康不安…[デジタル教科書を問う]中間まとめ案<中>

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 デジタル教科書は家庭でも使うことが想定される。保護者らの間に、子供の健康への不安が広がっている。

 長野県内の教員や医師らのグループ「子どもとメディア信州」の伴美佐子事務局長(57)は今月12日、小諸市立坂の上小学校で4年生の親子を前に講演し、端末の過剰な使用に注意を促した。

 グループや県教委が昨夏行った調査では、県内で平日に端末を3時間以上使う中学生は25%、小学生は15%に上り、約半数は「夢中になるとやめられない」と答えた。深夜までゲームや動画視聴に興じる児童らもいたという。

 子供が端末を長時間使うと視力や学力の低下、生活リズムの乱れを招きかねない。伴事務局長は、小中学生に1人1台の端末を配備する政府の「GIGAスクール構想」に触れ、「家庭での使いすぎにはブレーキをかけて」と訴えた。参加した30歳代の母親は「家で子供の利用時間を管理するのは難しい」と漏らした。

      ◇

川島隆太・東北大教授
川島隆太・東北大教授

 文部科学省の中間まとめ案では、デジタル教科書で子供に最適な学習を提供し、対話的で深い学びの実現も期待される、と位置づける。だが、脳科学者の川島隆太・東北大教授(61)は「子供の脳や学力に良い影響を与える、という科学的根拠はない」と言い切る。

 川島教授は仙台市で2008年から、端末の利用が小中学生の学力や脳に及ぼす影響を研究している。結果は、端末を平日に1時間以上使う子供の学力は極端に低かった。端末の利用時間が長いと脳の発達が阻害され、認知機能が落ちるためでは、とみている。

 川島教授は「動画や音声で受動的に情報を得るよりも、本を読む時の方が、情報を処理する脳の領域は活発に働く」と指摘し、「スマホなどが普及する中、紙の教科書は能動的な学習の訓練になっていたが、デジタル化でその機会が失われてしまう」と懸念する。

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喜名朝博・全国連合小学校長会会長
喜名朝博・全国連合小学校長会会長

 全国連合小学校長会の喜名朝博会長(60)は、GIGA構想で「授業の活性化や学校事務の効率化が期待される」と歓迎する一方、端末配備を機に教科書を全面デジタル化すべきだ、とする意見には「違和感がある」という。

 子供はデジタル教科書に興味を引きつけられるが、「その分、子供たちは集中すると目を近づけてしまう。視力や姿勢が悪化しないか」と心配する。

 新年度からは国の実証事業が始まる。喜名会長は「紙とデジタルをどう使うと学習効果が高いのか、国は慎重に検証して、科学的な根拠とともに現場へ伝えてほしい」と求めた。

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1866072 0 ニュース 2021/02/25 05:00:00 2021/02/25 05:08:15 2021/02/25 05:08:15 高齢期に体力と認知機能を保つ方法について語る、脳科学者の川島隆太さん。仙台市青葉区で。2020年10月8日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210225-OYT1I50022-T.jpg?type=thumbnail

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