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自分の身を守るためには転校してもいい…斉藤さんの相談室<上>

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◇さいとう・しんじ 千葉県出身。2006年に「ジャングルポケット」結成。映画や舞台にも活動の場を広げる。8月25日にルミネtheよしもと(東京)でコントライブを開催。
◇さいとう・しんじ 千葉県出身。2006年に「ジャングルポケット」結成。映画や舞台にも活動の場を広げる。8月25日にルミネtheよしもと(東京)でコントライブを開催。

 新学期に不安を感じている子にとって、8月末は心身ともにしんどい時期です。小中学校時代に壮絶ないじめを受けたお笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二さん(37)が、読売新聞に寄せられた児童生徒の悩みに真剣に答えてくれました。3回にわたって掲載する「斉藤さんの相談室」。初回のテーマは「いじめ」です。

学校が怖いし嫌

 相談1 赤すいとう(関東地方・小学6年)

 3年生の頃からいじめを受けるようになりました。針で刺され、たたかれ、けられ……。徐々にエスカレートして、階段から落とされたことや、道路に押されて車にひかれそうになったこともあります。

 5年生になると「キモい」「死ね」「学校に来ないで」「給食を食べる権利はない」と言われました。僕を菌扱いして、他の人に僕の私物をなすりつけてギャーギャーわめいていたこともあります。マスクをして、人との距離を保っているお陰で今はいじめられることはないのですが、また始まるかと思うと学校が怖いし嫌です。どうしたらいいですか。

転校してもいい

 ◇回答

 君は全く悪くない。なのに、クラス全体から標的にされているという最悪の環境です。いじめるヤツは当たり前のように、普通の顔をして人を傷つけます。

 僕も小学生の時、給食をよそってもらえなかったり、彫刻刀で背中を刺されたりしました。僕の受けたいじめと似ていて犯罪に当たるものもあり、胸が締め付けられました。お母さんと一緒に投稿してくれたようなので、親子で悩みを深め、この状況の打開策がわからなくなっているのかなと想像しています。

 学校や先生は何をしているのだろうと思います。この状況が中学校まで続いてしまうことが僕には怖い。大事な君の命が危険にさらされている状況であり、自分の身を守るためには転校してもいいと思います。環境を変えて、土台から人間関係を作るのは大変だと思うかもしれないけれど、何かあってからでは遅い。

 僕は高校で友達が一新されて、やっと学校が楽しくなり、見える景色が明るくなった。新しい出会いが、君が君らしく生きられる第一歩になると僕は思います。

乗り越えるには?

 相談2 匿名希望(関東地方・高校1年男子)

 現在、クラスでいじめを受けています。体育で運動ができないことをバカにされ、他の授業でも誇張した私のまねをされます。これまで何度もいじめを受け、心の傷が癒えません。どうしたら良いでしょうか。斉藤さんは、いじめ体験をどのように乗り越えましたか。

理想の未来を思う

 ◇回答

 僕は、まだ過去のいじめを乗り越えていません。自分を押し殺してきた時間が長すぎたので、克服したという感覚もありません。

 忘れようと思っても無理です。親に相談すれば良かったといまだに後悔する時もあるし、心の傷も癒えていない。だから、僕も君とそんなに変わらない。

 僕は大人に悩みを打ち明けられなかったけれど、君は相談を寄せてくれ、自分で状況を変えようと前向きに行動している。その勇気があるのだから、自信を持ってほしい。

 僕は高校からいじめを受けなくなりましたが、君は高1でつらい目にあっている。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの子がストレスを抱える中、その鬱憤うっぷんをぶつける標的になっている可能性もあります。

 僕は中学の時に見た演劇に衝撃を受けて、芝居を見ることが息抜きになりました。役者になりきり、僕じゃない自分を想像の世界で演じる。いじめるヤツらに仕返しし、人生が逆転して幸せな自分の物語を描いてみる。自然と笑えてきて、つらさが少し軽くなりました。理想の未来を思い描いてみてください。

 君は何をやっている時が楽しいですか? 「好きな何か」に没頭すると、周りのことを気にする暇もなくなってきます。何かに情熱を傾けると自信も出てきます。そこで世界が広がると、気の合う新しい仲間も見つかるかもしれませんよ。

 ◆ジャンポケ斉藤さんの3か条のアドバイス

 1、いじめられている君は100%悪くない。自分を一番大切にしよう。

 2、助けを求めることに遠慮はいらない。信頼できる大人への相談が君の身を守る第一歩。

 3、環境を変えるのは逃げではない。新しい出会いは君を変えてくれる。

学校の対応例募集

 今回の相談室で、斉藤さんは「先生を頼りたい子供はたくさんいます。どうか子供たちを助けてあげてください」と話していました。そこで、いじめなどへの学校や教員の対応事例を募集します。

 ◆募集:〈1〉学校名(住所)〈2〉氏名(担任や役職も)〈3〉連絡可能な電話やメール〈4〉「斉藤さんの相談室」の感想〈5〉いじめや不登校、問題行動などへの対応――を明記。

 ◆送り先:左下の「◎ご意見は」にある教育部まで、手紙やファクス、メールで。締め切りは9月10日(消印有効)。

 ※紹介時には事前にご連絡します。

学校は状況把握 積極的に…教育評論家 尾木直樹さん

 いじめは人権侵害で、人間の尊厳を著しく傷つける行為です。「いじめ防止対策推進法」は、悪意や攻撃性を問わず、本人が心身への苦痛を感じたものはいじめと定義しています。

 けれども、国や学校が策定したいじめ防止の基本方針を理解していない教員も少なくない。いじめに対して組織的な対応が必要なのに、担任が問題を軽視して報告すらしない例は後を絶たない。学校の動きが鈍く、状況が改善しないなら、転校も一つの有効な手段です。

 新型コロナウイルスの影響で、現在の学校では教員は感染症対策や授業に精いっぱい。子供たちの顔もマスクで隠れており、表情の変化にも気付きにくい。SNSで陰湿ないじめが繰り返されている恐れもある。

 学校は積極的に、一人ひとりの状況の把握に努め、心配や不安を聞き取るアンケートを毎週とったり、個別面談をしたりすることも必要ですよ。家庭では、親が「今日どうだった?」などと子供が安心して自由に発言できるように質問するなど、コミュニケーションをしっかり取ってください。

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1421011 0 特集など 2020/08/20 05:00:00 2020/08/22 00:09:40 8月20日から22日朝刊、教育面、「斉藤さんの相談室」ジャングルポケットの斉藤慎二さん(11日、東京都千代田区の読売新聞東京本社で)=青木久雄撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200819-OYT1I50051-T.jpg?type=thumbnail

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