校内のバレエスタジオでトップダンサーが指導…聖セシリア

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 聖セシリア女子中学校・高等学校(神奈川県大和市)は、校内でバレエの本格的なレッスンが受けられる数少ない学校だ。放課後にバレエを指導する「井上バレエ団」の宮嵜万央里講師と、同校の卒業生であり、現在は同学園の園児と児童のバレエレッスンを受け持つ鈴木和紀子講師らにレッスンに励む生徒たちの様子を聞いた。

バレエと学業を無理なく両立できる環境

レッスンバーや音響設備も整った本格的なバレエ用スタジオ
レッスンバーや音響設備も整った本格的なバレエ用スタジオ

 同校のバレエ教室「聖セシリアバレエスタジオ」は、学園創立80周年を記念して2007年4月に開校した。学園に所属する園児、児童、生徒は誰でも入会することができる。

 入試広報部長の大橋貴之教諭は、「バレエを通して芸術に親しみ、心身を鍛え、また日常の姿勢やマナーを身に付けることが目標です」とバレエ教室を開校した意義を話す。

 バレエ教室の開校にあたっては、「日本バレエ協会」の全面的な支援を得ることができ、「井上バレエ団」(東京都世田谷区)のトップダンサーと、地元の「プラーンドルバレエスタジオ」からの講師が派遣されている。

 大橋教諭によると、基本に忠実なバレエレッスンによって、生徒たちは姿勢や動作が見違えるように美しくなるという。「大規模なバレエ団のプリンシパルが街中のスタジオでレッスンを行うことはなかなかないそうで、恵まれた環境だと評価されています。卒業生には宝塚音楽学校に進学し、宝塚歌劇団でデビューを果たした者もいます」

 校内のバレエ用スタジオは、専用の床材が敷かれ、レッスンバー4本、鏡張りの壁面2面、音響設備なども完備している。

バレエ教室の1期生でもある鈴木和紀子講師
バレエ教室の1期生でもある鈴木和紀子講師

 レッスンはクラスによって週1~4回。部活動の時間帯と部活動が終わった午後6時からの2回行っているため、中高生は他部との掛け持ちでレッスンを受けることも可能だ。現在、約65人がレッスンを受けており、そのうち約50人が中高生だという。

 園児と児童のレッスンを受け持つ「プラーンドルバレエスタジオ」の鈴木和紀子講師は、バレエ教室の1期生でもある。「スタジオが開校したのは中1の時で、『学校でバレエができる』と喜びました。外のバレエ教室と違い、学校の友人とレッスンが受けられる特別感があって、放課後、ストレッチをしながら宿題を片付け、レッスンが始まるのを楽しみにしていました」と話す。

 校内のスタジオだけに移動時間がかからず、学業との両立がしやすいことも大きなメリットだ。定期試験前はレッスンが休みになり、学業や学校行事が優先されるため、生徒は無理なくバレエを続けることができる。

レッスンを楽しみながら、努力する姿勢を身に付ける

「いつでも質問しやすい雰囲気づくりを心がけている」と話す宮嵜万央里講師
「いつでも質問しやすい雰囲気づくりを心がけている」と話す宮嵜万央里講師

 バレエ教室には幼い頃からバレエを続けてきた生徒もいれば、まったくの初心者もいるが、「井上バレエ団」の宮嵜万央里講師は「どの生徒たちもバレエを通して、やればできるという実感と、自ら努力する姿勢を身に付けます。技術的な上達はもちろんですが、クラブ活動として、それぞれが楽しみながら成長することを大事にしています」と話す。

 指導にあたって宮嵜講師は、疑問があればいつでも質問しやすい雰囲気づくりを心がけているという。「疑問を抱えたままでは踊りがその先に進まないので、その場で解決するように心がけています。また、基本を大事にしつつ、自分ならどう表現したいのかを考えるように促しています」

 「自分が音楽をどう感じ、どう体を動かすのかを考えることで、その生徒らしい個性が生まれてきます。バレエの成長はなかなか目に見えにくいのですが、1週間、1か月、3か月と積み重ねていくことで、いつの間にか動きが見違えるようになります」

プロに支えられたステージに立って得る「自信」

 「聖セシリアバレエスタジオ」は2年に1回、発表会を開催する。レッスン生全員が参加する晴れ舞台であり、例年、神奈川県の海老名市文化会館大ホールで、観衆に日頃のレッスンの成果を披露する。クラスごとの発表が中心だが、ソロによるバリエーションや全員参加による集団演技などもある。今年も5月に第6回発表会が行われた。

レッスン生全員が参加する2年に1回の晴れ舞台
レッスン生全員が参加する2年に1回の晴れ舞台

 宮嵜講師は「準備には半年ほどかかりましたが、小学3年生から中高生までが参加し、大成功を収めることができました。ステージは1人が欠けても成立しません。それだけに、みんなで作り上げる達成感は格別で、終演後の生徒たちは笑顔が輝いていました」と話す。

 バレエは踊りだけでなく、音楽、衣装、照明を含めた総合芸術だ。大橋教諭によると、「井上バレエ団」の本格的な衣装を身に付け、プロの照明の中に立つことで、生徒たちは大きな自信を身に付けるという。「どちらかと言えばおとなしかった生徒が、胸を張ってステージに立っている姿を見ると成長を感じます」

 鈴木講師も「中3の時にあった第1回の発表会では、ただステージに立てただけでうれしかったことを覚えています。高2で2回目の発表会を経験した際は、バリエーションを踊る機会もいただきました。発表会では『井上バレエ団』のトップダンサーも舞台で踊ってくださったので、素晴らしい思い出になりました」と話す。

 バレエに憧れを抱く受験生にとって同校のバレエスタジオは大きな魅力となっている。近年は、バレエのレッスンが受けられるということが、同校を受験した動機の2割程度に上るという。また、バレエは、日頃のレッスンの努力やステージでの達成感を通して、生徒の自信や意欲を引き出す教育効果も上げているようだ。数多い私学の中でもまれなこの取り組みに、これからも注目したい。

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:聖セシリア女子中学校・高等学校)

 聖セシリア女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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874766 0 聖セシリア女子中学校・高等学校 2019/11/05 05:22:00 2019/11/05 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191031-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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