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【特集】「五つの力」が詰まった文化祭…東京電大中

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 東京電機大学中学校・高等学校(東京都小金井市)の文化祭「武蔵野祭」が9月17、18日に行われ、3000人以上が来場した。生きていくうえで必要な資質として、「視野の広さ」「冒険心」「専門性」「共感」「向上心」の五つの力を中学・高校の6年間で生徒に身につけさせようと取り組む同校。その成果が随所でうかがわれた文化祭だった。生徒たちの取り組みを取材した。

教科学習を超えて追究する「冒険心」

開場を待つ人々
開場を待つ人々

 文化祭当日、学校内はさまざまな催しが行われ、多くの来訪者でにぎわっていた。すべてをくまなく見るには2日あっても足りないくらいだ。入試・広報担当の阿部裕之教諭から、「これは必見」という催しを教えてもらい見学した。

 まずは物理同好会。文化祭は1年かけて取り組んできた研究成果の発表の場だ。展示していたラジコンカーは、コンピューターのC言語で動きをプログラムしたものだ。C言語は、先生や先輩に聞きながら自分で学んだという。このように教科を超えた学びができ、応援してもらえる環境がある。

 春に入学した中学1年生の作品もあった。半年ほどの準備期間で完成したのは地下鉄をモデルにした電車模型だ。内部構造を見えるようにしたラジオなどの作品もあった。作品の構造を解説するパネルも展示してあり、理論を理解し、自分の手で形にしていく物理同好会の活動姿勢がありありと分かった。

 高校2年生の部員は、「パーツを秋葉原に買い出しに行き製作するのですが、完成しても調整が大変です。その試行錯誤の過程を含め、楽しいです」と語った。

先輩から後輩へとコツを伝授、極める「専門性」

鉄道研究部の作品
鉄道研究部の作品

 鉄道研究部の会場には、第8回全国高等学校鉄道模型コンテストで加藤祐治賞を受賞した作品が展示されていた。同部は鉄道模型コンテスト入賞の常連だ。部員の一人は受賞の決め手を「色鮮やかな紅葉で季節感を出したのが勝因だと思います。昨年も同じ賞を受賞しており、プレッシャーを感じていました」と語った。模型を間近で見ると、レールの周りに敷く小石も丁寧に配置され、彩色が施されていた。「レールの周りを飾り過ぎると走行に影響が出るので、絶妙な加減が必要です。そういった技術的なコツはもちろんのこと、アイデアそのものの作り方など、先輩から教えてもらえることは多いですね」と熱弁していた。

 無線部も先輩から受け継ぐものが多い、歴史あるクラブだ。部員の一人は、「毎年7月に行われるアマチュア無線の『ALL JAコンテスト』に参加しています。24時間でどれだけ多くの無線局とつながるかを競います。学校の屋上にアンテナを立て、先生の許可を得て教室に泊まり込みます。たくさんの人と次々につながっていき、楽しいですよ」と魅力を語った。

ステージと観客が一体となって盛り上がる「共感」

吹奏楽部のステージ
吹奏楽部のステージ

 東京電機大学の系列校ということで、理系志向の生徒が多く、理系のクラブが多いのではと思うかもしれない。しかし、実際に文化祭を見学してみて、文系、理系ともにさまざまな活動が行われていることがわかった。同校は、これからの時代を生きる子どもたちには理系、文系両方のセンスはもちろん、アーティスティックなセンスも必要だと考えている。

 体育館に足を運ぶと、オリジナルダンス同好会がダンスを披露していた。「キレキレでかっこ良く踊ります」とあいさつした後、軽快なダンスミュージックに合わせ、ステージで次々とメンバーが演技。客席は色とりどりのペンライトと歓声にあふれ、会場は熱気であふれた。しかし、吹奏楽部の公演になると会場の雰囲気は一転。聴衆はみんな静かに耳を澄まし、繰り広げられる器楽の音色を楽しんでいた。

 どちらの発表も多くの生徒や保護者でいっぱい。頑張る仲間を応援しようと盛り上がっており、「共感」を感じさせられた。

文化祭を進化させる「向上心」

武蔵野祭パンフレットの表紙
武蔵野祭パンフレットの表紙

 文化祭全体を統括しているのは、わずか20人からなる文化祭実行委員会だ。実行委員は高校1、2年生が中心で、中学3年生も加わり、各クラスから選出された約100人の文化祭委員と連絡を取り合いながら、1200人を超える生徒による文化祭を作り上げている。生徒には伝統を受け継ぐだけでなく、進化させていく「向上心」がある。

 今年の文化祭実行委員会は、受け継がれてきた規約やシステムなどを見直し、生徒や来訪者にとってわかりやすい仕組みを心がけたという。実行委員長は「喫茶の食品提供はチケット制なんですが、今年からチケット販売の時間制限をなくしました」と具体的な改善例を紹介してくれた。

武蔵野祭の役割を「広い視野」で考える

 文化祭は、2日間だけの催しでなく、1年かけて準備してきた発表の場でもある。実行委員の一人は「秋は、楽しかった夏休みが終わり、テストもある気が重い時期ですが、放課後に文化祭の準備に打ち込むうちに、生徒たちの気持ちはどんどん盛り上がります」と、文化祭の時期が学校生活にもたらす効果を説明してくれた。

 運営メンバーの一人として文化祭の運営と成功に集中する一方で、このような「広い視野」で文化祭を捉えることもできる。文化祭の準備を通して生徒たちは大きく成長していくようだ。

先生も理科工作教室で活躍

理科の先生による理科工作教室
理科の先生による理科工作教室

 生徒たちが主体となって活躍する文化祭だが、先生たちの活躍の場も用意されている。20年以上続く、理科の先生による「理科工作教室」だ。先生たちは学校説明会をはじめとしたさまざまな機会に理科工作教室を開催している。

 文化祭会場では「回転王子を作ろう」と題し、二重振り子の原理を盛り込んだ木のおもちゃを作る工作体験を行っていた。パーツもすべてオリジナルで、教員が材料を切って穴をあけるなどして用意しているという。各テーブルでは小学生たちが真剣なまなざしで、小さなパーツを組み立てていた。

 また、特別イベントとして「TDU 4D‐Lab(ラボ)発表会」が開かれた。これは大学のゼミナールをイメージした独自の学習指導方法で、中学2年生から高校2年生までの学年を横断した少人数クラスを作り、テーマを決めて掘り下げていく。当日はポスターとスライドを使った発表が行われていた。

 文化祭は、小学生と保護者にとっては、校内の見学はもちろん先生や生徒たちと直接話をして学校を肌で感じることのできる絶好の機会だ。取材を通して生徒たちに触れ、「五つの力」が確かに養われていることを感じた。

 (文と写真:水崎真智子)

 東京電機大学中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1967981 0 東京電機大学中学校・高等学校 2021/04/07 15:00:00 2021/04/07 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210407-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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