「自然が教科書だ」森に包まれ一日体験…東海大菅生

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 東海大学菅生高等学校中等部(東京都あきる野市)はこの夏、小学生と保護者らを対象に、授業やクラブ活動の体験などを行う「オープンスクール」を開催した。参加者数は昨年の1.5倍という盛況ぶりで、今回は女子児童もより一層楽しめるように、家庭科の体験授業を初めて企画。参加した児童らは、広大な森に囲まれた自然環境を生かした多彩なプログラムを満喫していた。

「女子も楽しんで」家庭科でビーズ手芸

「女子も楽しく通える学校というイメージを」と語る天羽教頭
「女子も楽しく通える学校というイメージを」と語る天羽教頭

 「オープンスクール」が開かれた海の日の7月16日、東京ドーム1.2個分という広大な同校のキャンパスに、小学生と保護者61組がやってきた。猛暑の中、参加者数は昨年の40組を大きく上回り、中には父母がそろって付き添い、弟妹らも一緒という家族も少なくなかった。

 「子供全体の数は増えてはいませんが、近年、私学の受験希望者は増加傾向にあります。本校のオープンスクールでは、特に小学3、4年生くらいからの参加が年々増えています」と説明するのは天羽恒人教頭だ。

 甲子園に春夏3回ずつ出場している硬式野球部をはじめ、テニス部など全国大会常連も目立つ高校運動部の実績から、東海大菅生というとスポーツを連想しがちなのだろう。女子の保護者から「女の子は入りにくいのでは」「運動はやっていませんが大丈夫ですか」といった質問がよく寄せられるという。

 このため、今回のオープンスクールでは女子児童も参加しやすいよう、体験授業に英会話、算数、国語、社会、美術の5科目のほか、新たに家庭科を追加。ビーズ手芸を体験してもらうことにした。「女子も楽しく通える学校というイメージを持っていただきたい」と天羽教頭は期待する。

 オープンスクールの最初の説明会場となった校舎6階の講堂の窓の外には、菅生の大自然の森がどこまでも広がっていた。「本校ならではの授業や、雰囲気をぜひ体験してください」という丹治充校長のあいさつの後、参加者たちはそれぞれ希望の体験授業へ向かった。

キャンパスの四季の映像で季語を学ぶ

山の季語を説明する大塚教諭
山の季語を説明する大塚教諭

 体験授業は午前中の2回、30分ずつ行われ、参加者は6教科のプログラムの中から、好きな二つを選んで受講した。そのうち「菅生歳時記」と題した国語の授業は、生徒たちを育んできた菅生の四季の風景をスライドで紹介しながら、その中に季語を探すという斬新でビジュアルな内容だった。

 「みんなは授業中に外を見ていたら怒られるよね。でも今日は、窓の外を見る授業をします」と大塚哲也教諭が語りかけると、子供たちから「おーっ」という歓声が上がった。いつもと違う授業スタイルに興味津々の様子だ。

 「これは菅生の春の風景です」と大塚教諭が1枚のスライドを映し出す。窓の外の夏の風景との違いを伝えると、子供たちは「ホントだ!」と身を乗り出し、スライドと窓の風景を交互に見比べた。

 次に大塚教諭は夏山の写真をスライドに表示した。画面の中に赤い丸がいくつか点在している。「好きな丸をタッチしてみて」と大塚教諭に促された1人の児童が、教室の前に出てきて、山のあたりにある赤い丸にタッチペンで触れると、画面には四つの季語が表示された。

 「山には季節を表すいろんな季語があります。『山(したた)る』は夏の季語。夏の山のみずみずしさを表しています。『山笑う』は春。『山(よそお)う』は秋。秋の山は紅葉してお化粧しているみたいですよね。そして『山眠る』は冬。雪が積もって静かな感じですね」

 大塚教諭は、移り変わる菅生の四季の写真をスライドで見せながら、山にまつわる季語を紹介していく。子供たちはときおり窓の外にも目をやり、菅生の自然と季語の話にすっかり()せられていた。

