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【特集】ワークショップ形式の授業で学びの楽しさを知る…かえつ有明

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 かえつ有明中・高等学校(東京都江東区)は、中学の「サイエンス科」、高校の「プロジェクト科」という教科でワークショップ形式の授業を行っている。「情報を集め、整理・分析して自分の考えをまとめ、人に伝える」というプロセスにより、生徒たちの中に「学ぶことが楽しい」という気持ちが育つという。同校を訪ねて中高それぞれの授業を取材した。

中学「サイエンス科」から高校「プロジェクト科」へ

中学生の「サイエンス科」を指導する小林先生
中学生の「サイエンス科」を指導する小林先生

 「サイエンス科」と「プロジェクト科」の授業をワークショップ形式で進める狙いについて、中3学年主任で国語科の小林(こう)先生は、このように説明する。「『学び方を学ぶ』『自分軸を確立する』『共に生きる』を二つの授業の共通の目標としています。『情報を集め、整理・分析して自分の考えをまとめ、人に伝える』というプロセスを実践しつつ、学ぶために必要なスキルを磨くトレーニングを行うことで、『学ぶことが楽しい』と思えるようにします」

 現在の中3の「サイエンス科」では、中1で「自分を知る」、中2で「他者を知る」、中3で「社会や世界とつながる」の活動を行い、中3の最後に、仕上げとして校内プレゼンテーションを行う計画となっている。また、「プロジェクト科」では、今年は高1で「人との関係性を築く」「自分の軸を育む」の二つを目的として、グループまたは個人で探究活動を行う予定だ。

 授業でどのようなテーマを扱うかは、生徒の意見を取り入れながら設定し、フィールドワークや企業との連携なども柔軟に取り入れている。「今年のプロジェクト科では、クラウドファンディングで商品開発をしている企業を応援する活動を盛り込む予定です。生徒がその商品を使っている様子を動画に撮ってアップするといったアイデアがあります」と、保健体育科で高1プロジェクト科担当の岡田彩菜(あやな)先生は説明する。

2030年の社会と自分の姿を思い描く

未来の社会と自分の姿を考える中3の授業
未来の社会と自分の姿を考える中3の授業

 同校は現在、中1が男女共学、中2、中3が別学となっていて、小林先生が担当した10月16日の「サイエンス科」授業では、3年4組の教室に28人の男子生徒が、パソコンやタブレット、スマートフォンなどそれぞれ自分のツールを手に集まっていた。

 小林先生は今年度、中3の「サイエンス科」授業のテーマを「Inspire the Future(未来に息を吹き込む)」とし、生徒たちが未来の社会を思い描くためのさまざまな授業に取り組んできた。

 この日は、未来の世界を描いた短い動画を基に、授業が進められた。まず、「遠隔医療によりがん手術も可能になる未来社会」「自動運転で渋滞が解消される社会」「消失するアマゾンの自然」といったテーマの動画を生徒一人一人が手元のデバイスで見て、その内容を3人1組のグループを作って互いに説明し合う。さらに、自分が見た動画の内容と、クラスメートから聞いた内容を基に、「2030年にはどのような社会になっているか」「その中で、自分はどう生きたいか」という視点で文章にまとめた。

 生徒たちは、「ロボットが普通にいるようになるかも」「人類はまだ生き残っているのかな」「ゲームのバーチャルリアリティーみたいなことが本当に起こるのかも」など、グループ内で思い思いの感想を話し合いながら、自分の考えをまとめていく。その間、小林先生は、「思いついたことをそのまま書くのではなく、動画から得られたキーワードを参考にしてください」「自分は何をしたいか、どんな人生を送りたいか、その思いを強調することが大切です」などと、生徒にアドバイスをしていた。

 この「Inspire the Future」の授業は、最終的に「10年後の自分と社会のシナリオ」を作ってプレゼンテーションすることを目標としている。「中2までのサイエンス科の活動の中で、人の意見を聞き、それを自分の考えに反映させるということができるようになりました。こういった思考のスキルを他の教科にも応用させ、『楽しい』『ワクワクする』というマインドを、他の教科でも育てていきたいと考えています」と、小林先生は抱負を語った。

身の回りの問題から社会へ目を向ける

高校生の「プロジェクト科」を担当する岡田先生
高校生の「プロジェクト科」を担当する岡田先生

 同校の高校は共学で、1年C組の「プロジェクト科」授業には、男女35人の生徒が参加していた。場所は「ドルフィン・プロジェクトスペース」と呼ばれる図書室の一角で、曲線形のテーブルの周りにイスが並べられ、グループワークがしやすい環境になっている。

 岡田先生が設定した今年度のテーマは、1学期が「関係性の質の向上」、2学期が「テーマを自分事(じぶんごと)にしよう」。この日の授業では、教材制作会社「エナジード」が主催する、世の中をよりよくするためのアイデアをプレゼンテーションするイベント「ENAGEED SUMMIT 2020」への応募を準備するという内容だった。

 「ENAGEED SUMMIT」は、中学や高校の個人またはグループで、アイデアや行動をエントリーシートにまとめて提出し、書類審査とビデオ審査を経て、オンラインでのプレゼンテーションを行うという内容になっている。

 生徒たちはまず、エアコンの登場などを予測した1901年の日本の新聞記事や発明家トーマス・エジソンなどに関する動画を視聴。さらに、その動画から感じたことを基に、自分の身近なところにある問題を検討し、どう世の中をよくしていくかを一人一人が小型のホワイトボードに書き出していった。

世の中をよくするためのアイデアを書き出す作業中の高1生たち
世の中をよくするためのアイデアを書き出す作業中の高1生たち

 岡田先生は一つの例として「トイレットペーパーの買い物」を挙げた。「おしゃれをして高級レストランで食事をした帰り道で、トイレットペーパーを買うのは恥ずかしい。トイレットペーパーの包装を美しいものにすれば、問題を解決できるのではないか」と、イラストや写真を駆使しながら説明した。「私自身の例も含め、生徒の興味を引きそうな、具体的な例を出すように心がけています。誘導し過ぎず、傍観せず、生徒から自発的に意見が出るような問いかけを行うことが大切なのです」

 生徒たちは、「通学がラクになるよう、全自動の自転車ができるといい」「新ウイルスのワクチンが1週間でできるようになるといい」など、自分たちのアイデアを次々とホワイトボードに書き出していき、近いアイデアを持つクラスメート同士がチームを作って考えをまとめていった。

 プロジェクト科では、生徒自身が自らのテーマを見つけ、フィールドワークなどを取り入れつつ、社会の問題を解決するための探究や発表を行うようになることを目標としている。「まずは自分の身の回りの問題を見つめ、それをきっかけとして社会に目を向けることができるように指導しています。自分のこととして興味が持てるようになれば、情報を得るために企業に問い合わせの電話をするといったことも、高校生が一人でできるようになります。やりたいことがあったら、自分から主体的に動くことができるよう、学校としてきっかけ作りをしていきたいと考えています」

 「サイエンス科」「プロジェクト科」の授業のカリキュラムは、年ごとに独自に設定される。また、教師もさまざまな教科から参加し、特別な研修を受ける。週に1回開かれている研修では、教師自身が特定のテーマについて自分の意見をまとめて発表するプロジェクトベースの活動も行うそうだ。教師、生徒ともに高め合って、このユニークな授業を実りあるものとしてほしい。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート)

 かえつ有明中・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1693863 0 かえつ有明中・高等学校 2020/12/15 05:01:00 2020/12/18 16:15:17 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201211-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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