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「やっとスーツ着られる」「実感湧きそう」…コロナで昨春中止、1年遅れで大学入学式

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年春の入学式が中止となった現在の大学1年生向けに今春、1年遅れの入学式を計画する大学が相次いでいる。キャンパスの閉鎖や遠隔授業と、異例ずくめだった学生生活を再スタートさせる機会としてもらう目的だ。(江原桂都、岡本裕輔)

 上智大(東京)1年の男性(19)は「1年前に作ったスーツをやっと着られる。大学生活が始まった実感が湧きそう」と声を弾ませた。

 上智大は3月29~31日、現1年生向けの「入学式」を6回に分けて実施する。参加申し込みが想定を大きく上回ったため、当初の予定から2回増やした。大学は昨秋以降、1年生向けのサークル勧誘イベントも開いてきたが、都内の下宿先を解約して地元に戻った学生らは参加できなかった。

 男性も、大阪市内の実家で遠隔授業を受けてきた。入学後、キャンパスに行くのは初めてといい、「ネットでしかつながっていない友人に会えるのも楽しみ」と期待している。

 「キャンパスの桜の木の下で、写真を撮る機会を作ってあげたい」とするのは、3月31日に現1年生向け入学式を予定する成蹊大(同)の担当者。例年、「入学式」の看板は正門と会場となる体育館前の2か所に設置してきたが、今回は「密」を避けるため約10か所に置く。担当者は「保護者から『涙が出るほどうれしく、1年間の胸のつかえが取れた感じ』など、歓迎の声が寄せられている」と話す。

 京都大や名古屋大、北海道大なども、4月に現1年生向けの入学式を行う。

■乏しい充実感

 1年遅れの入学式企画が相次ぐ背景には、思い描いた大学生活を送れていない現1年生の心理状態に対する配慮がある。

 全国大学生活協同組合連合会が昨年10~11月、学生約1万1000人に行った調査では、大学生活が「充実している」との回答は前年比15ポイント減の74%だった。減少幅は学年が下がるにつれて大きく、1年生では同33ポイント減の57%。授業形態別では、対面・遠隔のどちらでも「充実」と答えた2~4年生は70%を超えたが、「遠隔のみ」の1年生は42%にとどまった。サークルに所属していると答えた1年生は同34ポイント減の49%で、「友だちができない・いない」と悩む1年生は同20ポイント増の35%に上った。

 明治大(同)は4月7日、日本武道館で新入生と現1年生の合同入学式を開く。式典は計3回行い、各回の参列者を5000人以下に抑える。千田亮吉副学長は「今の1年生が抱く不満や不安を解消し、入学式を明大生としての自覚と誇りを抱いて再出発する機会にできれば」と語る。

■「新歓」も

 昨春は、多くの大学がサークル勧誘イベントを控え、新入生の加入低迷やキャンパス閉鎖で存続が困難になったサークルも相次いだ。

 電気通信大(同)の新入生歓迎実行委員会は4月中旬、現1年生向けのサークル説明会を計画している。委員会の企画担当で2年生の女性(20)は「昨年は満足のいく歓迎会ができなかった。現1年生にも大学の魅力を伝え、新たな生活を始めるきっかけにしてほしい」と話していた。

 日本学生相談学会理事長の高石恭子・甲南大教授は「キャンパスライフは授業だけではない。大学に通うことで人やモノ、『知』との出会いがあり、新しい世界が開けるが、経験できないことが心の成長に与える影響は計り知れない。大学側は、学生一人ひとりに寄り添った対応をとることが大切だ」と指摘している。

積極的実施求める…文科省

 文部科学省は大学に、感染対策を行った上で積極的に卒業式や入学式を実施するよう求めている。今月4日の通知では「卒業式や入学式はかけがえのない行事」として、参加者の制限や会場の分散、短時間化などの対策例を示した。

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1908136 0 ニュース 2021/03/13 15:00:00 2021/03/13 15:40:56 2021/03/13 15:40:56 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210313-OYT1I50062-T.jpg?type=thumbnail

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