めざせ!和食で大和撫子…相模女子

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 相模女子大学中学部・高等部(神奈川県相模原市)で2月25日、「めざせ!和食で大和撫子(やまとなでしこ)」と銘打った特別授業が行われた。中1生を対象に、同大教授らが和食の文化と技術を教える学園連携の「食育プログラム」だ。生徒たちの反応は上々で、同校は今後もこのプログラムを続ける考えだ。

総合学園ならではの厚い指導陣

「和食を通して食の大切さについて学ぶ」のレクチャー
「和食を通して食の大切さについて学ぶ」のレクチャー

 同校は、中高の6年間が、女性として体が大きく変化する時期であることを重視し、6年前から、一生の健康作りを目指した「食育」プログラムを導入。栄養と食文化の知識、調理技術を教えている。

 この日の特別授業もその一環だ。第一部「和食を通して食の大切さについて学ぶ」、第二部「実際の料理を使った和食の盛り付け方や配膳と食事」の2部構成で、中1生の全3クラス、75人が参加した。

 授業を担当したのは、相模女子大学管理栄養学科の教授や、中高の家庭科教諭、大学院生、大学生、高校3年生ら。幼稚園から大学院までを擁する総合学園のメリットを生かした手厚い指導陣だ。

 「最近、ユネスコの無形文化遺産に登録されて話題になった和食ですが、その特徴は四つあります」。第一部「和食を通して食の大切さについて学ぶ」では、管理栄養学科を卒業し、同大大学院(栄養科学研究科)にすすんだ院生が、スクリーンを使いながら中1生たちにレクチャーした。

 特徴の一つめは新鮮な食材・旬の素材の味わいを生かしていること。二つめは栄養のバランスが良く健康的であること。三つめは自然の美しさや四季の移ろいを表現していること。四つめは年中行事=五節句(七草の節句、桃の節句、端午の節句、七夕、菊の節句)と深く関わった構成になっていることだという。

普段は意識して考えたことのない和食のあり方について、生徒たちはスクリーンの映像に見入りながら、興味深く耳を傾けていた。

お箸の正しい使い方は難しい

「お箸の正しい持ち方・使い方」では高校生が実演をしてみせた
「お箸の正しい持ち方・使い方」では高校生が実演をしてみせた

 入れ替わりで教壇に立ったのは、管理栄養学科の大学4年生と管理栄養士を目指している高3生2人。「お箸の正しい持ち方・使い方」「和食の食器の配膳の仕方」について大学生が解説を行い、高校生が実演してみせた。

 「お箸の正しい持ち方・使い方」では、お箸の基本的な持ち方の説明があり、実演を見た後で、中1生たちが実際にお箸をにぎって動かしてみた。(1)上から1/3の所で持つ、(2)鉛筆を持つように、(3)箸を支えるように薬指を箸の下に通す、(4)動かすのは上の箸だけ、など細かなチェックポイントがあり、なかなか思うようには動かせない。

 中1生たちは、ぎこちない指の動きをチェックし合い、笑いのうちに正しい作法を学んだ。

 中高で家庭科を教える藤井亜希子教諭は、この授業について、「小学部から進学した生徒は、小3のときに『お箸マスターになろう』というプログラムを経験しています。今回のプログラムはそれをバージョンアップしたものなので、そのことを思い出していると思います」と語った。

 藤井教諭自身、同大の小学部に入って中・高と学び、同大食物学科(現健康栄養学科)に進んで栄養士と教諭の資格を取得。その後、同大大学院栄養科学研究科を修了した経歴を持っている。生え抜きの“相模女子”だけに、小・大、中・高・大など、現在進められている学園連携の効果に大きな期待を寄せており、「この生徒たちが中2になったときに小学生に教えるという流れを作りたいですね」と語った。

一汁三菜を正しく楽しくいただく

班ごとに分かれて実際の料理を盛り付けていく
班ごとに分かれて実際の料理を盛り付けていく

 第二部「実際の料理を使った和食の盛り付け方や配膳と食事」では、大学のスタッフたちが作ってくれた料理をみんなで味わった。

 「冬から春への目覚めの和献立」と題されたメニューは、旬の(さわら)を使ったゴマ味噌(みそ)焼きを主菜に、副菜が野菜の炊き合わせとホウレン草・シメジのおかかまぶし、お吸い物、白飯の一汁三菜だ。

 中1生たちは九つの班に分かれ、高3生から「どのお皿に何をどのように盛るか」「(わん)には何を入れるか」など説明を受けた後、テーブルの大皿に盛られてある料理を、取り箸を使って、皿や小鉢に取り分けた。長い取り箸を使ってきれいに盛り付けるには細かい神経を使う。作業に没頭する生徒たちの顔は神妙そのものだった。

 盛り付けが済むと、竹下昌之校長が、料理を用意してくれた大学スタッフへの感謝を込めて「今日は朝から周到に準備されたとのこと。ご苦労さまでした」とあいさつ。いよいよ生徒たちお待ちかねの会食だ。これももちろん、第一部で練習した「お箸の正しい持ち方・使い方」「和食の食器の配膳の仕方」の実践編という位置づけになっている。

和食の盛り付けが完成
和食の盛り付けが完成

 食事を終えた中1生に「お箸をうまく使えるようになった?」と尋ねると、「小学校の時にも学んだけれど、そのときより上手になったかな」「押さえておくべきところを押さえていれば、大和撫子になれそう」「家庭科でも習ったけど詳しく学べたのは良かった」など、弾む声が返ってきた。

 また、特別授業の感想を聞くと、「スクリーンを使った授業はわかりやすくて、すごく身に付いた」「和食のきれいな食べ方を日々の生活に生かしていきたい」「あやふやだったお箸の作法や和食の配膳を正しく学び直すことができた」といい、それぞれに収穫があったようだ。

食育の積み上げでQOL達成したい

管理栄養学科の吉岡有紀子教授
管理栄養学科の吉岡有紀子教授

 食育プログラムの中心的な担い手である管理栄養学科の吉岡有紀子教授は、特別授業について、「1回の食育で何か大きく変わるということはありませんが、継続的で体系的な食育の積み上げによって、最終的には、生徒たちが食を通してQOL(クオリティー・オブ・ライフ=その人がこれでいいと思えるような生活の質)を高めていくことを目指しています。その変化を数値的に評価し、この活動の良さをきちんと伝えたいと思います」と話した。

 今回の食育プログラムは、今後も学園連携を生かしながらブラッシュアップし、継続していく予定だ。

(文:松下宗生 写真:中学受験サポート担当)

196858 0 相模女子大学中学部・高等部 2017/04/26 05:40:00 2017/04/26 05:40:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20170425-OYT8I50000-T.jpg?type=thumbnail

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