進路につながる教師や友人との交流…日大豊山

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日本大学豊山中学校・高等学校(東京都文京区)は、将来の進路への意識を高めるキャリア教育として、社会人を招く講座や日大各学部の説明会などを行っている。それに加えて、生徒が進路を定める大きなきっかけとなっているのが、教師や友人との日常的な交流だ。推薦入学で一足早く進学先を決めた高校3年の2人に、日大豊山での6年間を振り返ってもらった。

多彩なキャリア教育で将来のイメージ描く

「社会人講座」で講師の話に耳を傾ける高1生たち
「社会人講座」で講師の話に耳を傾ける高1生たち
「教員と生徒の距離感が近い」と語る、高3学年主任の内山賢教諭
「教員と生徒の距離感が近い」と語る、高3学年主任の内山賢教諭

 日大豊山は、中高一貫の6年間を通して、大学進学から将来就く仕事までを見据えたキャリア教育プログラムを組んでいる。

 総合大学である日本大学の付属校としてのメリットを生かし、中3のときに各学部キャンパスを訪ねる「学部見学会」を行い、早い時期から大学進学を意識させている。さらに高2では、日大の計16の各学部の教授による「学部説明会」も開き、生徒たちに自分の学びたい専門分野のイメージを固めさせている。

 さらに、社会に出てからの進路を考える場として、各界の第一線で活躍する人たちを招くレクチャーも開催する。高1で各業界の人に仕事の話を聞くキャリア教育講義や、仕事への思いや体験談を語ってもらう「社会人講座」を開講している。

 こうした一連のキャリア教育に加えて、生徒たちが自分の将来の進路について、大切なきっかけやヒントを得ているのが、日々の学園生活の中での教師や友人たちとの交流だという。

 その背景について、高3の学年主任の内山賢教諭は「本校の教員は生徒との距離感が近い」と特有の校風を指摘する。さらに、「先生というより、たまたま人生を先に歩んでいる立場で、対等に近い目線で話します。親戚のおじさんのような感じですかね。生徒も勉強のことに限らず、気軽にいろいろな相談に来ます」と語る。

生き方諭す教師の言葉、友人の励ましで発奮も

 同校では、「特進クラス」を中心に国公立大や難関私立大の入試突破を目指す生徒がいる一方、付属校として日大の各学部への推薦入学や、各私大の指定校推薦などで、高3の秋ごろまでに進学先を決める生徒も少なくない。

 五十嵐泰起君もその一人で、日大文理学部社会福祉学科に推薦で進むことが決まっている。「将来は社会福祉士になりたい」という。

 五十嵐君が中2のとき、クラス担任だったのが内山教諭だった。「ホームルームなどで、先生は『人としてどう生きるか』という話をよくしてくれました」と五十嵐君は話す。なぜ学校に行くのか、感謝の心の大切さなどについて話を聞くうち、「人を助ける仕事に就き、社会の役に立ちたい」と思うようになったという。

 全国の日大付属高の生徒が受ける「基礎学力到達度テスト」で、五十嵐君は高1のとき9600人中9000番台と、成績は芳しくなかった。しかし、高3では2000番台に急上昇し、推薦を勝ち取ることができた。成績が好転したきっかけは、勉強を通した友人との交流だったという。

 五十嵐君は、高2の倫理・政経だけは得意だったそうだ。そこで、その科目が苦手な友人のため、放課後などに時間を割いて教えた。友人は感謝しながらも、「自分の勉強もしろよ」と逆に励ましてくれて、五十嵐君はその言葉がうれしくて「発奮しました」という。

 数学が特に苦手だったが、「担当の先生が親身になってサポートしてくれました。いつでも気軽に質問に行ける雰囲気も、とても助かりました」という。

 「社会の役に立ちたい」という思いは、高1で受講した同校のキャリア教育プログラム「社会人講座」でさらに強まった。招かれたフリーランスの写真家から、以前、貧しい国で子供たちに体育を教えていたという体験談を聞き、「自分も同じように」と憧れや共感を覚えたという。

 五十嵐君の父親が寺院の住職をしていることもあり、五十嵐君も大学で社会福祉学を学び、将来、仏教と福祉の橋渡しになるような仕事に就くことを思い描いている。クラス担任や親しい教師たちから、たくさんの励ましやアドバイスを受けた一方で、「グチもたくさん聞いてもらいました」と照れ笑いする。

 そして、「日大豊山で先生や友だちとの出会いがなければ、今の自分はありません」と五十嵐君は感謝を込め、この6年間を改めて振り返った。

部活と勉強両立、教師らと語り合った進学先

小杉君が所属した野球部は、都大会でベスト4に進んだ
小杉君が所属した野球部は、都大会でベスト4に進んだ

 もう一人、高校3年の小杉遼君は、指定校推薦で中央大学経済学部公共・環境経済学科に進む。

 小学生の時からの野球少年で、日大豊山でも中1から高3まで野球部に所属した。高2の秋の都大会では、参加約260校中ベスト4に進出するなど、充実した部活生活を送ってきた。

 「日大豊山の野球部は生徒の自由度が高く、監督やコーチの先生とも話しやすい雰囲気がありました」と話す。そして、「顧問の先生に礼儀やあいさつなどを厳しく教わったのが、自分の土台になっています」と中高6年間を振り返る。

 野球部と勉強の両立のため、中学から高校に内部進学するとき、「特進コース」ではなく、7時限目の授業がない「進学コース」を選択した。それでも「勉強は授業中と休み時間に完結させる」と決め、分からないところは積極的に質問に行った。小杉君のやる気に、教師も時間を割いて熱心に指導してくれたという。

 進学先を真剣に考え始めたのは高3の夏の部活引退後。警察官の父親の忙しい姿を見て育ったという小杉君は、「警察の人たちの負担を減らしたい」という思いから、「犯罪の少ない社会を、地域や企業、公的機関など組織のあり方からつくれないだろうか」と自分の進路をイメージした。クラス担任や内山教諭らと相談し、公共・環境経済学科のある中央大学の指定校推薦の道を選んだ。

 勉強に限らず、「学校で友だちや先生と話をするのが楽しかった。行事など特別な日よりも、日常が最高に好きでした」と小杉君は話す。

多くの個性との出会いが「大人になる練習」

 日大豊山の生徒数は中高6学年で2000人余り。その規模の大きさも、生徒の進路選びにプラスに作用していると、内山教諭は見る。

 「生徒も教員もさまざまなタイプがいるので、誰かと反りが合わなくても、理解してくれる相手を見つけられます。そうした環境が社会でさまざまな人と交流するための下地になる。大人になる練習ですね。結局、これが最大のキャリア教育ではないかと考えています」

 多くの個性が集まり、触れあう日大豊山での学び。そこで出会う教師や仲間たちと過ごす日々が、生徒たちの将来の夢につながっていく。

 (文・上田大朗 一部写真:日本大学豊山中学校・高等学校提供)

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416318 0 日本大学豊山中学校・高等学校 2019/01/31 05:20:00 2019/01/31 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190130-OYT8I50072-T.jpg?type=thumbnail

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