英会話で「ピカチュウ」当てクイズも

曲線と直線を結んで浮き上がるトリックアート
曲線と直線を結んで浮き上がるトリックアート

 一方、初の試みとなった家庭科の体験授業では、ビーズ手芸セット「トワコロン」を使ってブレスレットを制作した。同校では年6~8回、希望者を対象に教養講座を開いているが、中でもこのブレスレット作りが女子生徒に人気で、今回、オープンスクールの体験授業に採用されたという。

 授業をのぞくと、意外に男子の参加者も多い。まず自分の好みの色や形のビーズを選び、通す順番に並べる。次に折り曲げたワイヤにゴムを引っかけ、ビーズを一つ一つゴムに通していく……。黙々と作業を進める児童らの顔は真剣そのものだ。最後に結び目に瞬間接着剤を塗って固定し、オリジナルのブレスレットが完成。後ろで見守っていた保護者にうれしそうに見せる児童もいた。

 英会話の体験授業は、ネイティブの講師による英語を聞き、「ピカチュウ」「ミニオン」などの人気キャラクターを当てたり、食べ物のカードを見つけたりするゲーム。算数は図形を利用した計算方法などを学び、練習問題も行った。社会は特産品や地理的特徴から都道府県を当てるカルタ。また、美術の授業では、曲線と直線を結び、立体的に浮き上がるトリックアート作りに挑んだ。どの授業も児童が参加し、体験することを通して興味や探究心を引き出す工夫がされていた。

クラブ活動体験、先輩とバスケや吹奏楽

「吹奏楽クラブ」で先輩からアドバイスをもらいトロンボーンに挑戦
「吹奏楽クラブ」で先輩からアドバイスをもらいトロンボーンに挑戦

 体験授業が終わると、子供たちは7か所のチェックポイントを巡るスタンプラリーに出発した。制覇すると景品がもらえるとあって、生き生きと校内を駆け回っていた。その後、カフェテリアで給食も体験。この日のメニューはハヤシライスとサラダで、窓の外に広がる緑の風景を眺めながら、すっかりリラックスした様子だった。

 午後からはクラブ活動の体験。運動・文化系の計10のクラブから一つを選び、練習などに参加するプログラムだった。しかし、この日は近くの八王子で最高気温が34度を超えるほどのあいにくの猛暑。熱中症の心配もあったため、野球やサッカーなど屋外のクラブ活動は見学や説明のみか、時間を短縮して実施することになった。体育館でのバスケットボールやバドミントンなどでは、練習に参加した児童らが先輩の中学生と楽しそうに一緒に汗を流していた。

 文化系のクラブ活動では、「吹奏楽クラブ」体験に参加した子供たちが、トランペットやトロンボーンに挑戦。先輩からアドバイスや激励を受けながら、音が出せるまで何度もチャレンジしていた。また、野鳥などの観察を行っている「エコクラブ」の体験に訪れた児童らは、周辺の里山で採集されたドングリやクリのイガ、ススキの穂などを使った人形作りに励んでいた。

 この日のオープンスクールに参加した小4男子の保護者は、「サッカーに熱中しているので勉強と両立できる学校を探していて、まだ4年生で早めですが見学に来ました。算数の体験授業は小4には少しレベルが高かったですが、丁寧で分かりやすく、子供もすごく集中して聞いていました」と満足の表情。

 また、小6女子の保護者は「めいが以前この学校に通い、先生がとてもいいと勧められました。美術と英語の体験授業を受けましたが、ゲーム感覚でとても楽しかったようです。学校も広くて、気持ち的にもゆとりが持てそうです」と、緑に囲まれた自然環境の良さにもひかれたようだった。

 東海大菅生の教育スローガンの一つは「自然が教科書」だ。オープンスクールの参加者たちは、多彩なプログラムを楽しむとともに、豊かな森に抱かれ、伸び伸びと学べる同校の魅力を味わうことができたに違いない。

(文:石井りえ 写真:中学受験サポート)

 東海大菅生高等学校中等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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46063 0 東海大学菅生高等学校中等部 2018/10/26 05:20:00 2018/10/26 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181024-OYT8I50055-T.jpg?type=thumbnail

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