スマイリーキクチさんが語る「ぼくが自殺しなかったわけ」[#しんどい君へ]

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 「自殺シーンのある映画やドラマを見て若者がどう感じるのか。自殺しようと思うか、思わないのかは、若者の情報リテラシーにもかかわってくることだと思います」。インターネット上で、殺人事件に関与したかのような事実無根の中傷を受けた体験を持つお笑いタレントのスマイリーキクチさん(48)は、WHOが映画やテレビ制作者向けにまとめた「自殺予防の指針」について、自身の体験に照らして、率直な感想を語った。

ネットで中傷受けた経験、中高生に講演

自身の体験をもとに、WHOの「指針」について語るスマイリーキクチさん
自身の体験をもとに、WHOの「指針」について語るスマイリーキクチさん

 スマイリーさんは、1989年に女子高生コンクリート詰め殺人事件が発覚した東京都足立区出身。そのため、99年頃からネット上では事件に関わったかのような事実無根の中傷を受けた経験を持つ。

 近年はSNSを使ったネット上のいじめ、中傷が増えていることから、全国の中学や高校などからの講演依頼が多い。年間計約70件もの講演活動を行い、いかにネット中傷に対処するべきかを語りかけている。

 各地での講演後、生徒からは「スマイリーさんはどうして自殺しなかったのですか」という質問が届くことがあるという。そのたびに、スマイリーさんは「今の若者にとって、死というものが身近にあるのだな」と恐ろしくなるという。

 中学生や高校生は、学校という狭いコミュニティーで特定の人からいじめを受ける。スマイリーさんへの中傷は、不特定多数の人からだったため、そういう点では異なる部分もある。

「情報をどう受け止めるか」が大切

 2年前、スマイリーさんは高校生を対象に、動画配信サービス「ネットフリックス」の配信したドラマ「13の理由」を題材にして特別授業を行った。このドラマはいじめや自殺について取り上げており、米国ではこのドラマの影響で若者の自殺が増えたということを後になって知った。

 今回、WHOは映画やドラマでの自殺シーンの描写を避けることなどを「自殺予防の指針」としてまとめた。近年、若者の自殺の多さは世界的な問題にもなっており、感受性の高い若者が、映画やドラマなどでの自殺シーンや自殺に至るまでの描写に影響され、自殺しないようにとの考えからだ。

 この指針に強制力はないが、映画やドラマの「表現の自由」まで侵害されるのではないかという声も、映画関係者からは上がっている。

 スマイリーさんは、「指針については、賛成とか反対の立場ではないが、指針よりも大切なものがある。情報の受け手側が、それをどう感じ、どう役立てるのか、役立てないのかを考える『リテラシー』を育てることだ」と指摘する。

 そのうえで、「仮に自殺を描く場合には、残された家族や恋人、友人がどれだけ苦しみ、良心の呵責(かしゃく)を感じるのかということまで描いてほしい。僕自身がネット中傷を受けたときに、自殺をしなかったのは、僕以上に苦しむ人がいると思ったからだから」と話している。

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1065195 0 WHO指針を考える 2020/02/22 09:58:00 2020/02/27 10:22:02 キャプション別送り https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200218-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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