アイデア絞って生徒が町おこしにチャレンジ…京華

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 京華中学・高等学校(東京都文京区)は昨年9月23日、同校の授業や部活動などを体験できる「KEIKAフェスタ」を開催し、受験生と保護者ら大勢の小学生親子が訪れた。鹿児島県鹿屋(かのや)市の地方創生プロジェクト「かのや100チャレ」に参加した生徒たちを中心に、同市の職員とスカイプ中継で話したり、特産のさつまいもを配ったりするなどしてフェスタを盛り上げた。

スカイプで結んで鹿屋市と交流

 「みなさん、こんにちは。鹿屋市のPRをしていただいて、ありがとう。今日はスカイプで京華のみなさんと小学生のお子さんたちと交流できるということで楽しみにしています。よろしくお願いします」

スカイプで鹿屋市の職員と話をする生徒たち
スカイプで鹿屋市の職員と話をする生徒たち

 教室に設置されたスクリーンに同市役所内の画像が映し出され、ふるさとPR課の末吉俊一課長のあいさつで、スカイプ中継による交流が始まった。

 鹿屋市は、鹿児島県の大隅半島の中央部にある人口約10万人の都市だ。戦時中は特攻隊の出撃基地があり、映画「永遠のゼロ」のロケ地としても有名だ。地方創生で、首都圏の中高生からアイデアを募る「かのや100チャレ」を4年前から行っている。若い人の感性を生かして、実際の町おこしに役立てようという企画だ。

 同校からは、希望する生徒たちがほぼ毎年、応募している。2017年は「かのや観光プロジェクト」として、九州の官民合同航空祭「エアーメモリアルinかのや」を盛り上げる企画を発表し、鹿屋市特別賞を受賞した。

 今回、参加チームのリーダーを務める高1の齋藤貴広君は、「放課後にみんなで集まって話し合ったり、自宅からLINEを使って電話会議をしたりして、企画を作ってきました。2017年は特別賞でしたが、今年は外国人観光客向けの農家民泊の企画を練っているところで、今年こそ最優秀賞を狙いたいです」と意気込む。

 「かのや100チャレ」事務局の柳生成彦さんは、「今回のKEIKAフェスタでも、京華の生徒たちが物産展を自主的に企画してくれました。スカイプを使って現地と中継したり、学園の入り口で焼き芋を配ったりするアイデアを出して実行してくれています。市の職員たちも京華の生徒の行動力に驚いているところです。売り方やPRの仕方も、大人に交じって話ができ、考え方が大人だなと感心しています」と話す。

他校との出会いで、新しい価値観を学ぶ

 スカイプ中継では、スクリーンに映し出された末吉課長に対して、訪れた小学生が「鹿屋市にはどんなおいしいものがありますか」と質問した。「黒毛和牛が有名で、和牛甲子園で日本一を獲得しました。黒豚やニワトリもたくさんいますよ。漁業が盛んで、特にカンパチが名産です。甘みが強い紅はるかというさつまいもも名産です」と答えが返ってくる。

 この日は、「かのや100チャレ」の発表で知り合った湘南学園高等学校の生徒も駆け付けていた。「カンパチを使った料理を、うちの学校の食堂で出そうと考えています。どうしたら安く仕入れられますか」などと質問すると、「学生のみなさんとプロジェクトを協働できるのは、とてもいいことです。さらに提案があれば議会にかけたいと思います」と末吉課長は真剣に答えていた。

 湘南学園について、リーダーの齋藤君は「『かのや100チャレ』の発表でお互いに刺激を受け、交流が始まりました。意見交換などを通じて、新しい価値観が生まれたり、視野が広がったりして、いい仲間になっています」と話す。物産展では、湘南学園の生徒も販売を手伝い、同校が企画した「かのやリストバンド」も一緒に販売した。

鹿屋市名産の紅はるかの焼き芋を配る生徒たち
鹿屋市名産の紅はるかの焼き芋を配る生徒たち

 会場の入り口付近では、末吉課長が薦める紅はるかを焼き芋にして、来場者に配るサービスも行われた。中3の中村雪輝君は、「この交流で、自分のためではなく、遠くに住む鹿屋市の方のために、みんなでプロジェクトを作り上げていく、いい経験ができて良かった」と話した。

 フェスタではこのほか、富士フイルムの元研究者・池上眞平さんが教える「チェキを使用した科学の探究」の体験学習も行われた。4人の生徒が池上さんのサポートに入り、訪れた小学生たちに優しく教える姿が見られた。

 高2の清水東君は、「学校以外の大人の方に教えてもらいながら、体験学習の手伝いをするのは、いい経験になります。子供たちが一緒に興味を持ってやってくれて、私も楽しめました」という。教わった小学生も「お兄さんたちがみんな優しくて、思いやりを感じてうれしかったです」と感想を話した。

ドローンを飛ばす体験をする小学生
ドローンを飛ばす体験をする小学生

 「ドローンを飛ばしてみよう」という体験学習にも大勢の小学生が訪れた。講義で航空法を学び、シミュレーターでの練習を経て、実際にドローンを飛ばす実技まで行った。参加した小学生の母親は、「こうした機械系のものが充実しているのは、男子校ならではの魅力ですね。子供が反抗期にさしかかり、親が勉強しなさいというと反発しますが、この学校は面倒見がよく、自分で学習する習慣を付けてくれると聞き、期待しています」と話した。

 テニス部やサッカー部、歴史研究部、鉄道研究部などの部活動の体験や、国語、数学、英語、社会、情報などの体験授業も行われた。理科の体験授業に参加しようと、長野方面から新幹線で駆け付けたという親子は、「息子は図鑑が大好き。子供の好きなものや得意なものを伸ばしてくれる、この学校がぴったりだと思いました。合格したら引っ越してくるつもりです」と、先生の講義や実験を夢中になって楽しんでいた。

好きなもの、やりたいことを見つけて成長する

救命教室でAEDの使い方を教える町田校長(右奥)
救命教室でAEDの使い方を教える町田校長(右奥)

 同校の町田英幸校長は、生徒たちの成長についてこう話す。

「私は生徒たちに、勉強以外の好きなこと、熱中できることを探しなさいと、常々言っています。好きだからこそやり通せるし、そこで成長していくのです。私たち教師もそれを応援していきます。鹿屋市の企画も、学校側は何も言いません。生徒たちが率先してやっていくので、教師は少し応援するだけです」

 先日も洪水の被災地の人から、同校の生徒が復興ボランティアを一生懸命やってくれたと、お礼の電話があったという。

 「本来、学びとはやりたいことを先に見つけて、その実現のために勉強していくのです。それなら、勉強も頑張ることができます。男の子ですから、最初のきっかけは単純なものです。イタリアに留学した生徒も、『イタリア人の女の子がかわいいから』とか言っていましたが、そこから語学にのめりこんで大きく成長しました」

 リーダーの齋藤君もこう話す。「大人と仕事をして、単なる課外活動では終わらない、素晴らしい社会経験ができました。将来もこの経験を生かしたいです」

 先生たちの応援を受けながら、同校の生徒たちはやりたいことを見つけ、打ち込んでいく。こうした育った熱中力は、21世紀を生きていくうえで大きな支えとなるだろう。

(文・写真:小山美香)

京華中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

424693 0 京華中学・高等学校 2019/02/06 05:20:00 2019/02/15 10:39:09 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190205-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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