実践を積み重ね、楽しく身に付ける英語…駒沢女子

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 駒沢学園女子中学校・高等学校(東京都稲城市)は、「多様性や共生の時代を生きるツール」として英語力の養成に力を入れている。曹洞宗の学校にふさわしく、英語教育のプログラムも、おのずと禅の精神を育む内容になっていることが特徴だ。英語科教員として25年間教鞭(きょうべん)を執り、2019年度校長に就任した土屋登美恵校長と高1、高2の生徒たちに、日々の英語教育について聞いた。

英語教育も、生活の中での実践や学びとして

 ――英語教育についてはどのような位置付けをしていますか。

英語教育について話す土屋校長
英語教育について話す土屋校長

 土屋校長 本校は、曹洞宗の教えをもとに「正念(しょうねん)」と「行学一如(ぎょうがくいちにょ)」を建学の精神としています。坐禅(ざぜん)などを通して自己を見つめる「正念」、生活の中での実践と学びを一体化する「行学一如」などを通し、他者への思いやりや感謝、相互理解や共生の精神など、人として大切なものを育む人間教育を行っています。

 仏教主義を礎とした本校の教育理念を具現化するためにも、英語はとても大切な学びです。広い視野を持ち、多様性や共生の時代を生きるための重要なツールであると考えています。本校の英語教育は、互いに交流をして学び合う中で、相互理解を促すようなプログラムとなっていて、実践を繰り返し、自然と力を伸ばせるように考えられています。

 ――授業はどのように進めていますか。

 何よりも、英語を使うことを重視します。中学の授業では、教科書のスキットを2、3人で再現するのが柱の一つです。女子はこうしたパフォーマンスを楽しむ生徒が多く、初めは恥ずかしがっていても、すぐにみんなの前で発表できるようになります。こうした小さな達成感が自信につながります。

 そのほか教科書の文章の暗唱や単語を確認する小テスト「レンジテスト」を毎週行っています。その積み重ねが、生徒の基礎学力の向上につながります。毎回全員が合格するまで放課後に補習を行っています。「合格した」という達成感を大事にしています。また、今年度から1人1台の導入を始めたiPadもフルに活用しています。

 ――授業以外の取り組みもありますか。

ALTが放課後に常駐し、気軽に英会話のレッスンが受けられる「イングリッシュルーム」
ALTが放課後に常駐し、気軽に英会話のレッスンが受けられる「イングリッシュルーム」

 朝は毎日10分間、担任の先生と一緒にリスニングとスピーキングの練習を行います。現在中学ではNHKの「基礎英語」、高校では「英会話タイムトライアル」というラジオ番組を聞いています。

 また、「イングリッシュルーム」を設け、身近な英語実践の場としています。ALT(外国語指導助手)が放課後に常駐し、気軽におしゃべりする形で英会話のレッスンを受けることができます。英語の宿題に取り組んだり、分からないことを質問したりするのもOKです。

 実用英語技能検定の取得も重視していて、対策や補習などを行っています。こうした日々の積み重ねをしっかりやっている生徒はほぼ問題なく合格しています。今後は英検に特化した校内英検合宿も実施予定です。

 校外学習も重視しています。中1、中2で行う「東京グローバルゲートウェイ」での英語研修では、さまざまなシチュエーション設定や課題の下で、会話を実践します。また、稲城市が毎年開催する「中学校英語スピーチコンテスト」に毎年参加し、5年連続で優秀賞をいただいています。

 中3と高1の夏休みには、ニュージーランドの提携校で2週間の英語研修を行います。現地の生徒が「バディ」として一緒に授業を受けたりランチをとったり案内役をつとめてくれます。中3で仲良くなったバディに会うため高1で再び参加し、高2でニュージーランドに留学した生徒もいます。現在は希望者が対象ですが、いずれは中3全員が参加する海外研修旅行にしていく計画です。

 さらに成績優秀者数人を対象に、中3の春休みと高2の夏休みに3週間の派遣留学を行っています。ニュージーランドでは、さまざまな国からの留学生と学校に通います。そこでの出会いが、異文化に目を開く貴重な機会になっています。

