アクティビティーを通して英語4技能を伸ばす…共立第二

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 共立女子第二中学校・高等学校(東京都八王子市)は、グローバル時代を見据えた新しい英語教育の一環として2017年から「4技能統合型授業」をスタートさせた。これまでの訳読中心の授業を見直し、アクティビティーを取り入れて「聞く・話す・読む・書く」という英語4技能を効率的に伸ばすという。実際の授業を見学し、担当教諭や生徒に話を聞いた。

立ったまま英語4技能を学ぶ独自の授業スタイル

英語の授業改革について語る吉田裕子教諭
英語の授業改革について語る吉田裕子教諭

 同校は2020年の大学入試改革に対応するとともに、将来、社会で通用する英語力を培うことを目的に、6年前に英語の授業改革に着手した。東京学芸大学名誉教授で、日本の英語教育に精通する金谷憲先生に監修を依頼し、授業を録画して検討するなど少しずつ改善を重ね、同校独自の「4技能統合型授業」を作ってきた。

 この授業では、音読やグループワークなど多様なアクティビティーを通して、英語の4技能をバランスよく使い、確実に英語力を身に付けていく。学年が上がっても過去の教科書も並行して繰り返して使用し、徹底的に反復するオリジナルの指導法「レイヤードメソッド」を採用している。

 50分間の授業のうち、45分間は生徒が能動的に英語を使える構成としているのも特徴だ。英語科主任の吉田裕子教諭は、「教員はあくまでも授業の黒子。教員が話す時間を極力減らし、生徒が4技能を使って自立的に英語を活用できる仕掛けを作っています」と語る。

授業の教材として使われた「サイトラシート」
授業の教材として使われた「サイトラシート」
授業では、生徒が2列になってペアワークを行った
授業では、生徒が2列になってペアワークを行った

 1月下旬に、音読を中心とした中学2年生の授業を取材した。教材は、英文を頭から順に訳していく練習法「サイトトランスレーション(sight translation)」を行うための「サイトラシート」のみだ。このシートには、外国人と日本人の会話を記した英文の横に、日本語訳が英語の語順のまま書かれている。

 最初に、生徒は「サイトラシート」にある英文の音声を聴いて音読。次に立ち上がると前、右、後ろ、左、前と向きを変えつつ英文を4回音読する。その後、2列に並んで向かい合い、ペアワークを行う。まず、一つの列内で隣り合う2人が外国人役と日本人役に分かれて音読し、互いに役を入れ替えてもう1度音読したら、列の先頭の生徒が最後尾に回り、ペアの相手を変えながら、何度も音読を繰り返していく。

 ペアワークの後は、授業を担当する弓削敦子教諭が読んだ日本語を、生徒が英訳したり、反対に弓削教諭が読んだ英文を日本語に訳したりと、文を記憶してから声に出す練習を行った。弓削教諭は、時折日本語を交えるものの基本的に英語で指示を出し、生徒同士で分からない部分をサポートし合っていた。

 また、50分間の授業中、生徒はほとんどの時間、立った状態で学ぶ。音読やトランスレーションなど、さまざまな要素が重層的に絡み合ってテンポよく進められる授業はアクティブで、生徒も飽きることなく、楽しみながら学んでいるようだった。

 吉田教諭は、「まずは英語をどんどん使い、その中で文法などのルールを帰納的に身に付けていく。この方法は、子供が自然に言語を習得する過程に似ていると思います」と話す。

 授業を受けた坂本涼風さんは、「英語の文章構成を考えながら音読するのは難しいですが、世界史をテーマにした授業などでは先生がさまざまな画像を見せてくださるので、短い時間でも記憶しやすいです」と話す。また、宮里彩葉さんは、「英語の授業を通じて異文化を学ぶ中で、日本と違う点や共通点を見つけられます。いろいろな発見があって楽しいですね」と語る。

「基礎トレ」と「対外試合」で相乗効果を狙う

サイトラシートを使った授業を行った弓削敦子教諭
サイトラシートを使った授業を行った弓削敦子教諭

 同校は日々の授業を「基礎トレーニング」と考え、そこで身に付けた英語を実際に使えるよう「対外試合」の場を設けている。その一つが「オンライン英会話」だ。生徒は家庭や放課後の学校から、オンラインで外国人の先生と25分間、1対1で会話する。中2の小野由夏莉さんは、「授業で習った単語を使って外国人の先生と話ができるとうれしいですね。私はESSに所属していますが、授業やオンライン英会話で使った文章が頭に入っていると、先輩や先生といろいろなパターンの表現を使って話せて自信につながります」と話す。

 また、日本にいながら英国文化が体験できる福島県の施設「ブリティッシュヒルズ」での研修も「対外試合」の場だ。弓削教諭は、「普段の授業で何度も音読を行うことで、生徒は知らず知らずのうちに、自分の中にたくさん英文の型が積み上がっています。声を出すことにも恥ずかしさを感じないので中学2年生頃から、それがあふれ出てきます。研修中は生き生きと英語でコミュニケーションを取っていました。研修後も多くの生徒が英語を使いたくて仕方がないらしく、隙あらば英語で話していました」と笑顔で話した。

 ブリティッシュヒルズでの研修に参加した3年生の増田リコさんは、「授業ではネイティブの先生も日本語を話してくれますが、研修はオールイングリッシュ。英語のテンポやテンションが学べ、単語でも会話ができることが分かり、楽しく長時間、英語に触れられました」と話す。

授業改革により、英語が苦手な生徒がゼロに

 授業改革後の「基礎トレ」と「対外試合」の積み重ねの効果だろうか、同校のアンケート調査で、以前は4分の1ほどいた「英語が苦手」という生徒が、現在はゼロになったという。

 これまでの英語の授業について、3年生の内山祐衣奈さんは、「2年生までは、ネイティブの先生と話すのは授業中だけでしたが、3年生になって英語が身に付いてきたと感じられ、授業後も積極的に話しかけられるようになりました」と話す。

 同じく3年生の山田萌菜望さんは、「3年生の春に英検準2級を取りました。高校レベルと言われている内容なので、絶対に受からないと思っていましたが、意外と普段の授業で身に付いているものが多く、合格できました」と話す。山田さんは中3の1月にも受検して2級に合格したという。

 アクティビティーを楽しみながら英語を学ぶ同校の授業は、英語力だけでなく、生徒の自発性や学習意欲をも高める効果があふれているようだ。

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート)

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484847 0 共立女子第二中学校高等学校 2019/03/14 05:21:00 2019/03/15 14:22:14 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190312-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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