「探究女子」を育てる独自の英語教育

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授業は日本人とネイティブの2人体制
授業は日本人とネイティブの2人体制

 トキワ松学園中学校高等学校(東京都目黒区)が力を入れる英語教育が「LS」と「GS」だ。英語を聞いて、話し、さらに世界の諸問題について考える英語教育とは――。英語科教諭の木村純子先生に話を聞いた。

防音教室内で聞いて話す英語…中学3年間の「LS」授業

 「LSとはListening&Speakingの略で、“聞く”と“話す”に特化している授業です」と木村教諭。教室で教科書を使って“読み書き”を学び、そこで学んだことをLSの授業で定着させる。いわば座学で頭に入れた内容を、アウトプットする場がLSの授業なのだ。このLSの授業は中学の3年間のみで、週2時間で、防音構造のイングリッシュルームで行われる。教員からの指示はもちろん、質問も回答も全て英語とあって、中1の終わりには、どの生徒も英語で発表できるようになる。

伝えたい言葉、生徒たちが探して共有

 英語でコミュニケーションをとることも段階的に学んでいく。

 「まずテーマを決めて、賛成か反対かと、その理由を言ってみます」(木村教諭)。最初は「犬が好き、嫌い?」といったことから始め、「学校に制服があった方がいいか」といった内容にまで話題は広がる。

 生徒がつまずくのは、語彙(ごい)だ。「自分の意見を人に伝えたいと思えば、手持ちの言葉だけでは足りなくなる時が必ず来ます」。そんな時、同校では生徒自らに必要な語彙を探させる。生徒たちから出てきた言葉をクラスで共有するために、プリントを刷る。「プリントに自分が探した言葉があれば生徒は喜びますし、その単語は一生忘れないでしょう」

ネイティブと日本人教員タッグ…LS教材はすべてオリジナル

 「生徒自らに語彙を探させる」というアイデアは、教員の中から出てきた。そもそも、LSの教材は、すべて同校の教員が考えたオリジナル。「独自の教材は使い回すのではなく、毎年、改良していきます」。LS授業はネイティブと日本人の教員の2人体制だ。週に1回、2人でのミーティングの時間を設け、授業内容に磨きをかける。

 専任として勤めるネイティブ教員については、「異文化からの視点がありながら、全ての学校行事に参加し、“こういう生徒を育てたいんだ”という教育方針も共有できています」と木村教諭。生徒も「身近にネイティブの先生がいるのが、うちの学校の良いところ」と言う。

世界の大枠を英語で理解…「GS」授業で広がる目

金谷三枝子校長
金谷三枝子校長
市販もされているGSのトキワ松オリジナルテキスト
市販もされているGSのトキワ松オリジナルテキスト

 現在の同学園の大きな目標は、「探究女子」の育成だ。グローバルな視野と知的好奇心を持ち、クリエティブな解決方法を生み出す女性こそが、トキワ松学園の考える「探究女子」。探究女子を育む象徴のような授業が、高校から始まるGSの授業だ。GSとは、“Global Studies”の略で、英語を使って世界の諸問題とその背景を学ぶ。

 なぜ、世界を英語で学ぶのだろう。「世界の大枠をとらえるのには、5W1Hの英語で習った方が、頭に入りやすいんです」と、金谷三枝子校長。植民地問題の授業に参加したところ、英語で世界を学ぶことが理にかなっていることが体感できた。

「女性こそ学ばなければならない」…2016年に創立100年

 GSの授業は、生徒たちにどんな影響を与えているのだろうか。

 「例えばカカオ農園の児童労働について学んだ生徒たちから『学園祭でフェアトレードのチョコレートを売りたい』という声があがったこともありました」と木村教諭。

 20年以上、同学園で教壇に立っているネイティブ教員のマリアン先生は言う。

 「世界の人たちと話すためには、単に英語が話せるのではダメ。世界についての理解と教養を深め、その上で自分の言葉を英語にできなければなりません」

 2016年に100周年を迎えるトキワ松学園。「女性こそ学ばなければならない」と唱えた創設者・三角(みすみ)錫子(すずこ)の意識の高さが、脈々と流れている。

 (文と写真:楢戸ひかる)

 トキワ松学園中学校高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

403868 0 トキワ松学園中学校高等学校 2014/07/31 13:03:00 2014/07/31 13:03:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20140731-OYT8I50067-T.jpg?type=thumbnail

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