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愛知の教員、300キロ離れた香川に通って女児にわいせつ繰り返す…コロナで休校中

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 新型コロナウイルスの感染拡大により全国で休校措置が取られた昨年度、わいせつ・セクハラ事案で処分された公立校の教員は186人に上った。中には、緊急事態宣言下で不要不急の外出自粛が求められているにもかかわらず、約300キロも離れた場所へ足を運び、児童へのわいせつ行為を繰り返した教員も。各地の教育委員会は防止策の徹底を迫られている。(石井正博、波多江一郎)

香川にアパート

 今年2月、愛知県内の小学校教員だった男が強制わいせつなどの罪に問われ、香川県内で開かれた刑事裁判で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。

 愛知の教員がなぜ、香川で裁かれたのか。実はこの男は、昨年4月に愛知で教員として採用される前、香川県内の小学校で児童の勉強や生活をサポートする支援員として働いていた。

 判決などによると、男は香川での支援員時代に、女子児童を自宅アパートに呼び出し、体を触ったり、カメラで撮影したりするなどのわいせつ行為を繰り返していた。

 愛知で教員になった後も、男は女児と会うために香川県内のアパートの契約を続けた。昨春、全国で一斉休校となり、不要不急の外出自粛が呼びかけられていたが、男は5月上旬まで、愛知からたびたび香川のアパートに向かい、女児へのわいせつ行為を繰り返した。

 愛知県から香川県は、直線距離で約300キロ。往復には長時間を要するが、コロナ下での一斉休校の期間中だったため、学校関係者は不審な行動に気づくことができなかったという。

 男は昨年12月に愛知県教育委員会から懲戒免職処分を受けた。県教委の担当者は「採用試験を実施したのは2019年夏。その後、香川でわいせつ行為をするとは考えもしなかった。極めて遺憾だ」と声を落とした。

SNSでやりとり

 北九州市立中学校の男性教員は、女子生徒とSNSなどでやりとりを行い、わいせつな行為を複数回したとして、20年10月に懲戒免職となった。

 男性教員は、コロナ感染の広がりで休校となっていた4月から5月中旬の間も、女子生徒と連絡を取り、会うなどしていた。市教委の調べに対し、この教員は「生徒から学校生活の相談を受けるため、電話やLINEで連絡を取るうちに親密なやりとりをするようになった」などと説明した。

 この問題を受け、市教委が市立学校の教職員約6600人を対象に緊急調査を実施したところ、過去を含めて、事前に学校長の許可を得ずにSNSやメールで生徒らとの私的なやりとりを行った事例が99件確認されたという。学校長がそれらの教職員を口頭注意し、不必要なやりとりはやめるよう指導した。

 学校のコンプライアンスに詳しい日本女子大の坂田仰教授(教育制度論)は「いくら私的なSNS利用を禁じても、わずかでも悪用する教員がいる限り、被害はなくせない。教員への研修を徹底するとともに、児童生徒に対しても、SNSの危険性や、性犯罪への知識を深める教育の強化が必要だ」と話した。

新法成立 教委も対策…研修動画配信、「死角」点検

 わいせつ教員対策を巡っては、28日に新法「教員による児童生徒性暴力防止法」が成立した。各地の教育委員会も、わいせつ防止策に知恵を絞っている。

 千葉市ではコロナ下で集会などが開けないことから、昨年9月、全教職員向けに性暴力被害防止のための研修動画の配信を始めた。動画では、NPO法人「虹色のたね」の池畑博美理事長が、子供への性暴力が起きる構図や、子供から被害を告白された時の学校側の対応法などを語っている。

 ほかの教委でも、被害調査や、空き教室など学校内の「死角」となる場所の緊急点検などの取り組みが行われている。

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2087486 0 ニュース 2021/05/30 05:00:00 2021/05/30 18:22:05 2021/05/30 18:22:05 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210530-OYT1I50024-T.jpg?type=thumbnail

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