[教育ルネサンス]学校の日本語教育<6>

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 学校で日本語指導が必要な子供たちへの対応について、東京学芸大の斎藤ひろみ教授(日本語教育)と、NPO法人「みんなのおうち」の小林普子代表理事に聞いた。

 

教員の間で担当を明確に…斎藤ひろみさん 東京学芸大教授

 外国人児童生徒への対応は、学校の重要な教育課題の一つとして位置付けてほしい。今は対象の子がいなくても今後を見据え、全ての学校で担当教員を明確にしておくなど対応が必要だ。負担が増えるとは考えず、将来的に日本を支える有力な人材になると捉え、子供を育てるべきだ。

 日本語を教える時、母語の力も併せて考えることが重要だ。幼少期に来日した子はすぐに日本語で話すことができても、日本語や母語で物事を考える力が備わっているとは限らない。一見問題がなさそうでも低学年の時から手厚いサポートが必要だ。

 小学校高学年で来日した子は、母語で考える力や学習の基礎はできている。その子の力が発揮できるよう、教科の学習を通じて日本語を教えることも重要だ。

 日本語力の不足で、高校の中退率などが高いことも課題だ。高校受験のための知識のみを教えるのではなく、日本語を使って社会参画できるような力を育てるべきだ。

 学校では、日本語指導の担当教員を孤立させず、他の教員と情報共有できる機会を作ることが重要だ。地域のボランティアなど様々な人がかかわれる状態を作ることも大切だ。

 

日本語と母語 共に育てる…小林普子ひろこさん NPO法人「みんなのおうち」代表理事

 東京都新宿区で15年近く、外国とつながりのある子供を対象に日本語と教科指導を行う教室を運営している。子供たちとかかわる中で感じるのは、子供が学校と学校以外で見せる顔は違うということだ。

 学校で同級生や先生に嫌なことを言われた時、日本語が分からないふりをするという話を子供たちからよく聞く。日本語で十分に自分のことを説明できないので、これ以上嫌な思いをしないための手段なのだ。

 「どうせ自分は理解してもらえない」と思わせないためには、日本語教育をきっちり施せば問題が解決するわけではない。日本語教師という公的な資格を作り、発達段階に応じた指導ができる専門の人材を学校に配置することが重要だ。心の機微がくみ取れる教員が学校にいれば、こうした不満も減るのではないか。

 近年は、両親の国際結婚などで日本国籍を持つが、日本語ができない子供の増加が目立つ。日本で生まれた子供は支援から見落とされがちで、幼い頃に日本語教育を受ける機会がなく、親の母語も家庭内で使うだけなので貧弱なことが多い。どちらの習得も中途半端になると、思考力が身につかず学力が伸び悩む。日本語と共に母語を育てることも大切だ。
 

 ◇この連載は、渡辺光彦、小田倉陽平、金来ひろみが担当しました。次回は学童保育などについて取り上げる予定です。

434953 1 教育ルネサンス 2019/02/08 05:00:00 2019/02/07 22:43:33 2019/02/07 22:43:33 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190207-OYT8I50055-T.jpg?type=thumbnail

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