小論文の個人指導で生徒の夢をサポート…普連土

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 普連土学園中学校・高等学校(東京都港区)は、中学、高校の6年間で自分の考えを的確に表現する文章力を身に付けることを目標に、文章を書くことに特化した授業を行っている。大学受験を控える高校3年生には、生徒の志望校に合わせて小論文の個人指導を行うなど、積極的なサポートをして、高い評価を得ている。同校では国語科とは別に「論文科」を独立した教科として設置し、着実に成果を積み重ねている。ここでは、その具体的な取り組みを紹介する。

生徒一人一人の志望に寄り添う指導

卒業生の長谷川さん(左)と澤さん
卒業生の長谷川さん(左)と澤さん

 卒業生の長谷川佳穂さんは、高校3年生の時に小論文の個人指導を受け、慶応大学文学部に進学した。最初に指導を受けた時、「小論文の書き方が全然分かっていない」ことを痛感し、文章の構成を構想する段階から学び直した。

 個人指導は、週に1回のペースで担当の講師とやり取りし、添削を受けた。練習問題は、志望学部の入試に出そうなテーマを講師が考えて作ったものだ。テーマに関連する本やニュースの活用方法なども教わったことで、正確な基礎知識を蓄えたり、文章に深みを持たせるのに欠かせない頭の中の「引き出し」を増やしたりするのに役立った。また、大学で勉強したいと思っていた日本史を、担当講師も専攻していたため、大学生時代にどんなふうに勉強をしたかといった話もいろいろ聞くことができたという。

 「1年間の個人指導で最後に添削していただいたのは、自分が受験してきたばかりの実際の入試問題でした。その時に『1年間でずいぶん書けるようになったね』と言葉をかけてもらいました」と、長谷川さんはうれしそうに振り返る。

ときにはメンターとして個人と向き合う

「ほかの人が書いた文章を正しく修正できないうちは、自分でもいい文章は書けない」と話す真壁教諭
「ほかの人が書いた文章を正しく修正できないうちは、自分でもいい文章は書けない」と話す真壁教諭

 論文科主任の真壁秀典教諭によると、小論文の個人指導が始まったのは「推薦・AO入試対策と、進学希望者の多かった慶応大学の小論文対策のため」だったという。現在、高校3年生の個人指導にあたっているのは、約10人の専任講師陣だ。生徒それぞれの志望校に合わせた小論文の試験対策から、AO入試や医学部受験の際に欠かせない志望理由書の書き方などのアドバイスも行う。さまざまな経歴を持つ専任講師たちは指導経験が豊富で、ときには受験生のさまざまな相談に応じたり、助言をしたりする「メンター」としての役割も果たす。

 当初、国立大学を志望していた卒業生の澤茉莉さんは、担当講師に週1、2回のペースで課題文の読み方や要約の仕方なども含めて添削をしてもらった。ときには大学受験全般について相談に乗ってもらったり、国立大についての話を聞かせてもらったりもした。特に、集めた情報を分析し、考察を深め、論理的な文章にまとめ上げる力を身に付けたことは、最終的に進学した慶応大学文学部での研究にも役立っているという。澤さんは、「担当講師から幅広い指導を受けられたことが貴重でした」と話していた。

 卒業生の長谷川さんも「つらいと思った時期もありましたが、あの時に大きく成長できました」と振り返る個人指導は、生徒たちの心に深く刻み込まれている。講師陣は毎年、生徒たち一人一人が本来持っている力を伸ばし、自信を持って大学入試に臨めるようにして試験会場に送り出している。試験を受けた生徒たちはみんな「他校から来た受験生に『書き負ける』ことなく、結果を出して帰ってくる」という。

書く機会が豊富な学校生活

小論文コンクールの優秀作品は、コメントとともに作品集に掲載される
小論文コンクールの優秀作品は、コメントとともに作品集に掲載される

 学校生活では、普段から行事のたびに作文を提出するなど文章を書く機会が多い。文章を書くことについて学ぶのは、大学の受験準備期に限ったことではない。中学校の国語の授業では、主語・述語を整理し、短文をきちんと書けるようにするとともに、物事を批判的に考える手法を取り入れ、発想を掘り起こすことにも力を入れている。グループ学習の時間には、生徒同士で自分が書いた文章を互いに添削したり、より正確な表現を一緒に考えたりしている。「ほかの人が書いた文章を正しく修正できないうちは、自分でもいい文章を書けません。お互いの書いた文を読み、より読みやすく修正する作業は生徒たちにとって大きな刺激になります」と真壁教諭。

 高校生になると、1年生と2年生の時に全員参加の小論文コンクールが開かれ、優れたものは「優秀作品集」に掲載される。生徒たちは出題された課題について、まずテーマへの理解を深めた上で、文章の構成を練り上げて完成させる。この小論文コンクールへの取り組みを通じ、中学生の時に書いていた作文と、考察などを重ねて書くことが必要な高校の小論文との違いに気付くという。

飛躍の源は積み重ねた基礎の力

文章表現に特化した授業で基礎力を身に付ける
文章表現に特化した授業で基礎力を身に付ける

 高校2年生は、小論文の授業を選択することもできる。授業を選択した生徒は1年の間にさまざまなテーマの課題文に触れ、複数の視点に基づいて多角的に思考を深め、文章を書く力を磨いていく。こうした訓練は、小論文を書くのに必要な知識や経験などの「引き出し」を増やすとともに、大学での学習や研究を効率的に進めていく力の土台になる。高校2年までの学校生活で思考力、文章力といった基礎的な力をしっかり身に付けていることが、高3の個人指導で大きく飛躍する原動力になっているのではないかと感じた。

(文・写真:山本華子 一部写真提供:普連土学園中学校・高等学校)

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41391 0 普連土学園中学校・高等学校 2018/09/19 05:20:00 2018/09/19 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180918-OYT8I50057-T.jpg?type=thumbnail

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