“女子を伸ばす” 進学実績も急上昇…竹下校長

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独自の女子教育について語る竹下昌之校長
独自の女子教育について語る竹下昌之校長

 幼稚部から小学部、中・高等部、大学まで、学園共通のスローガンを「見つめる人になる。見つける人になる。」と設定し、これからの時代に必要とされる真の教養を身につけた女性の育成を目指す相模女子大学中学部・高等部(神奈川県相模原市)。高校の「特進コース」を目指す「特進準備クラス」を2009年、中学部に設置し、進学実績も着々と伸ばしてきた。その相模女子が取り組む独自の女子教育とは何か、竹下昌之校長に聞いた。

高校「特進コース」への内部進学可能に…進路の多様化に対応

校舎の外観
校舎の外観

 1900年(明治33年)、西澤之助によって創立された日本女学校。その後、当時の女子にとって先進の教育機関として、我が国で4番目に位置づけられた帝国女子専門学校(1909年)を前身とする相模女子大学(1949年創立)は、学芸学部、人間社会学部、栄養科学部、また短期大学部を中心とした女子教育に力を入れてきた。しかし、女性の社会進出が進むにつれ、女子生徒たちの進路も多様化してきたという。

 「さまざまな大学・学部への進学を希望する生徒も増えてきました。そこで、生徒たちの進路を広げるために、高等部では国公立や難関私立大学を目指す『特進コース』を8年前にスタートしました」

 この「特進コース」は、基本的に高等部からの入学生が対象。中・高等部からは相模女子大もしくはGMARCHなどへの進学を目指す「進学コース」へ進むのが通常だった。そこで、中3の段階で上位の大学を目指したい生徒を対象に、2009年に「特進準備クラス」を設置。高等部の学習を先取りするなど、特進コースへの準備期間となっている。

 これらの取り組みにより、進学実績も飛躍的に向上。国公立・難関私大をはじめとする他大学の進学者数は24年度の87人から、25年度は112人、26年度は144人と着実に伸びてきている。

女子が伸びるキーワード「みんなで取り組む」

オーストラリア海外研修で文化交流
オーストラリア海外研修で文化交流

 こうした実績の裏には、特進クラスはもちろんだが、女性の特質を生かした同校ならではの女子教育の指導方法にあると竹下校長は話す。

 「男子は、突き放してもはい上がれる子が多い。勉強もゲーム感覚でやり、挑戦意欲を刺激することで伸びていきます。女子生徒は1人ではなく、みんなで頑張ることでお互いに切磋琢磨(せっさたくま)して力を伸ばしていくのが特徴ですね。また繰り返しやるドリル方式や、ほめることで安心感を与える指導法が効果的なようです」

 男女別に取り組む教育法は、最近の脳科学によって実証されているという。

「ヨーロッパなどでは男女を“差別”ではなく“区別”することで、それぞれの学習効果を高める研究がすでに進んでいます。本校でも今後ともその面での研究を深めていくつもりです」

全員がセンター試験を受験する理由は

 興味深いのは、AO入試や推薦入試で既に進学が決まった生徒を含む全員に、センター試験を受験させていること。基礎力を身につけ、自分の位置(順位)を自覚させるという目的以外に、“みんなで頑張る”という女子特有の心理を上手に活用しているケースの一つだ。

 「早く大学が決まってしまった子も、最後まで一緒に頑張ろうという心配りができる。また、これから受験という子たちも、みんなも一緒に頑張ってくれるから頑張ろう!という気持ちと安心感を持つ。それがお互いを思いやる心を育て、力を高め合う原動力にもなっていると思います」と竹下校長。

茶道、命の授業…女性としての感性を育む

茶道で「女性としての感性」を育成
茶道で「女性としての感性」を育成
書き初めは年初に全校生徒で一斉に行う
書き初めは年初に全校生徒で一斉に行う

 相模女子の女子教育の根幹は、創立者・西澤之助の「人が生まれて最初に出会う教育者は母親である!」という言葉に集約されている。

 「女性はみんな、母親になる可能性があります。母親がしっかりしていなければ、ちゃんとした人間は育てられません。だからこそ女性の人間教育はとても大切です。特に、小学校から中学受験をするお子さんの保護者は、学校選択で人間力の育成を重視されることが多いですね」

 そのために受験教育に特化せず、さまざまな情操教育に力を入れてきた。例えば、中1と高1で週に1回、「茶道の授業」が行われている。礼節を重んじる日本古来の文化を通して、言葉遣いや立ち居振る舞いを磨き、外から見える自分を見つめ直す。

 「茶道の言葉に、(しゅ)()()という言葉があります。守は基本をしっかり守ること。破はそこから発展させること。離はさらに新しい道をひらくという教えです。これは子育てにもつながること。今の親御さんにもわかってもらいたいですね」

 他にも、自分の誕生を知り、乳児に触れ合うことで女性としての自覚と命の大切さを学ぶ「命の授業」。中3全員が普通救命受講証の取得を目指す「心肺蘇生法講習会」。すべての生活の基本となる食育や、中1~3年生全員が体育館で一斉に行う書き初めなど、一人の女性として生きる上で大切な知識や感性を身につけるカリキュラムがとても充実している。

 将来、社会と関わり活躍していく女性。結婚し、母として子どもを育てていく女性。どんな未来を選んでも、これからの時代をたくましく、しなやかに生きていくための教育がここにはある。

 (文・写真:石井りえ、一部写真:相模女子大学中学部・高等部提供)

 相模女子大学中学部・高等部について、詳しく知りたい方はこちら

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404029 0 相模女子大学中学部・高等部 2014/09/18 12:44:00 2014/09/18 12:44:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20140918-OYT8I50047-T.jpg?type=thumbnail

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