授業や校外学習で着実に力を付ける

 駒沢学園女子中学校で学んだ高校生4人に、「駒女の英語」について聞いてみた。

 ――毎日の授業では、何が英語力の強化に役立ちましたか。

 泉澤音緒さん(高1) 毎週の「レンジテスト」です。習った大半が問題に出るので、結局全部覚える必要があります。最初は焦りましたが、繰り返すうちに単語量が増え、英語が得意教科になりました。

 太田帆香さん(高2) 私は自学ノートです。単語の書き取りや英語日記、試験の準備など自分で課題を決めて、毎日1ページ、土日は2ページずつやっていきます。おかげで毎日コツコツやる習慣ができました。

 梅澤茉央さん(高1) もともと英語は苦手でしたが、物語が好きなので、教科書の話を演じたり、暗唱を楽しんだりするうちに苦手意識がなくなりました。

 柴田優月さん(高2) フィリピン出身の明るいALTの先生が好きです。廊下で会っても「調子はどう」なんて声をかけてくれます。イングリッシュルームに月に2、3回通って、時々おしゃれなどの「女子トーク」も楽しみます。

 土屋校長 校内で自然にALTの教員と話をしている生徒を見かけます。生徒たちにとってもはや日本人教師と違いはないのではないか、と思ってしまうほど自然に英会話を楽しんでいますね。今後はALTの教員をもっと増やしていく予定です。

 ――英語関連の行事も体験しましたか。

中1、中2で行う「東京グローバルゲートウェイ」での英語研修
中1、中2で行う「東京グローバルゲートウェイ」での英語研修

 泉澤 「東京グローバルゲートウェイ」では、お店での注文などで臨機応変に話す体験をしました。ほかにも「1人しか通れない橋の上で鉢合わせした相手を、説得して通してもらう」というミッションが面白かったです。

 柴田 私は日本の大学に来ている留学生との交流行事で、坐禅や茶道を一緒に体験しました。もてなす側なので、事前に調べて説明を考えたりして、一生懸命に取り組みました。

 梅澤 稲城市の英語スピーチコンテストに中2で出場し、童話「がまくんとかえるくん」の英語原文を暗唱しました。覚えるのが大変でしたが、他の人の発表を聞いて「こんな表現もあるんだな」と勉強にもなりました。

 太田 私も中2、中3と連続でスピーチコンテストに参加しました。中3では、ニュージーランド研修に向けて先住民のマオリについてのスピーチをしました。先生の添削を受けたり、ネイティブの先生に発音の指導を受けたりしてスピーチの完成度を高めました。優秀賞を頂くことができたのはその結果と思っています。

楽しい体験を通して学べる環境作り

 ――ニュージーランドでの研修体験について話してもらえますか。

ニュージーランド派遣留学でESOLの授業を受ける生徒たち
ニュージーランド派遣留学でESOLの授業を受ける生徒たち

 泉澤 ニュージーランド研修では、2歳上のバディがとても優しく、共通の趣味から話が広がりました。それまでは「違う言葉を話す国の人」くらいの気持ちでしたが、もっと話したいと思うようになりました。

 梅澤 現地ではみんな自分を表に出している感じがあり、知らない人とすれ違う時も「Hi!」とあいさつします。日本とは違ういろんな国の習慣があって、すてきだと思いました。

 太田 私は派遣留学に行きましたが、現地の学校にはトルコやインド、中国、ベトナムなど、いろんな国の学生がいました。面白かったのは、「ESOL(English for Speakers of Other Languages)」という授業です。学校の地元の町を紹介する壁新聞を作ったり、マオリの人の踊りを習ったりしました。

 留学してみて、それまでは「どこの国の人か」ということを前提に人を見ていたことに気付きました。今後はたくさんの国の人と交流して、自分の考えを広げていきたいです。

 土屋校長 英語を学んで上達するスピードは人それぞれです。苦手でも自然に英語力を伸ばせるよう、こうした楽しい成功体験を通して学べる環境を今後も重視していきます。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート)

 駒沢学園女子中学校・高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

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1009741 0 駒沢学園女子中学校 2020/01/21 05:22:00 2020/01/21 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200120-OYT8I50052-T.jpg?type=thumbnail

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