[18歳の1票]政治のコスト<2 予測する>高まる交付金依存度

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 政治活動を支える政党交付金は国民1人当たり250円を負担する仕組みになっていることを前回は学んだ。政治改革の一環として25年前に成立した政党助成法に基づくが、「政治とカネ」の問題はなくならない。より良い政治を実現するため、私たちに何ができるのだろう。

 

使い方や透明性に注目

 大阪市内のマンションの一室にある「政治資金センター」では、事務局の鈴木祐太さん(37)とアルバイトで大学3年の野津百音もねさん(21)がパソコンに向かっていた。総務省が昨年11月に発表した2017年分の政治資金収支報告書を、検索できるように電子化する作業は今がピークだ。「落ち着くのは6月か7月頃です」と鈴木さんは作業の手を止めずに言う。野津さんは「政治資金の情報を誰もが見られるようにすることで『政治とカネ』の問題を抑止できる」と期待する。

 同センターは弁護士や公認会計士らが16年に設立した公益財団法人だ。総務省や都道府県選管が発表する国会議員らの政治資金収支報告書をデータベース化し、インターネットで公開する。西松建設の違法献金事件をめぐる株主代表訴訟の和解条件に従い、同社から支払われた寄付金1000万円を活用している。理事の立岩陽一郎さん(51)は「悪い政治家を見つけるのではなく、政治資金の透明性を高め、より良い制度を作れればいい」と訴える。

■3分の1だった「目安」

 政党助成法が成立した1994年当時の国会審議では「過度に政党が公的助成に依存してはならない」という認識が与野党に共通していた。野党だった自民党議員も「政党の経費は自助努力がなきゃいかん」と主張している。過去の実績も検討し、依存度は「年間で3分の1」が一つの目安とされていた。

 現状はどうか。2017年分の政治資金収支報告書をみると、政党本部の収入に占める政党交付金の割合は42%だ。政党別で最も高いのは民進党(当時)の87%で、自由党84%が続く。自民党も68%に達している。国民の税金があてられている政党交付金の使い方には、より敏感になるべきだ。

■政党を映す鏡

 政治資金の使い方は、政党の体質や党運営のあり方を示す。政党交付金を巡ってはかつてこんな指摘があった。「公認決定、選挙資金の配分、選挙運動。党執行部は圧倒的な力を持つ」

 05年衆院選で当時の小泉首相(自民党総裁)が、自ら主張する郵政民営化方針に反対する議員を公認せず、対立候補の「刺客」を擁立したのは実例だろう。政党の分裂・再編の過程では、党支部解散直前に、政党交付金を、新たに設立した政治団体などに移していたことも判明している。

 こうした「使い方」の是非を見極めることは、支持する政党を決める際の参考になる。党のあり方を映す鏡でもある政治資金の透明性を、どれだけ確保しているのかも判断材料だ。(今月の担当・渡辺嘉久)

 

[Data]国政選で残高変動

 政党交付金を積み立てる「政党基金」の残高は2017年末で159億円だ。政党別では自民113億円に公明24億円などが続く。国政選の有無で変動し、07年は前年の148億円から119億円を取り崩した。07年は第1次安倍内閣のもとで参院選が行われ、自民は惨敗し民主が参院第1党となった。民主は64億円の基金全額、自民は前年の64億円から49億円を取り崩した。

 

[Check]

・「民主主義のコスト」はきちんと使われているか。

・政治資金は誰がどういう形で負担すべきだろう。

436591 1 新聞@スクール 2019/02/09 05:00:00 2019/02/08 21:04:40 2019/02/08 21:04:40 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190208-OYT8I50045-T.jpg?type=thumbnail

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