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生駒里奈さん、いじめの記憶と感情消した過去 乃木坂時代の中傷乗り越え…STOP自殺 #しんどい君へ

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 新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、今年は学校が休校し、始業は遅れ、学校行事も延期や中止になり、多くの学校で夏休みが大幅に短縮される。未成年者の自殺者も3年連続で増えるなか、身の回りの変化に翻弄(ほんろう)され、しんどい思いを抱える「君」に、悩み、傷つき、苦しんだ著名人たちがメッセージを送る。

#しんどい君へ…元乃木坂46、女優 生駒里奈さん(24)

生駒里奈さん

 地元の秋田県の小学校に通っていた5年生の時、仲の良かったグループの友人たちに突然、無視されるようになりました。昨日まで普通に話していたのに、朝、「おはよう」と声を掛けたら、急にコソコソ話し出して。その日から友達がいなくなり、独りぼっちで過ごすようになりました。

 登校すると、私のロッカーの荷物が床に散乱していたことも2回ありました。クラスメートの横を通るだけで「何なの?」と言われ、私は「何も感じない、何も聞こえない」と考えて感情を消しました。

 他にもいじめはあったと思います。でも、詳しいことは覚えていないんです。小学校時代の思い出を自分で抹消しているんだと思います。

 学校に行きたくないけど、母を悲しませたくないという思いで登校していました。休み時間になった瞬間、図書室へ走り、ファンタジー小説や図鑑などを読んで本の世界に没頭することが自分を守るすべでした。

 中学校では2人の親友ができ、好きな漫画の話もできるようになったけれど、高校進学で別々に。高校は明るくて元気な子たちを中心にクラスの物事が進み、地味だった私は居づらさを感じ、授業が終わるとすぐに帰宅していました。

心ない言葉、世間のすべてじゃない

 高校1年の時、父に勧められて乃木坂46の1期生のオーディションを受けました。元々ダンスが好きで小3から習っていて、「合格して上京すれば、この学校に行かなくて済む」という気持ちもありました。

 合格し、翌年のデビューからセンターを務めました。ただ、ネット上には「センターに似合わない」「ブス」「下手くそ」など、心ない書き込みもありました。

 見なければいいのに、気になって検索する度、言葉が胸に突き刺さる。ネットは誰が書き込んでいるか分からず、私が何をしても誹謗(ひぼう)中傷は消えない。「これだったら、無視されるほうが楽だ」とも思いました。目立ちたくてアイドルになったわけではないのに、センターとしての責任やそうした言葉が一気に降りかかってきて、身も心もボロボロでした。

 今もそうした書き込みがなくなったわけではありません。でも、傷つかなくなりました。私には親やスタッフさん、支えて守ってくれる人がいる。心ない言葉が世間の全てではないと分かったからです。

一歩引いて自分の感情を見つめる

 新型コロナウイルスの感染拡大で学校では休校が続き、社会も大きく変わりました。私も仕事がキャンセルになり、家で過ごしていると「このままだったらどうしよう」と不安になりました。でも、不安で心や体調が悪くなる経験を散々してきたから、「そんなに考えても仕方がない」とたしなめる自分もいました。いじめられた経験から、一歩引いて自分の感情を客観的に見るようになったお陰だと思っています。

学校だけが居場所じゃない

 つらい思いに向き合って乗り越えなきゃ、と真面目に考える子ほど、死を考えるほど追い詰められているのかもしれません。でもだからこそ、逃げてほしい。自分の命を捨てても、いじめっ子にとっては何の意味もない。そんなもったいないことは絶対にしないでほしい。

 私は地元を離れ、乃木坂46に入って、一緒に頑張ろうと言ってくれる仲間に出会うことができました。違う環境や仕事であっても、そういう機会は誰にでもあります。学校だけが居場所じゃない。大人になれば10代の頃のつらかったことも「悩むほどじゃなかったな」と思える日が、きっと来るはずです。

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