豊かな心の女性育む…人間性磨く土曜通年講座

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100年以上の伝統を有する校舎
100年以上の伝統を有する校舎

 文教地区、白山で100年以上にわたり女子教育に徹してきた京華女子中学・高等学校(東京都文京区)。創立当時に掲げた「賢い母を育てる」という建学の精神は、「深い知識と豊かな心を育む」という同学の新たなスローガンの土台として脈々と受け継がれている。

偉人研究、自分史、筝曲やハンドベル…「EHD」講座、全国から視察

プロ講師指導による日舞の練習
プロ講師指導による日舞の練習
京華祭に向けてダンスの練習
京華祭に向けてダンスの練習
京華祭で英語の歌を披露する
京華祭で英語の歌を披露する
伝統文化の筝曲は必須科目
伝統文化の筝曲は必須科目

 「本校では、家庭を支える母、あるいは社会で活躍する女性の育成のために、豊かな心を育む教育に力を入れています。その一環として取り組んでいるのがEHD(Education for Human Development)です。具体的にはEHD講座を全生徒が受講。1年生は生徒それぞれが興味を持ったテーマ、2・3年生は決められたテーマに沿って研究を進め、発表します。これに加えて箏曲(そうきょく)や茶道、ダンスやハンドベルなどを通じて人間性を養う総合ゼミなどを行っています」と説明するのは、谷口貴子教諭。

 人間性を磨くことを教育目標に掲げるケースはよく見聞きするが、単なるお題目になっているところも少なくない。その点、同校では毎週土曜日をEHDの日と定め、通年でEHD講座を開講、また総合ゼミには外部講師を招致するなど熱の入った取り組みになっており、全国の教育機関が視察に訪れるという。

大人顔負けのプレゼン、全校生徒の前で弁論大会

 中学1年次のEHD講座では、夏休み前にそれぞれ興味のある研究テーマを決める。その題材は、野口英世やジョン万次郎といった偉人研究もあれば、自らの生い立ちを振り返る自分史など、まさに十人十色という。

 「自分なりのテーマ決めをさせているのは、まずは自分が興味を持てることを見つけてもらうためです。その知りたいと思った事柄についてインターネットや新聞で調べて、みんなの前で発表する。この一連の学習が、自分の考えを整理して的確に相手に伝える力を養ってくれるのです」(谷口教諭)

 2・3年次になると「高齢化社会」や「私の宝物」「女性としてどう生きるか」などの与えられたテーマに沿って研究を行い、全校生徒の前で生徒同士が意見を交換する弁論大会を行うという。1年次とは違って共通のテーマだけに、切り口の工夫や、より説得力のあるまとめ方が求められるという。

 「統計を引用したり、自分の意見だけでなく大人の意見を盛り込んだり、切磋琢磨(せっさたくま)することで学年が上がるとレジュメもレベルアップしています。中には、聞き取りやすいよう話し方に強弱をつけるなど、大人顔負けのプレゼンテーションをする生徒もいます。こうした工夫を考えることや大勢の前で発表することが、社会に出てからきっと役に立つものと期待しています」(谷口教諭)

ダンスで養う積極性、茶道で学ぶ「おもてなし」…総合ゼミ

EHD教育について話す生徒たち
EHD教育について話す生徒たち

 EHD教育の一環である総合ゼミは、2・3年次合同の体験教育で毎週土曜日に開講。体験できるのは、茶道、華道、日本舞踊、箏曲やダンス、ハンドベルなどで、生徒は自分の好きなものを選択。4月からスタートし、10月の京華祭で成果を披露するという。中学3年次にダンスを選択した高校1年の渡辺百香さんは、ダンスを通じて様々なことを学んだと振り返る。

 「引っ込み思案で恥ずかしがり屋だった性格が、大勢の人の前で自分を表現するダンスを習ったことで、明るく積極的になれたと思います。それにダンスは周りの人の動きに合わせなくてはいけないので協調性も養われました」

 また、茶道を習った中学3年の小椋瑞瑳さんは礼儀の大切さを知ったと話す。

 「きれいに見えるお箸の持ち方や畳のへりを踏んではいけないことなど、女性として欠かせない礼儀作法を教わりました。日本文化に根付く所作は、おもてなしの精神に満ちていることを知ったのも大きいですね。例えば、お盆に並べられたお菓子を取る順番は、次の人が取りやすいような順番になっていることなど、その理由を知ることで、礼儀は相手を思いやる気持ちが大切なんだと気づきました」

 こうした成長を遂げられたのは、先生のきめ細かい指導のおかげだと生徒は口をそろえる。

「先生にだったら打ち明けられる」…EHD教育の効果

谷口貴子教諭
谷口貴子教諭

 「私は本学に来る前は公立の学校で教えていました。赴任してきて、驚いたのは生徒と先生の距離の近さです。ここの先生方は、こんなにも生徒と保護者と話し合うのかとカルチャーショックを受けたことを覚えています」(谷口教諭)

 それを物語るのが、休み時間や放課後の職員室である。次々と生徒がやってきては教師と言葉を交わしているのだ。悩み相談もあれば、世間話もあるという。

 「親や友達にも言えない悩みでも、先生にだったら打ち明けられます。相談したら本当に親身になって話を聞いてくれますし、この学校の先生たちが大好きです」(高校1年・小池美希さん)

 生徒と教師がこれほどまでに信頼関係を築いている学校は珍しく、心を育むEHDプログラムが効果を発揮している何よりの証しといえよう。

 (文と写真:葛西由恵)

 京華女子中学・高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

404308 0 京華女子中学・高等学校 2014/11/12 13:18:00 2014/11/12 13:18:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20141112-OYT8I50052-T.jpg?type=thumbnail

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